研究会ブログ

2016年04月 8日 Fri. Apr. 08. 2016

西畠清順氏ご著書『プラントハンター 命を懸けて花を追う』

5月19日の文化経済研究会にてご講演いただく西畠清順氏のご著書『プラントハンター 命を懸けて花を追う』をご紹介します。

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プラントハンターとして知られる西畠氏は、老舗植物卸問屋「花宇」の5代目でしたが、実はそこまで植物に興味はありませんでした。しかし大学卒業後、海外を旅している途中、ボルネオのキナバル山で「ネペセンス・ラジャ(和名:オオウツボカヅラ)」と呼ばれる植物を見たときに人生観が変わるほどの衝撃を受けます。

「補虫器のふちはグロテスクな赤色で鈍く光っています。まず目に飛び込んできたのは、この妖しい赤い色でした」

「植物って俺が考えてるよりも、もっとすごいもんとちゃうか?」

「感動」としか名付けようのない体験を経て、西畠氏は植物に魅了されていきます。

 

■世界の果てまで植物を求める

そもそもプラントハンターとは、17世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパで王族や貴族のために世界中を渡り歩いていた人達のことをさします。ペリーが黒船で来航したときにも、2名のプラントハンターが同行し日本の植物を採集して行ったのだとか。いつの時代でも、何処であっても人は植物を求めるものなのですね。

仕事は常に危険と隣りあわせで、ボルネオでは全身を日本のそれの2倍ほどもある蟻に噛まれ燃えるような痛みと痒みでのた打ち回り、スリランカではヒルに血を吸われ、黒いカーテンのような蚊の大群は日常茶飯事。

また、検疫が厳しい日本では微量の土でも付着していると国内に持ち込むことはできず、木の根を丹念に水洗いした上で人口用土に植え替えなければなりません。しかし、やっとのことで手に入れた植物でも極僅かな土が検出されてしまえば焼却処分に応じなければなりません。

 

植物は野菜と違い食べておなかを満たすことはできませんが、

「プラントハンターの使命とは、植物の力を借りて人の心を豊かにすることである」という先輩の言葉を、西畠氏は常に肝に銘じています。

芸術や文化と同じく、生理的な欲求以外の何かを満たす働きが植物にはあるのです。

 

■環境と心を繋ぐプラントハンター

プラントハンターは、環境破壊と結び付けられやすい職業でもあります。それに対し、西畠氏は「植物を消費する」という考えを持たれています。

食卓に並んだ畜産物を感謝の思いと共に頂くように、屋内に飾られた植物に対し感謝の思いを持ち、それによって環境への意識も生まれていく。

「言葉は悪いかもしれませんが、どんどん植物を消費してください。まずは植物に触れて、その魅力に気づくこと」と訴え、植物によって得られる心の豊かさが、環境意識も変えていくことを説かれています。

2011年3月に新大阪から九州まで運行する新幹線「さくら」開通の際にはJR博多駅に隣接した博多阪急に開花調整した桜を一斉に咲かせ、九州中を周って集めた桜で多くの人を楽しませました。

翌2012年3月、復興支援で企画された「桜を見上げよう。」sakura projectでは、ルミネ有楽町に全国47都道府県の桜を集め一斉に開花させました。

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植物があることで生まれる会話や繋がり、感情。植物に向き合いつつも、それを届ける人のことも常に考えているのがプラントハンター西畠清順氏のお仕事だと思います。

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