研究会ブログ

2015年07月10日 Fri. Jul. 10. 2015

「特長」都市のデザイン

来週16日木曜日、第78回文化経済研究会でご登壇いただく照明デザイナーの石井幹子様。照明を単なる技術としてではなく、光を文化として捉えて様々な活動を展開されている日本の照明デザイナーの第一人者です。


その作品としてもっとも有名なものは日本では東京タワーではないでしょうか。

昭和33年に建設され、戦後の復興、高度経済成長を経て東京の夜を静かに見守ってきたそれを柔らかな光が照らす。

その暖かな光は東京の街の象徴として映画やドラマなどで印象的に使われたりもしています。

他にも2012年には東京駅100周年記念のライトアップも手がけられ、東京の「特長」を作られました。


石井様は他にも、大阪万博、倉敷市、函館市、大阪市など都市空間のライトアップをライフワークとされ、光による建物との相乗効果を演出され都市空間を彩ってこられました。

しかし、オイルショックの影響で日本国内では照明は電力の無駄と見なされ一時は不遇の時期も過ごされたそうです。その際に日本ではなく世界に仕事を求めてそれ以来世界中を飛び回ってらっしゃいます。


08年にパリで行われた日仏交流150周年記念プロジェクトではセーヌ川の25橋を次々にライトアップされ、そのときに日本の国宝級の美術作品をプロジェクション。フランス建築と日本美術の光によるコラボレーションです。


2011年の日独交流150周年イベントでは、ベルリンのブランデンブルク門でベルリンオリンピック75周年の都市でもあったのでオリンピックに参加している国と地域で使われている言語で「平和」という意味の言葉を集め、色とりどりのそれらを投影されました。


光をデザインするということは照射される対象物とのコラボレーションで平面的な絵画の何倍もの訴求効果を生む。足し算の芸術ではなく掛け算の芸術であり、これからの都市空間のデザインということを考える時、光の演出はますます欠かすことのできないものになって来るでしょう。


ところで、光という性質上、現地に行って完成物を1度観てすぐに返ってくるというわけにも行かず、夜の闇の中で照明がどのような効果をもたらすのかをチェックしなければならないそうです。

そのため、視察はどうしても泊りがけになり、国際的にお呼びの多い石井氏は出張続きでなかなかハードな生活を送られているのだとか。ご講演の前後も海外出張に挟まれており、お忙しい合間を縫ってお話をいただきます。


是非ご講演に起こしになり、事業へのヒントをお掴みください。7月17日14:00より青学会館アイビーホールでお待ちしております。

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