研究会ブログ

2015年10月 2日 Fri. Oct. 02. 2015

「江戸端会議」に行ってきました

去る9月25日、日本文化デザインフォーラム事務局「江戸端会議」が表参道のスパイラルホールにて開かれました。

 

最初に実行委員長の水野誠一氏から『江戸は21世紀の先取りだった』と題し、前説が行われました。

徳川家康没後400年を機に、単なる江戸趣味を愛でるだけではなく260年の中で培われた知識を現在にも生かしていこうというのが江戸端会議の趣旨。

江戸という都市は実は当時のパリ、ロンドンなどに比べ規模も大きく、庶民全員が高い識字率を持ち、植民地政策を摂っていたスペイン、ポルトガルなどとは鎖国しつつもオランダやアジア諸国とは積極的に交わっていました。

 

更に注目すべきなのがその世界観で、「循環」という概念が江戸時代の庶民に宿っていました。

単純なところでは古くなった道具や壊れたものでも修理して使い、リサイクルをする。

排泄物も肥料として重宝していました。(道端に放置していたパリとは雲泥の差)

生活の端々の循環の思想は死生観にも及び、輪廻転生の考え方があった。

 

しかし、明治維新によって「勝ち・負け」、目先の利益、西洋文明に目を向けてしまった。

そこで、今夏に出版された『否常識のススメ』で主張したように、「成長期ではなく成熟化期」にある我々は「単なる歴史学ではなく、社会学として江戸を学ぶべき」と水野氏。

 

基調講演はNHKの「その時歴史が動いた」でお馴染みの松平定知氏による『江戸時代の偉人伝~伊能忠敬~』。

彼が実測して書き上げた日本地図は、誰もがその正確さに驚くばかりですが、なんとそのスタートは56歳の時だったそう。

彼は71歳でこの世を去りましたが、何歳になってもエネルギッシュで新たなことに挑戦し続けたその生涯がテレビでもお馴染みの松平氏の口上から生で聴けたことはとても貴重な体験でした。

 

次のスピーカーは同志社大学大学院教授佐伯順子氏。

歌舞伎や文楽などから当時の女性の実態に迫ります。

例えば近松門左衛門は元々お侍さんなので、奔放な女性が作中に出てきても最終的には処罰されてしまいますが、井原西鶴の描く女性はもっと恋愛的に自由だったそう。

「姦通をした妻とその相手は、武士の名誉のために殺さなくてはならない」という建前もあったそうですが、「実際は面倒だったのであまり行われていなかった」というおおらかさと適当さに笑ってしまいました。

 

江戸時代の人々は何も特別な人種ではなく、我々現代人の相違点はそこまで多くないのかもしれない。だからこそ、彼らの中にあったライフスタイルや世界観を学ぶことさほど難しいことではないので積極的にそれらを取り入れていくことも不可能ではないのかなと思いました。

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