研究会ブログ

2015年04月17日 Fri. Apr. 17. 2015

デザイナー奥山清行氏の語る「全体のデザイン」

2014年7月、第72回文化経済研究会で講師としてご登壇いただきました奥山清行氏が、アルファロメオお台場でトークショーを開催されました。

その中でデザインについてのお考えを披露されていましたので引用いたします。

 

「僕は新しい山手線のデザインもしています。その山手線で僕が一番やりたかったのは、社内の中吊り広告を全部取り払うこと。(中略)全体をデザインするということが今、すごく重要です」

 

弊社文化経済研究会でも、幾つかのエピソードを交えてご自身のデザイン哲学を語っていただきました。

その中では車や電車はもちろん、東日本大震災の被災地でボランティア活動をされた際に構想された都市のスケッチまで見せていただきました。

そのスケールの大きさに驚いたのですが、「全体をデザインする」ということを重要視されている奥山氏にとっては、車のデザインも都市のデザインも同じことで、

頭の中には人間の生活全体のイメージがあり、デザインはその全体から一部を取り出しているだけなのかもしれません。

 

また、何か企画や製品開発を進める時、

立案→企画→制作→販売

というプロセスがあり、デザイナーというと、この中の制作の部分にだけ携わるというイメージがありますが、

奥山氏の場合は立案の段階から、販路の確保まで一貫して携わらなければならないとお考えです。

 

いい物を作るだけではいけない、それをちゃんと消費者に届けるまでをしなくてはならない。記事では詳しくは言及されていませんが、奥山氏の

「全体をデザインする」

というのはそういうことだと考えられます。

 

中吊り広告を取り払って空間が広くなれば、電車利用者は快適。

広告の入れ替えが動画によって容易になれば広告収入で鉄道会社は潤う。

より多くの広告主に参入のチャンスも増える。

何かの商品を無闇に売りさばいて利を得るのではなく、関わる人全員が得をするような構想、デザインが今後求められていると思います。

 

デザイナーはあらゆる境界と先入観を取り払い、常に全体的な視座を求められる。その根底にあるのは「人間」に対する興味ではないかと思います。人間そのものに興味を持って自らの行動で問いかけていくことが、これからのソーシャル・マーケティングと言えるのではないでしょうか。

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