研究会ブログ

2016年11月25日 Fri. Nov. 25. 2016

文化経済2016.11月講演レポート②/田中杏子氏

11月19日に開催しました文化経済研究会第2部では、Numero編集長 田中杏子氏にご講演いただきました。

 

 

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「Numeroのファッションをどう理解していいのかわからないという声もあるのですが、私たちはアイテムではなくライフスタイルを売っています。何がどこで、幾らで売られているかではなく、Numeroを物事を考える何かのきっかけにしてほしい。すごいビジュアルイメージが自分の生活に料理されて、食べ物やカーテン、配膳の色に変わったり、そういうものを自分なりにピックしてほしい。そういう意味では一手間料理が必要な上級者向けの雑誌です。マスに向けて作れませんが、意識の高い方に向けて作っています」。

 

■ブロガーがもたらしたショーの変形

「SNSの出現で我々も自分たちの存在意義を問いかけました。デジタルメディアは瞬時に情報を発信できるので、ファッションショーを観たブロガーの情報の方が我々よりも早い。だからトレンドレポートを雑誌に落とし込んでもあんまり意味がありません。

昔はファッションショーの最前列は女優やモデル、編集長などファッション業界の特権階級が座っていたんですが、あるときからそこにブロガーが入ってきました。

ファッションブランドが彼らの拡散力に注目し、良い写真を発信してもらうために優遇し始めたんですね。

それに伴って、キャットウォークも形を変えました。

昔は1本だけのランウェイがあって明確に最前列と後列が分かれていたのですが、今は長く曲がりくねったランウェイをモデルが時間をかけて歩くようになり、全員が最前列と同じ距離でモデルを見ることができるます。ちょっと不思議な時代の流れになっています」。

 

 

■ノームコアから「盛り」へ

「数年前に「ノームコア」が大流行したのは皆さん覚えていらっしゃるでしょうか「ノーマル」で「コア」な、普通こそカッコイイという考え方で、そんなものが流行ったらファッション業界はどうすればいいのかと思っていました。

その風潮をガラッと変えたのがグッチのアレッサンドロ・ミケーレです。ノームコアが台頭していた時代に、リボンタイだったり、帽子だったり黒ぶちの眼鏡だったり「盛り」のファッションを提案して行ったんです」。

 

「グッチゴーストというアーティストを自称し、グッチのマークを使ってTシャツを作っている人がインスタグラムで話題を呼んでいたのですが、それを訴えたりせずにコラボして実際にグッチから商品を出したんです。

インスタグラマーを取り込んだことで一時期低迷していたグッチが再燃しています。SNSとの付き合い方が変わってきています」

 

■何層もの編集レイヤーをかける

「デジタルメディアは瞬時に情報を発信するもので、時代をどんな風に編集するかを考えなくてはいけない。デジタルで発信するものと紙で発信するものが同じであってはいけません。

我々月刊誌は1ヶ月間というタームがあるので、1ヶ月かけないとできないものを発信しなくてはならない。

編集という作業で何層にもレイヤーをかけていくことは紙でしかできません」。

 

「モードやファッションは人の気持ちを変えていくので、普段とは違う服というのを是非皆さんも試してほしいんです。

アレクサンドロミケーレ出現から派手な服が増えてきた。それは正にSNS対応で、ノームコアの普通の服よりも派手な服の方が拡散力があって「いいね」してもらえるんです。SNSと紙がうまく役割分担で世の中を活性化できればいいと思います」。

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