研究会ブログ

2015年10月30日 Fri. Oct. 30. 2015

「第25回旅行動向シンポジウム」 レポート

去る10月23日に大手町サンスカイルームで行われた第25回旅行動向シンポジウムにおうかがいしてきました。

公益財団法人日本交通公社主催で、「日本の旅行市場」「訪日外国人市場」「観光政策」「産業・観光地の動き」などについての調査が報告されました。

 

訪日外国人数の大きな躍進で沸いている旅行業界かと思いきや、反対に日本人の国内旅行者は05年をピークに続落傾向にあるようです。

震災の11年以降少し盛り返した傾向はあったものの、14年度はまたも落ち込み、前年比9.3%減の1億6003万人に。

特に、ETC割引の廃止や消費税8%への引き上げが始まった4月並びにデング熱や御嶽山の噴火などが記憶に新しい9月は前年比での減少が顕著だったそう。

 

旅行を阻害する要因としては「休暇が取れない」というのが36.9%でダントツトップ。

次に多かった理由は「家計の制約がある」というもの。これをあげる人は25.2%で前年比増。やはり増税による影響は大きいようです。

旅行者数はほぼ全ての年齢層と男女にわたって均等に減少していますが、特に顕著だったのが20代、60代女性における旅行者の減少だそう。この2つの層は従来は全体と比べても旅行者の多い層だったので、減少も著しかったようです。

 

反対に訪日外国人は活況で、14年は過去最高を記録し、15年は更に加速し1900万人を突破する見通しのようです。

特に増加が著しいのがやはり爆買いで世間をにぎわせた中国で、13年以降大幅増となっています。香港や韓国からの訪日客も増加しており、訪日外国人増加の内訳はほぼアジア圏に依拠していることがわかります。

 

また、訪日が6回以上のリピーターは2010年の68万人から2014年には150万人。

訪日回数1~2回の旅行者数は2010年から2014年で302万人から494万人という伸びでボリュームとしてはこちらの方が当然大きいのですが、増加率としてはリピーターの方が2.2倍で大きい幅を持っています。

訪日回数が3回以上になると地方への訪問意向が上昇し、数回の訪日で京都などの文化遺産をひとしきり巡った後は、より日本の素の生活に根ざした地方の文化や郷土料理を志向する傾向にあるようです。

 

しかし、懸念されているのは宿泊施設の供給不足で東京、大阪の客室稼働率は80%前後でほぼ高止まりしているということ。このままでは宿泊施設の不足が訪日外国人の増加を止める要因になりかねません。

最近はSNSなどを利用し泊めてくれる人を見つけるという旅行者も増えていますが、ビジネスパーソンの宿泊なども考えるとやはり宿泊施設の更なる増加は急務のようです。

 

アジア、とりわけ中国からの訪問客が増えているのはかの国の爆発的な経済成長率や、円安、LCCの就航によって訪日のハードルが下がったことなどが主な要因で、やはり訪日観光客を呼び込むには内的な努力以上に外的な要因が大きいと思います。

そもそも日本は地理的に四方を海に囲まれています。しかも同じく海に囲まれている英国やギリシャはEU圏に属しており近接国との行き来も簡単ですが、日本はあくまで単独通貨を採用している上にアジア圏でも近い国は香港、中国、韓国ぐらいでそもそも「行きにくい」ところにあります。

観光客数1位のフランスは8300万人と依然として水をあけられてはいるものの、1000万人に満たなかった以前よりは差は縮まりました。

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