研究会ブログ

2017年08月24日 Thu. Aug. 24. 2017

遠山正道氏「100年人生時代の企業とは」


文化経済研究会、今年度のテーマでもある「100年人生」の時代。超長寿社会が訪れることで、それに対応していない既存の社会制度や私たちの人生設計は、根本的な見直しが迫られることでしょう。

 

こちらの記事では、株式会社スマイルズ 代表取締役社長の遠山正道氏(2007年3月文化経済セミナー講師)が、自らの思いを語りながら、新たな時代に向けた提唱をしています。

 

 

 

・原動力は「想い」・

 

大学卒業後、三菱商事に入社した遠山氏。社内での仕事にはやりがいを感じていましたが、このまま定年まで過ごすことに焦燥感を抱いてもいたのだとか。遠山氏は「自分は何がやりたいのか?」という問いと向き合い、紆余曲折を経て、社内ベンチャー「スマイルズ」を立ち上げ。遠山氏が本当にやりたいこと、それは「食」でした。

 

そうして生まれたのが、かの「Soup Stock Tokyo」。08年には三菱商事から独立した企業となり、現在では、ファミリーレストラン「100本のスプーン」、のり弁の専門店「刷毛じょうゆ海苔弁山登り」など、食関連のユニークな事業を拡大。その一方でネクタイ専門店「giraffe」を始めとし、食以外での業態でも存在感を示しています。

 

スマイルズでは社員の想いが原動力になり、社内ベンチャーが幾つも立ち上がっています。また、魅力ある事業への出資も行なっていたりと、想いと同時に独自性も重視しています。1冊の本だけを売る店として話題になった「森岡書店」もその出資先のひとつです。

 

「私たちがやっている事業の多くは、規模や売上も大きなところを求めないではじめています。つまりは、分母が小さいから、リスクも少ない。リスクが少ないということは、思い切って、自分がやりたいことができる。そこには、個人のアイデア、センス、コミュニケーション、情熱、リスクがそのまま仕事と全て重なってくる。仕事と人生が重なっているんです。こうした進め方は、しっかり両足で立っているという感じがするんですよね」(記事より引用)

 

 

 

・企業こそ、変わらなければならない・

 

これからの企業に求められるのは、個人をサポートするシステムとしての役割であると、遠山氏は言います。

 

60歳でいきなり定年になって、残りの40年をどう過ごしますか。その時は、年金も、子供からの仕送りもないかもしれません。自分で稼がなければいけない、自分で喜びも生きがいもつくらなくてはいけない、コミュニティも持たなければいけない、ということが今後、必要になってきますよね」(記事より引用)

 

「スマイルズでいうと、そのカタチとして個人が主体の小さな事業がある。会社はそれをサポートしているというよりも、会社ができないことをやっているわけです。会社にはできないことを、彼らが自分の人生をかけてやっています。だから会社は、そのためのプラットフォームになっていくことも必要だと考えています」(記事より引用)

 

超長寿社会の到来を前に、個人の生き方ばかりがクローズアップされがちですが、企業のあり方も再考されなければなりません。経営者でありながら、何処かインディペンデント。境界を自在に行き来する遠山氏ならではの提案と言えるかも知れません。






 

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