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2018年03月15日 Thu. Mar. 15. 2018

文化経済2018.3月 講演レポート②/富田直美氏

 

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3月7日に行われた第93回文化経済研究会、第2部はハウステンボス株式会社取締役最高技術責任者(CTO)兼 株式会社hapi-robo st 代表取締役社長の富田直美氏にご登壇頂きました。

 

ハウステンボスに大胆な形でロボットを導入し話題を集めた後、2016年に株式会社hapi-robo st(以下、ハピロボ)を起業、ロボット事業を本格化させた富田氏。テクノロジーにとって重要なことは、決して技術革新などではなく、そのテクノロジーで「人はどのように幸せになれるか」という点に尽きると語ります。講演を通して、氏の熱い「幸福論」を学びました。

 


・経験と未経験、無限大の差・


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冒頭、いきなりセグウェイに乗り、会場を縦横無尽に駆け回る富田氏。70歳という年齢を感じさせない、鮮やかなライドに会場は釘付けです。

 

「朝から晩までセグウェイに乗っていたって、何のセンスも磨かれることはありません。それどころか、やがて退化して歩けなくなってしまうでしょう。でも一方で、これに『乗ったことがある』という経験をしているか、そこには意味があります」

 

「失礼な言い方をしますが、皆さんは『コピペ』で生きています。僕は自信をもって『私はコピペをしません』と言えます。自分で経験していないことを大きい声で喋りません。自分の経験をベースに考え、話し、本を読み、人の話を聞きます」

 

経験したことは1。経験していないことは、どうやっても0。経験の有無、その差は『無限大』だと、富田氏は定義づけます。人間にとってまず一番大事なことは、経験をしたことを下敷きにし、自分で考えることだと語ります。

 

 

・技術は人を幸せにするのか?・

 

あなたの幸せは何ですか、と氏は会場全体に問います。

 

「どうしてテクノロジーの話をする時、幸せのことを考えるのだろうと思う方もいるかもしれません。技術は人を幸せにしてきたのでしょうか。間違いなく『楽』にはなりました。便利になり、生産性も上がりました。それが人を幸せにしましたか?」

 

楽になったことで幸せになるのか。思い通りになれば幸せになるのか。氏はそうした根源的なところから、幸福の意味を問います。

 

「そうした根本的なことを一人ひとりが考えて欲しいんです。独断と偏見に満ちた私の結論を言いますが、自分の幸せは自分で考えるべきだと思います」

 

しかし、ハピロボを立ち上げた時、その経営理念に据えたのは「人々の生活を幸せで豊かにする」ということ。それを謳うからには、年齢も国民性も関係なく、人々が本当に幸せになれる方法について、富田氏自身にも考える必要が生まれました。

 

「本来、人間はそれぞれにすごい能力を持っています。人というのは、自分の能力を発揮し、認められた時に幸せになる。逆に、自分の能力を否定され、潰された時には不幸になるのだと。これは全員が賛同してくれるだろうなと思い、ハピロボのコンセプトにしました」

 


・人間の「エゴ」をエコシステムに取り込む・

 

「すべてのテクノロジーは、人間の能力を伸長させるために使われるべきです。儲かるからこのテクノロジーを使おう、という考え方ではもはや立ち行かない段階にまで来ています。世界的に、従来のエコノミーの形が破綻している。だから大問題になっているわけです」

 

そこで氏が独自に提唱するのが、新たな概念「E-trinity」。自己(エゴロジー)・自然摂理(エコロジー)・環境経済(エコノミー)の3つの「E」によって、幸福世界を実現しようというものです。

 

「E-trinityは私のライフワークです。ここで重要なのはエゴロジー。エゴです。自分の幸せを中心にしていいんです。その幸せの中で、環境も自分ごととして考えなきゃいけない。いくらお金があっても、環境が破壊されていたら人間は嫌なんです。そして、継続して利益が上がらなければテクノロジーを使い、活かしていくことが出来ない。だからエコノミーも必要になってくる。そしてエコロジー。この3つを一遍に実現することを考えなければ、これからの地球はおしまいです。テクノロジーは、考えて実現するための道具に過ぎません」

 

講演を通し、一貫して語られていたのは「自ら考えること」の重要性でした。全てを並立して実現させ、地球社会全体の「幸福」を実現するため、富田氏は考えに考え、オリジナリティを持って取り組み続けます。

 

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