研究会ブログ

2015年05月29日 Fri. May. 29. 2015

文化経済2015.5月講演レポート②/干場弓子氏

第77回文化経済研究会セミナー(2015.5.21開催)。

第2部は株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役社長 干場弓子氏。

 

IMG_8173.JPG 

 

干場氏は85年に株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンを設立以来、直取引という独自の手法を採られてきました。

一般的に出版社は取次という本の中間業者を通して日本全国に流通させますが、直取引では営業・流通・清算・返品などを自前でこなす必要があります。

 

・売れそうな物を仕掛ける

・売れる例を見つけ仕掛ける

・販促・広告・PRで売り伸ばす

 

基本的な戦略は非常にシンプルで、他分野の視点から既存の知識を組み合わせ、新たな発想を生みます。

 

とは言え、基本的な戦略を忠実に守ってトントン拍子で成功したわけではなく、創業メンバー5人のうち3人が離れてしまい、干場氏含め2人にまで戦力が減ってしまった時期もあっそうです。

 

書店から売れなかった本が沢山返ってくる。在庫だけがどんどん積みあがっていく。その整理は過酷な肉体労働です。

……なんでこんなことやっているんだろう。会社なんてやめてしまおうかな。

在庫と返品の山の中でそう思った干場氏を奮い立たせたのは、ある男性社員の次の言葉でした。

 

「僕はこういうこと嫌いじゃないです。干場さんと一緒ならなんでもやりますよ」

 

その方は高い学歴の持ち主で、在庫整理などの業務よりも高度な頭脳労働が本来ならば向いているはず。

額から汗を滴らせて本の山と格闘する彼から発せられた純粋な思いと笑顔が干場氏の熱意にもう一度火をともしたのでした。

 

ビジネスの基本は利他の心と言われています。

他者にとってこんなサービスや商品があれば世の中に貢献できるだろうな、という社会貢献の心ですが、

そこまでの広範でなくても、もっと狭義で

 

「この人のためにがんばろう」

 

という熱意のほうが、むしろ漠然とした「社会」という他者よりも爆発的なエネルギーを与えてくれるのではないでしょうか。

 

「言っときますけど、別に私とその人はなんでもないんですよ(笑)」

 

干場氏はそう言って会場の笑いを誘いましたが、ディスカヴァー・トゥエンティワンの成功の礎には2人の友情が隠れている気がしました。

干場氏曰く、本当のプロは全てのことを「自分事」として捉える人。いい意味での公私混合ができる人が持つエネルギーがヒットや社会現象を起こしていくものです。

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