研究会ブログ

2018年01月12日 Fri. Jan. 12. 2018

出雲充氏 著書紹介


3月7日(水)開催、第93回文化経済研究会にて講師としてお迎えします、株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲充氏の著書『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』をご紹介いたします。


bokuhamidorimuside.jpg


出雲充著『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』

ダイヤモンド社 刊

1500円(税別)

 

本書は、出雲氏が仲間と共に株式会社ユーグレナを創業し、現在に至るまでの軌跡を記したものです。幾多の苦難に見舞われながらも、地球の食料問題と環境問題の解決を目指し、そしてミドリムシの可能性をひたすらに信じて進み続けた起業ストーリーを追うことで、出雲氏がモットーとする「くだらないものなんて、ない。」という言葉の意味が見えてきます。

 

出雲氏は1980年生まれ。東京大学文科3類に入学後、理転し、同大農学部を卒業。そのユニークな経歴を形作った契機は、在学中に訪れたバングラデシュで見た栄養失調の現状でした。食料問題といえば食料が不足している状態を想像しがちですが、バングラデシュの場合、米は充分に獲れ、空腹に苦しむ人々は少数。ところが、野菜や魚などに含まれる「健康に生きるための栄養素」が不足し、多くの人々が健康状態を害していました。そうした栄養素を現地に運ぶには技術的な問題が多く、国連の食料支援は有効打となっていないのが現状でした。このまま国連を目指すのではなく、栄養素を普及させる手段を見つけたい。農学部へ進んだ背景にはそうした思いがありました。

 

出雲氏とミドリムシとの出会いは在学中。農学部の後輩だった鈴木健吾氏(ユーグレナ研究開発担当取締役)から、食料問題を解決する鍵は、豊富な栄養素を持つミドリムシではないかと何気なく言われたことがきっかけでした。出雲氏は本書でその時のことを「ミドリムシ、という言葉を聞いた瞬間、僕は雷に打たれるような衝撃を受けた」と回想しています。

 

ところが技術的な問題が高い壁として立ちはだかり、ミドリムシの商業レベルでの大量培養に成功した人間は世界に誰もいない、というのが当時の現状。日本でも研究が滞り、ミドリムシの研究者は全国に散っている状態でした。出雲氏と鈴木氏は2005年にユーグレナを創業し、同年に食用屋外大量培養を世界で初めて成功させることとなりますが、在学中から夜行バスで体を痛くしながら全国を駆け回り、日本中からミドリムシについてのノウハウを収集したと言います。

 

食用屋外大量培養に成功し、ミドリムシ配合のサプリメントを商品化した後も、思うように取引先が見つからない毎日。取引を断られる日々が続きました。世間からはミドリムシではなく青虫ではないかと誤解され、揶揄され、倒産秒読みの状況になりながらも、出雲氏は諦めませんでした。あらゆる手段で仲間たちと営業を繰り返し、結果的に伊藤忠商事、電通から出資を得ることに成功。「自分たちが本当に正しいことをやっていれば、どこかに必ずそれに共感してくれる人がいる」と出雲氏は断言します。

 

食品事業が軌道に乗り、現在ではミドリムシを原料とした国産バイオジェット燃料を2020年までに実用化するべく、さらに多くの人たちを熱意で巻き込みながら、ユーグレナは躍進を続けています。オリンピックイヤーには、バイオ燃料で飛行機の飛ぶ世界が実現しているかも知れません。たった0.05mmの生物にこれほどの可能性があると、誰が信じたでしょうか。それでも信じ続けたからこそ、ユーグレナの今がある。「くだらないものなんて、ない。」とは、出雲氏の経験に裏打ちされた、偽りのない実感なのでしょう。

  

3月7日(水)開催の文化経済研究会では、ミドリムシを活かして地球規模で問題を解決し、循環型社会を実現しようと突き進む、氏の高い視座に学びます。

 

 

研究会ブログ
バックナンバー

▲ページTOPに戻る

お問い合わせ・お申し込み

お問い合わせ・お申し込み

TEL:03-5457-3024  FAX:03-5457-3049

担当:池  bunkaken@jlds.co.jp