研究会ブログ

2014年05月 8日 Thu. May. 08. 2014

文化経済研究会会員様インタビュー/エンパワー21、能勢みゆき様 前編

株式会社エンパワー21(http://www.empower21.com/ は接遇マナーを通じてマネジメント力や企業のレベルアップをサポート。

新入社員研修だけではなく、ベテラン社員にいたるまでの行動を隅々まで見直し、改善。ビジネスシーンで対人コミュニケーションが求められる様々なケースを想定し、それぞれのケースで求められる最善の対応を学習します。

文化経済研究会では代表の能勢みゆき様に接遇という言葉に込められた意味、そこから今後のコミュニケーションや働き方についてのお話をお伺いしました。

 

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◆接遇とは?

Q 接遇という言葉は普段日常で使う言葉ではないと思うのですが、接遇をメインプログラムにされたのは何故ですか?

A  接客は接客メインのお仕事での言葉。接遇はいろんな人と接する中で、接客サービスに限らず人と接する際に、相手と良い関係を築くという広い意味。

そこで私が『接遇コミュニケーション』という言葉を使ったのは、人と人がいれば必ずそこにコミュニケーションが生まれるからです。単なる挨拶やお辞儀、身だしなみだけではない、相手との建設的なコミュニケーションを大切にしたいという思いでこの言葉をつくりました。昨年特許を申請して今年の初めに特許が取れた言葉です。

 

Q 面白い言葉ですね、コミュニケーションだけだと接遇の意味は汲み取れません、英語には訳せない言葉ですね。

A そうですね、現在は「おもてなし」という言葉がクローズアップしていますが、近い言葉だとホスピタリティという英語があります。私が航空会社の客室乗務員だったときに、人と接するサービスの仕事をしていた中で様々なマナーやケースを学びました。また、企業の中にいる人だけではなく、企業から離れて起業する人もいろんな人とネットワークを持ってコラボレーションで仕事をする時代となりました。初めて会った人たちと、早い段階で信頼関係を築くコミュニケーションをとりながら仕事をしなければいけないベンチャー企業の方にとっても重要な考え方です。

 

Q 接遇コミュニケーションは社会生活をする上で必ず必要な前提ということですね。

A はい、新入社員研修で必ず伝えることは、新人はまず社内の人との接遇マナーが大切ですよということ。最初は誰でも先輩や上司に仕事を教えてもらわないと何もできません。そこでまずは社内で人との接し方を学ぶ。そこでOKが出ると社外のお客様を任せてもらえるようになっていきます。

 

◆より広い場面で接遇コミュニケーションが求められる

Q 接遇というのは接客業界の専門用語にとどまらないということですね。

A そうですね。意外に感じるかもしれませんが学校の先生、変わったところだと消防士さんからもオファーがあります。

 

Q より接遇としてマーケットが広がった感じですね。学校の先生や消防士さんだとどういうケースをシミュレーションして接遇マナーを教えて差し上げるのですか?

A 以前だと学校の先生の言うことは絶対という考えがありましたが、最近では親御さんへの対応を疎かにできなくなってきました。

消防士さんの場合だと火災現場などではマナーを気にしている余裕などはありませんが、救急では、救急車の中で、患者さんとダイレクトに接しなければなりません。

少し前になりますが、役所などで市民の方々への対応が問題になった時期がありました。このように、接客業ということに限らず、人と人が接する様々なシーンに接遇マナーが求められています。

 

Q バーチャルが進行した反動としてリアルなコミュニケーションが大事にされるのでしょうね。

A そうですね。今ではマニュアル以上にお客様とのコミュニケーションを楽しむということに重点を置いています。旅館やホテルであればお料理の説明として、「この食材は地元のこういう場所で採れました」など、プラスアルファの説明をすればお客様も喜ばれますし、お客さまとのコミュニケーションも活発になります。

 

◆日々の気付きから学ぶ接遇

Q ではその気配りの感度を向上するために普段から気を配っていらっしゃることはありますか?

A 私もまだまだできないことがあり、失敗から日々学んでいることが多くあります (笑)。つまり私自身が様々なコミュニケーションを実践して、ケースバイケースで学んでいくしかないと思っています。

仕事はもちろん、家族や友人関係、自分の体験や関わる人たちとのコミュニケーションを通じた全てが学びの場になっています。

 

Q 一番その土壌が培われたのは客室乗務員のときの経験ですか?

A そのときは今のようには考えてはいなかったと思います。目の前のお客様にいかに対応したらご満足いただけるかを考えていただけでした。しかし、接遇マナーの講師になってからはそれをより概念化・一般化して様々なケースに適用できるようにするにはどうすればいいかを考えるようになりました。

 

Q マニュアルとして明文化できない、サービスの付加価値の部分が接遇に値するのですね。マニュアルに加えて接遇マナーを実践することによってお客様に与える印象がプラスアルファになる。

A さっきの旅館の研修の話ですと、ロールプレイングでは、皆、一通りの対応はできます。ところが、「今日はこの辺で梅が咲いていますので、よろしければ足を運んでみてはいかがですか」など、お客さまを見てお勧めする、お客さまとのコミュニケーションを楽しもうとするスタッフは少ないように思います。そのときそのときでお客様を見てその人は何を求めているのか察して、コミュニケーションを取る力が必要です。

 

◆自分を大切にすること

Q それを教えるのは難しいですよね。最終的には一人ひとりの気づきにかかってくるのでは?

A はい。きっかけを私の研修や講演によって気づいていただければと思います。接遇コミュニケーションでは、目指していることが3点あります。1つ目はマナーある言動ができること。2つ目は自分も相手も大切にすることができること、3つ目は自分の思いを表現することができること。

マナーがなくてマイナスに思われるよりは、マナーを重んじてプラスに思われた方が良いですよね。また、人を大切にするということは、結局は自分を大切にするということに通じます。「情けは人のためならず」と言いますが、人を助けるということが結局は自分を助けることにつながっているということですね。

また、日本人は責任感が強いうえに、相手の気持ちを察する文化なので、自分が我慢すれば済むなら我慢してしまう傾向が強いと思います。しかし、自分がどうしたいかを軋轢を起こすことなく周囲に伝えていくことも大切です。

 

Q 今小売業が値下げしすぎてしまって、逆にデフレスパイラルを引き起こしてしまっているということに通じている気がしました。

A 海外だとチップという文化があるのですが、日本ではサービスに対するチップがない。それをどう思うかと海外の接客スタッフから尋ねられたことはあります。日本人って原価の掛からないものに対しては、お金を支払わないっていうところがありますからね。しかし、自分が価値を感じ、満足したのであれば、目に見えない接客サービスのようなものにもきちんとお金を払う姿勢が大切だと思います。

安くなければ買ってもらえない、利用してもらえないという考えを変えて、自分にとって良いもの、価値ある物には、きちんとお金を払っていくという社会になれば良いと思っています。


(続きは来週アップ予定です。お楽しみに)

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