研究会ブログ

2015年11月27日 Fri. Nov. 27. 2015

文化経済2015.11月講演レポート②/山口絵理子氏

11月19日に開催しました第80回文化経済研究会のセミナー第2部。

講師は株式会社マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナー山口絵理子氏。

 

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 マザーハウスは途上国から先進国に通用するブランドを作るというコンセプトのもとにバングラディッシュの工場でバッグを作り、今やその販路は日本だけではなく台湾や香港などアジアに広がっていこうとしています。

途上国の開発にもともと興味を持っていたために、ワシントンの国際機関での勤務やバングラディッシュの大学院での勉強を経ますが、その中で「フェアトレード」という活動の持つ歪さに気付きます。

 

「途上国の人が作った製品を、先進国の人はそこまで欲しくも無いにもかかわらず『可哀想だから』と憐れんで買う、これのどこがフェアなのだろうか?」

 

バングラディッシュでも大学はあり、そこに通える人は高い家柄と能力を持った人ばかりですが、バングラディッシュの状況を変えられるかもしれない彼らはコンサルタントやIT技術者を目指し、自国の産業であるジュードやモノ作りの分野は敬遠される傾向にあるそうです。前者の方が報酬が圧倒的に良いであろうことからそれは致し方ないのかもしれませんが、そこで山口氏はなんとかしてバングラディッシュの特産品であるジュードで「カッコいい製造業はできないだろうか」と考え、先進国の人々がお情けではなく本当に欲しいと思えるようなブランドをバングラディッシュから発信しようと決心します。

ビジネスとして成立しなければ生き残れないし、真の途上国・生産者支援にはならないと考えたのです。

 

マザーハウスは今やバングラディッシュのバッグ製造業としては国内4番目の工場を抱えており、そこで働いているということは現地社員の方々にとっても誇り。

例えば、日本では会社に勤めている人であれば当たり前のように首から下げている社員証。

現地社員の方はこれを親戚に見せびらかすぐらいに嬉しいものだそうです。写真を撮ったり撮られるということもあまり無いために自分の顔写真やIDの入っている社員証が自分の社会的地位を示すものとして尊厳の一つになるのだとか。

 

ご講演が終わってからは来場者の皆様が口々に「感動した」と仰り、会場であったアイビーホールから徒歩で3分程度の場所にあるマザーハウス青山骨董通り店に押し寄せたため店内は大賑わいの状態に。


バングラディッシュで作られたそれらの商品の数々はクオリティ的にも第一線のブランドに全く劣らないものばかり。質が均衡しているとすれば、支持されるのはストーリーや背景です。

あるいは、マザーハウスの活動によってバングラディッシュなど途上国が盛り上がればそれは新興国の経済効果となって結果的に誰もがメリットを得ることができる。このグローバルな三方一両得の構図に気付いている人が徐々に増えていっているのかもしれません。

 

自分のやりたい事で世界を幸せにしている山口氏の笑顔が印象的でした。

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