研究会ブログ

2014年10月17日 Fri. Oct. 17. 2014

枡野俊明著『日本人はなぜ美しいのか』

枡野俊明氏の『日本人はなぜ美しいのか』を読みました。

 

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著者枡野氏は横浜市の健功寺の住職をされている禅僧であり、庭園デザイナーとしても活躍しておられます。

禅という視点から本書では我々日本人の行動を読み解き、あるべき姿が説かれています。

 

本書では日本的な美とは、無駄を極力排したシンプルな美しさであると定義されます。その例として取り上げられるのが水墨画で、墨の線と濃淡で描かれるそれは時に色彩豊かな西洋画以上に見る人間の想像力を掻き立てます。

また、もう一つの例として日本家屋のことが述べられています。例え六畳一間しかないような小さな家でも、ちゃぶ台を広げれば食堂に、布団を敷けば寝室に、座布団を敷けば応接間へと姿を変える。

 

最小限の要素しかないものの、より完全なものを目指そうとする西洋画や洋館よりも多くの可能性を秘めているという、その絶妙なあり方が禅と日本人が持っている美しさなのだそうです。

 

しかし、実は多くの日本人は禅ということに関してそこまで関心を持っておらず、逆に西洋人がその思想の彼らから見た新鮮さに対して惹かれはじめている。

その最も端的な例がスティーブン・ジョブズの作ったMACだそうです。

 

MACやiPhoneなどを送り出したジョブズが禅に傾倒していたことは有名ですが、Appleの製品は無駄な機能が極力排され、ユーザーのカスタマイズの自由度が他のデバイスに比べるとかなり高い。

最先端の技術と禅の思想を見事に融合させたこれらの製品に、枡野氏は「やられた」と思ったそうです。

 

我々日本人はそもそも古くからの暮らしとその知恵のうちに、禅の思想・簡素なものを活かしす知恵がありました。

最先端の技術を駆使したり、現代の流行・潮流を取り入れるのは一向に構わないし、むしろ本書ではそれを推奨していますが、大切なのは原点にある「型」を知ること。

型破りという言葉がありますが、予め基本の「型」を知っていなければそれはただの「型知らず」になってしまうと本書では説いています。

 

時間と情報に追われる現代の日本。

時にはスマホやPCから離れ、じっと座して自分で向き合う時間を作りたいものですね。

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