研究会ブログ

2015年02月27日 Fri. Feb. 27. 2015

山下柚実著『なぜ関西のローカル大学「近大」が志願者数日本一になったのか』

3月の文化経済研究会でご講演を賜ります宮下盛氏がご教鞭を取られている近畿大学。

 

2014年度の志願者数は10万5890人。これは早慶や、同志社など抑え私立としては「全国1位」という快挙です。

山下柚実著『なぜ関西のローカル大学「近大」が志願者数日本一になったのか』ではその道程が描かれています。

 

そもそも近大といえば、関西ではいわゆる関関同立より偏差値で一段下の「産近甲龍」(左から京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)という序列に配されていて、題名にあるように「ローカル大学」でした。

イメージはいわゆる「バンカラ」。スポーツ系が強いというイメージ。しかし、今や近大は広告戦略や理系への注力、次いで文系学部への波及などを駆使し、エキセントリックで変わったことを最先端でやっていく大学というイメージへと転換を図りました。

 

さて、いわばその切り込み隊長となったのが、宮下盛氏が育成に成功された「近大マグロ」です。

1948年、敗戦後の食糧難の時代に近大初代総長の世耕弘一は和歌山県白浜町に水産研究所をスタートさせました。

近畿大学が誕生したのが1949年だったので、実は近大よりも水産研究所の方が先にできていたんですね。

研究所にあったのは自治自立の精神。土地の購入から研究費、人件費までを自分たちだけで稼ぎ出す。

そんな訳で、1970年に水産庁が国家プロジェクトとして始めた「マグロの養殖」から他大学や研究機関が相次いで撤退してしまったあとも、のっけから国の補助金など当てにせずに研究費は自分たちで稼ぐベンチャー精神で近大だけは研究を続けることができたわけです。

 

晴れて養殖に成功したのは2002年。今から13年も前です。

実は近大は、近大マグロの養殖の成功を世間にアピールしたのは数年足らずだったのです。

しかし、「広告のターゲットである受験生は毎年違う」という理由から近大マグロは大学全体のイメージを担う象徴として、再び担ぎ上げられたというわけだそうです。

 

そう考えると流線型の力強いマグロが牽引車のように海洋を進んでいく様が目に浮かびます。

毎年希望に溢れて進路を選ぶ高校生たちや、晴れて大学に入った新入生たちにとってみれば母校の誇りです。若人たちの希望とプライドも背負っているとも言えるでしょうか。

 

3月19日の文化経済研究会では、宮下盛氏からクロマグロ完全養殖成功にいたるまでの挫折とプロセス、大学や養殖を取り巻く現状などをお話しいただきます。

皆様ぜひ足をお運びください。

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