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2012年12月11日 13:30

 

~NPO法人日本オーガニック・コットン協会  渡邊智恵子副理事長~

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オーガニック・コットンとは、3年以上、

農薬や化学肥料を使用していない土壌で栽培された綿のこと。

化学薬品などなかった時代の農作の原点に立ち返った製品でもあります。

「衣」は私たちの生活に欠かせないものです。

人や環境にも配慮されたオーガニック・コットンが

私たちがヘルスデザインを行う上で、どのような影響を与えてくれるのでしょうか?

NPO法人日本オーガニック・コットン協会の

渡邊副理事長にお話しを伺いました。

 

 

「衣・食・住」という言葉がありますが、

どうしてこの順番なのか考えたことはありますか?

ただ単に、語呂がいいからではなく、

そこには、ものすごく大きな意味が含まれています。

人間が世の中に生まれた時、一番初めに必要になる物は、「おくるみ」です。

そして、母乳を口にし、それから生活が始まります。

そうした理由から、「衣」が初めにくるのです。

 

今から20年前、私がオーガニック・コットンの仕事を始めて

2年ぐらいの時に、90歳ぐらいのお婆さんからこの話を聞き、

とても衝撃を受けたことを覚えています。

そして、妙に納得し「着るものは、ないがしろにできないし、疎かにもできない」と、

自分のやっている仕事が間違っていないと確信できました。

 

オーガニック・コットンは、環境や人に対して、

できるだけストレスを少なくして製品化していこうという精神を持っています。

農薬や化学肥料を使用しないで栽培し、製品化する際にも

漂白、染料、定着剤、柔軟剤、防縮剤といった薬剤は一切使用しない。

綿本来の色を引き出すことで、

綿自体にもストレスを与えないため丈夫になります。

さらに、下着などの製品に加工する際には、

できるだけ縫い目が肌に触れないように工夫して縫製をしています。

肌の敏感な方や高齢者の方にとって、

乾燥した肌にかかる下着のストレスは相当なものです。

すべての工程においてストレスフリーでやさしくすることが基本。

だからこそ、とても感触がよく、誰にでも安心して着てもらえる製品が完成します。

生きていく上で、衣類は大切なもの。

元気に、笑顔で着てもらうためには、当然の工程でもあります。


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衣服と心と体の関係

 

近年、オーガニック・コットン製品で、普及が伸び続けているのが布ナプキンです。

1995年に起きた阪神・淡路大震災の際、仮説住宅のトイレに

使用済みナプキンが山積みになっている問題が起きて、

布ナプキン製作の依頼がありました。

実際に製品化できたのが1997年ですが、

この15年間のうち、使用者が増え続けています。

 

その理由は、ゴミが出ないことだけでなく、体への影響があります。

「経皮毒(けいひどく)」という言葉をご存知でしょうか?

シャンプーや化粧品など日用品に含まれる有害化学物質が

皮膚を通じて体内に入ることで、体に様々な影響を与えます。

 

紙ナプキンのほとんどは化学薬剤が使われています。

経皮毒は粘膜から吸収されやすく、

布ナプキンに代えたことで、多かった経血や、ひどい生理痛が

治まったという声が多く寄せられています。

以前、私の講演会に親子で来てくださった方がいて、

「2人で布ナプキンに代えたら、2人ともひどい生理痛がなくなりました」と

大変喜んでいただきました。本当にうれしく、感動しました。

 

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また、紙おむつからも人は変わっていきます。

生まれたばかりの赤ちゃんが紙おむつをすることで、

24時間化学物質の中にお尻を入れていることになります。

紙おむつはおしっこを吸収するため、お母さんは赤ちゃんの

お尻が濡れてるかを気にしません。

赤ちゃんは、おしっこをして気持ちが悪い時に泣き叫ぶことで、

すぐに新しいおむつに代えてくれるお母さんに安心感を抱きます。

紙おむつだと、おむつはしたままで、いつまでもお母さんは来てくれない……。

人の心は0歳から3歳までの間に育てられると言います。

母親や父親がいつも自分を見てくれている。

そして、気持ち悪くなったおしめを気持ちのいいものに替えてくれる。

これが子供の安心感を作り、その結果、感受性の豊かな子供に育ちます。

逆にいつも放ったらかしにされていることで、不安がいっぱいの子供になります。

そうなると猜疑心の強い子供になってしまい、人と戦う子になってしまうのです。

紙おむつを布おむつに代えていくことで、大切なものを失わずに済み

様々なことが変わっていくと思います。

 

2000年に日本オーガニック・コットン協会が設立されて12年経ちますが、

この12年の間に、人々のライフスタイルは大きく変化し、

心や体に異常をきたしている人が増え続けていることは間違いありません。

自分の体の悲鳴を真摯に受け取り、

大切なものは何かを考えて行動に移すことで、

確実に体は変わっていきます。

この布ナプキンや布おむつを使うことで、

「衣」を通して原始的な生活に戻ってもらうことが願いです。

そうすることで、人々も穏やかな生活を取り戻せるでしょう。

 

小さな積み重ねが “明るい未来” をつくる

 

現在の日本でのオーガニック・コットンのシェアは0.7%。

10%までになったら、世の中が変わると信じています。

メジャーにするつもりはないのですが、

10%になれば、みんなが買いたい時に買える環境が作れて、

オーガニック・コットンの本当の良さも、ますます広がっていきます。


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渡邊副理事長と株式会社アバンティのみなさん

 
こうしたオーガニック・コットンの啓蒙活動と共に

東日本大震災で被害を受けた福島県いわき市を中心に

オーガニック・コットンの栽培をする

福島オーガニック・コットンプロジェクトを進行中です。

 

日本の繊維の自給率0%の現状を踏まえて、

オーガニック・コットンで雇用創出も考えた、

繊維産業の再生と自給自足を目指すプロジェクトです。

 

私は、このプロジェクトを教育の場にもしていきたいと考えています。

 

繊維の自給率が0%という状態では、

自分たちが着ている衣類のルーツは辿れません。

子どもたちに、綿は畑の農産物だということと、

綿栽培は1年に1度しかできないことも知ってもらいたい。

様々な工程とたくさんの時間をかけて、衣服が出来上がっていくことを

学んでほしいと思っています。

 

今は100円ショップなどで、何でも買える時代です。

1年かけて綿を育てて、1年かけて製品にする

オーガニック・コットンの衣類は、

100円で買えるわけがありません。

 

出来上がったものしか見ていない子どもたちに、

商品に感謝する心も持ってもらいたい。

 

そして、10年後は、1%でも2%でも、

綿の自給率を増やしていきたいです。

そうすることで、綿の栽培が今よりも日本に浸透し、

健康を意識するだけではなく、衣類を大切にする気持ちや、

もったいないと思う気持ちが生活に影響を与え、

明るい未来が生まれてくるはずです。


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新しいことに挑戦するためには、

元気がなければできません。

私にとって、一番の元気の源は「速足」で歩くこと。

速足は、足の衰えを防ぎ、血液の循環がよくなって

脳の働きも活性化してくれるそうです。

20年以上、寝る前に腹筋50回を続けてますすが、

これはもう当たり前の習慣になっていますね。

 

 

 

 


 


watanabe-p.jpgProfile

わたなべ・ちえこ NPO法人日本オーガニック・コットン協会副理事長、株式会社アバンティ代表取締役。1975年株式会社タスコジャパン入社後、83年取締役副社長に就任。85年株式会社アバンティを設立し、代表取締役に。93年テキサス州アントニオ市に Katan House Japan Inc. を設立。同年、日本テキサスオーガニックコットン協会を設立。00年NPO法人日本オーガニック・コットン協会を設立し、副理事長に就任。08年「第26回毎日ファッション大賞」大賞受賞。09年平成20年度新宿区優良企業表彰経営大賞「新宿区長賞」受賞。経済産業省「ソーシャルビジネス55選」選出。日経ウーマン主催ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010総合7位受賞。

 

【NPO法人日本オーガニック・コットン協会】
http://www.joca.gr.jp/index.html

【株式会社アバンティ】
http://www.avantijapan.co.jp/



2012年10月22日 13:25

~管理栄養士・野菜ソムリエ 岸村康代先生~

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生きる基本であり、美味しく、楽しい時間を提供してくれる“食”。

しかし、乱れた食生活や、体に合わないダイエットを行うことで、

体に悪影響を及ぼしてしまうのも事実です。

今回ご登場の岸村康代先生は、食で体が変えられることを自ら経験し、

管理栄養士という食のプロになられました。

食の世界をライフワークとし、その活動の原動力となる

健康づくり、そして、さらに夢のお話までを伺いました。


ダイエットや生活習慣病、メタボリックシンドロームなどの予防をするために、

体質改善をしたいという人はたくさんいらっしゃると思いますが、

正直「どこをどう改善すればよいのか?」と

お悩みの方も多いのではないでしょうか。

それに必要なのはまず「食生活」を見直すこと。

きちんと食べることが、体質改善につながり、

健康で長生きできる体をつくり、メンタル面でも変化が現れてきます。


以前、ダイエットのカウンセリングをしたクライアントさんもそうでした。

何百万円もの大金を使ったり、がんばったのにも関わらずリバウンドの日々。

全然思うような体質にならなくて自信をなくし、

暗いお顔をされていたのですが、食事を変えることでダイエットに成功。

体型も変わり、表情も一気に明るくなり、

「人生が変わった」と言ってくださったのです。


私からの指導は、まず「きちんと食べる」ということを伝えます。

本にも書かせてもらいましたが、決して難しいことではありません。

ダイエットの敵となる余分な脂質や糖質を効率よく燃やし、

体が健全に機能する栄養素を補えばいいのです。


色の濃い野菜、たんぱく質、果物を、なるべく出来合いのものではない、

自然な形で効率よく摂るようにして、栄養素のバランスを考える。

でも、忙しい時は無理せずに、コンビニでも、野菜の入ったサイドイッチを選び、

トマトジュースや豆乳を一緒に摂るといったバランスを考えれば大丈夫です。

ストレスがかかるときは、栄養素も消耗されやすくなるので、補給が大切。

私も2時間の講演を行う前には、必ず豆乳を飲むなどして栄養補給をしています。

 

 

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現代はダイエットなどに関する情報が氾濫していて、

どれを信じていいのか迷うことも少なくありませんが、

まず、自分を知ることから始めましょう。

私のカウンセリングも、現状を知るために体組成を計り、

今の食生活のヒアリングをし、今後の方針を立てるといった流れを取っています。

毎日の食事とその時の気分を書き出し、

何が必要なのかを理解しなければ、何も始まりません。

家計簿も一緒ですよね?

収入と支出を書き出すことによって、お金を貯める方法がわかります。

自分を理解した上で、信頼できる栄養士さんやお医者さん、

本などを参考にして実践してみると効果が出てくるでしょう。


ダメダメな自分がいたからこそ、今の自分がある


今でこそ、ダイエットのカウンセリングや生活指導を行っていますが、

実は、13歳の頃からいろいろなダイエットの失敗で苦労をし、

24歳で働き過ぎて倒れるといった過去がありました。


子供の頃から、食べることが大好きで、

食に関する興味が人一倍あったと思います。

だからなのか、13歳の頃に、リンゴダイエットにはまってしまい、

リバウンドを繰り返す日々。食欲の調整も効かなくなり、とても苦しみました。こういった経験と、もともとの食に関する興味からか、

高校生の頃には学会に参加して独学で勉強をするまでに。

しかし、栄養学の進歩もあって、先生によっていろんな認識の違いがあり、

何を信じればいいのかの分からない疑問は高校生の頃から感じていました。

そして、食に関することを将来にも生かしたいと考え、

さらに、スポーツ栄養学にも興味があったので、食物科の大学に進学。

あと、当時、イチロー選手の大ファンで、もし、自分が奥さんになったら、

栄養の勉強をしておいた方がいいかも……なんて考えもあったりして(笑)。


大学卒業後は、食品開発の会社に入ったのですが、

ここでの過酷な労働が体に響き、24歳で過労死寸前の状態で倒れて

救急車で運ばれる事態を招いてしまいました。

何をやっても体調は戻らず、体温調整が出来ず、夏でもコートを着てたほど。


ここから、一旦、食の世界を離れ、知り合いの紹介でDHCでの

カラー開発課の立ち上げに参加し、充実した日々を過ごしていました。

しかし、食への思いが何年経っても断ち切れない自分がいて、

いろいろな回り道をしながら、今に至ります。


この断ち切れない思いは、13歳と24歳で起きた

2つのターニングポイントが影響しているかもしれません。

昔は、意志が弱く、ぐうたらで、面倒くさがりで、自分を責めてばかりでした。

そして、体がひどくなってから改善することの大変さも経験しました。

だからこそ、食事で体を治すことができることを

たくさんの人に知ってもらい、困っている人々の役に立ちたい思いが

強くなったのかもしれません。

こういった遠回りをしたおかげで、いろいろな引き出しを持てて、

アドバイスが出来るようになりました。

苦しみを共有できることもあって、みなさん、

うれしそうに自分の悩みを吐き出してくれます。

自分がダメダメだったからこそ、今の自分があるので、

こんな自分もいいのかなと、ようやく思えるようになりました。

 

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夢は“食のお医者さん”になること


これからの夢はたくさんあります。

いろいろな世代の人に体質改善を広めていくことだけでなく、

「ダイエット駆け込み寺」のような場所も作ってみたい。

体調が悪くなりお医者さんに行くと、病名を告げられ、薬を処方されますよね。

でも、細やかな食のカウンセリングを行うことができていません。

薬だけを頼らず、食からのアプローチを伝えていく

「食のお医者さん」になることが、管理栄養士である私の役目だと思うのです。

野菜ソムリエの資格も、体にとてもいい野菜を

もっと掘り下げて勉強したいという思いから、取得しました。

野菜にはおいしさもあり、体にもいい、

たくさん取り過ぎても過剰摂取にはならないという、

食生活の改善を行う上で、なくてはならない存在です。

しかも、野菜ソムリエは「伝えること」も主題に置いているので、

プレゼンテーションや楽しさを伝えることも学びます。

私ならではのツールや言い回しで、たくさんの人に理解してもらうためにも、

好奇心旺盛に、新しいことにチャレンジしていきたいと思います。


ある人の言葉で、「幸せとは、夢を追い続けること」

「誰かを幸せにすることは、その人の夢を応援すること」とありました。

人は夢やワクワクした気持ちを持っていると、

幸せな気持ちが倍増するような気がするので、

その年齢で楽しめることを諦めないで続けていきたい。

年齢って、「あの時若かったな」と思うと、辛くなる気がします。

「100歳に比べたら、60歳なんて、まだまだ」

「60歳に比べたら、40歳なんて、まだまだ」

過去ではなく、今の幸せ、今できることを大切にしていけたら、嬉しいですね。

 

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仕事が忙しい時は、なかなか睡眠もとれず、ゆっくりした時間を過ごせない

こともあります。しかし、どんなに時間が取れなくても、

毎日欠かさず行っていることは、湯船に入ること。

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遅く帰った時、5分間だけでも、湯船にお湯を溜めて、

アロマを入れたりして浸かるようにしています。

確実に、睡眠に入りやすくなり、眠りの質も変わってきます





 

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Profile

 きしむら・やすよ 野菜ソムリエ、管理栄養士。“目的に合わせて効果的に栄養を摂る”というパワーフードスタイルを提唱。ビューティーフードトレーナーとしてカウンセリングを行うほか、商品開発、講師、テレビ・雑誌などで活躍。クリエイティブエイジング・ネットワークの姉妹ブランドの健康情報誌『self doctor』では、「旬の王様野菜&お姫様野菜で健康ごはん」を連載中。著書『食べちゃダメなものはない!ダイエット』(メディアファクトリー)では無理なく効果を上げるダイエットを提唱。『日本野菜ソムリエ協会の人が本当に食べている美人食』(祥伝社)ではレシピ監修を行っている。

 

 

【日本野菜ソムリエ協会】

「ビューティーフードプログラム」

http://beauty-food.jp

岸村康代オフィシャルホームページ

http://power-food.jp/ 

 

 

 

 

 



2012年8月31日 13:20

~AEAJ認定アロマテラピープロフェッショナル・

「生活の木」ゼネラルマネージャー 佐々木薫さん~


 

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心を豊かにし、時にはライフスタイルにも影響を与えるハーブ、

そしてアロマテラピー。その世界に刺激を受け、

ライフワークにしようと決めた佐々木薫さんは、

「生活の木」で製品などの企画・開発に参画しながら、

全国各地での講演活動にも勤しんでおられます。ハーブとの出会い、

新しいものを生み出し続けてきた原動力、

さらに、今後に向けた自世代の使命など、様々にお話いただきました。

 

 

いろいろな意味で人々の生活が豊かになってきたからでしょうか、

このところハーブやアロマテラピーなどが

注目される傾向が続いているのはうれしいですね。

でもハーブもアロマも、決して特別なものではないのです。

古の時代から人間の歴史ともずっと寄り添ってきたものであり、

本来、ライフスタイルの一部として

自然に取り入れられていくべきものだと思います。

私もよく、「飲みものは水かハーブティーですか」とか

「身の回りのものはやはりナチュラルさにこだわりますか」

などと聞かれることがありますが、

それほどストイックではありません。

ハーブは衣食住、幅広く活用できるものですが、

どちらかというと主役を引きたてる添えもの的なもので、

かかわりかたも同様だと思います。

ハーブをひと加えするだけでいつもの食卓がぐっとひきたつ、

そんなものです。

でも、だからこそ、とても価値あるものです。

 

今の世の中、誰もが忙しいし、やらなくてはならないことも

たくさんあります。「時間がない。心に余裕がない」と

感じている人は多いはず。でも、それは考え方を変える

“きっかけ”をつかむことで改善できるかもしれません。

人間はいろいろな能力を持っていますが、

それを100%使えているわけではなく、

無駄にしている部分も多いかもしれません。

日常の小さなことでもよいと思います。

いかにそのスイッチを入れるかが大切なのです。

ハーブやアロマは、その“きっかけ”作りにも一役買ってくれるのです。

お部屋でアロマを焚くときには、まずお掃除から始めたりして、

それが身の回りを整えようとするきっかけになったりします。

また、ハーブやアロマで、家族や友人を癒やしてあげたいと思うことは、

自分以外の人を思いやる余裕から生まれるものです。

香りや効能だけでなく、ライフスタイルにまつわる、

さまざまなことに気付かせてくれる存在だと感じています。

 

 

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●  自身の趣味が仕事に発展

 

ハーブやアロマとの出会いは、「生活の木」に入社してからです。

陶器の製造・卸・販売メーカーであった弊社がハーブ事業を

始めて間もない頃で、まだ日本ではアロマテラピーはもちろん、

「ハーブ」という言葉はほとんど知られていませんでした。

まずはポプリから手がけていきましたが、

私自身はポプリ研究家の熊井明子先生の大ファンだったので、

よく知っていました。仕事上での再会に驚いたほどです。

余談ですが、その熊井先生がお客様として来店されている

ということを聞いて、当時は相当に舞い上がっていました(笑)。

その延長でポプリの原料であるハーブのことを知る機会ができ、

植物の持つパワーや歴史的背景、そして、お茶や染色などにまで

様々な用途で活用できることも学びました。

プライベートで熊井先生の講演会を聞きに行ったり、

ハーブを育てたり、山で摘んだハーブで染色をしたりと、

新しいことを知る喜びと共に、ハーブの奥深い世界にも

ぐいぐい引き込まれていきました。

もともと植物好きだった私の知的好奇心が強く刺激され、

「ハーバルライフの創造をライフワークにしたい」と思うようになったのです。

 

折しも、「生活の木」自体も陶器からハーブ事業に業態転換することになり、

私自身も商品企画・開発の仕事に携わるようになりました。

ポプリからハーブティー、入浴剤、染色……と、徐々に製品が展開され、

自分の勉強していることともうまくリンクする結果になったのです。

会社の仕事が自分の趣味に近づいてきた、と思いましたね(笑)。

 

何もないところから新しいものを考えて形にし、

さらにそれを普及させていくことは、

とても充実感があり、本当に楽しいことだと改めて感じた瞬間でした。

自分のやりたかったことが、いい形で仕事と結びついて

本当に幸運だったと思います。

時々、もし違う職業だったら……と考えることもありますが、

恐らく新しいものを創り出したいという思いは変わらないでしょうから、

仮にパン屋さんになっていたとしたら、

パンを使って何か新しいことを創造していたのかもしれません(笑)。

 

 

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●次を考えていくこともミッションに

 

まだまだ新しいことに挑戦し続けたいし、

勉強してみたいこともたくさんあります。

例えば、香り文化の発祥の地であるエジプトのことなど、

歴史ももっと学びたい。

でも、自分のこともさることながら、いろいろなノウハウを

次の世代に伝えていくことも考えなければいけない

時期になってきているという認識もあります。

ハーブ文化が日本に入ってからもうかなりの年月が経ちました。

最初に普及につとめてくださった、開拓者ともいえる

方々の存在はやはり偉大で、その次を担うことはとても大切なこと。

第一世代の背中を見て育った私たちが、これを受け継ぎ、

さらに次の世代に伝えていかねばなりません。

「ハーブって何?」という時代に比べると、現在は実に

豊富な情報が簡単に入手でき、市場も出来上がっている状態です。

ハーブやアロマテラピーがものめずらしかった時代からオシャレで憧れの

対象となり、さらには健康によい欠かせない存在になりつつあります。

そんな時代の流れの中で、ハーブとどうかかわっていくのか、

次の世代と一緒に考えて行きたいと思います。

幸いにも、私の書いた本を読み、ハーブやアロマに夢や生き方を

見つけてくれた人たちもいらっしゃいます。

そんな憧れの対象になるハーブやアロマの価値をもっともっと

高めていきたいと思います。植物から受ける恩恵、

そして植物と人の暮らしとの関わりをもっともっと追究し、

それを紹介していきたいと思っています。

 

ひとつ気がかりなことがあって、

最近、「この本に書いてある通りにやりたい」という声をよく耳にします。

まず基本は大事ですが、自分が楽しむことは自分で作りだしていってほしい。

失敗を恐れずにいろいろな経験をしてもらいたい。

自分が何が楽しいかは自分が一番知っていることです。

“自分の引き出し”が増えれば、人生の楽しみも広がります。

たくさんの可能性を探り出してほしいですね。

ハーブやアロマを通して、私が感じていることです。

 

 

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眠れないという方に最適なアロマオイルの活用方法があります。

マグカップにお湯を入れ、好きなアロマオイルを1滴落とし、

刺激を感じないように目を閉じて、ゆっくり深呼吸をして、foo_025.jpg

香りを吸い込みましょう。または、ティッシュペーパーに

アロマオイルを1滴落として、枕元に入れましょう。

たったこれでだけで、安眠にとてもいい効果が現れます。

アロマオイルだけでは、何も出来ないと

思っている方も多いのですが、身近なもので簡単に

アロマテラピーを生活にとり入れることが出来ます。

ぜひ、お試しください。



 

Profile

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(ささき・かおる)株式会社生活の木ゼネラルマネージャー。公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピープロフェッショナル。ハーブ・アロマテラピーの研究に携わり、アロマテラピー、ハーブにまつわるカルチャースクール、セミナー、講演会の講師として活動。『佐々木薫のアロマテラピー紀行―世界のハーブと精油のルーツを訪ね、その魂を知る旅』(主婦の友社)など著書多数。

 

 

 

 

 


2012年8月10日 13:18

〜中医美容学教授・漢方美容専門家 楊さちこさん〜

 

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奥が深い漢方美容について、

正しい情報をわかりやすく、そして、楽しく。

聞いているだけで元気がもらえると、テレビや雑誌、講演を通じて、

老若男女を問わず大人気です。「中医学とはライフスタイルである」

と話す楊先生に、中国、そして中医学との運命的な出会いや

高齢社会についての見方、今後の展望などを聞きました

 

私が中国に興味をもち、中医学にまで入り込んだのには、

いくつものきっかけがありました。

まず最初は、中学の時に漢文の授業で聞いた中国語の新鮮な響き。

そういう言語を操る中国、中国人にむくむくと

興味がわいてきたのを覚えています。

 

そして次は、社会人となり旅行会社の添乗員として

中国を訪れたときのこと。上海の土産物店で真珠のクリームを

売っているのを見つけ、とても不思議に感じました。

なぜなら、当時の私にとって、真珠といえば「ミキモト」であり、

宝飾品でしたから。それを肌に塗る? なんとも印象深い経験でした。

 

添乗の仕事では世界中を巡りましたが、

概して歴史の深い所の食べ物はおいしかった。

中国もやはりそうで、その食文化には強く引かれました。

さらに何度も足を運ぶうちに、食に対する考え方が文学や心の満足など

全てにつながっているのだということもわかりました。

 

他にも色々とありますが、とにかくそうしたことが重なる中で、

「中国を知りたい」という思いがどんどん高まり、

直接、言葉を学ぶために、まだ日本人の少なかった広州に移り住んだ。

言葉をマスターしてからは、香港でツアーガイドを始めました。

ご存知の方も多いと思いますが、

ツアーではバスの車内でいろいろなものを販売しますが、

最初は全然売れず落ち込む毎日でした。ところが、あるガイド仲間が、

モノを売り込むのではなく、それを好きになれば自然に売れるよ、

とアドバイスをくれて、“目うろこ”。

それを実践したら、急に売れ出して連日の好実績。

その頃は、主にタイガーバームと真珠のクリームを扱っていたのですが、

商品は売ることだけを考えるのではなく、まずは好きにならなくては

だめだ、ということに気付かされました。

 

勢いにのって、次第に日本にも市場を広げ商材も徐々に拡大。

でもその矢先、人気商品だった海南島製の海藻石鹸が、

ある週刊誌の認識違いとも言える記事の影響で大打撃を受けた。

それを機に、「これは勉強しなくては!」と一大決心をしたわけです。


●中医学とは「ライフスタイル」である

 

香港なら簡単に漢方医学を学べるかと思ったらとんでもない。

「人間の体の仕組みを理解しなくては無理、習得するには6年かかる」。

でも、やるしかありませんでした。

南京中医薬大学に入り、それこそ頭がはげるほど勉強に没頭しましたね。

 

よく、中医学と西洋医学が相反するものといわれますが、

私はそういう関係ではないと思います。

西洋医学は病気を治すことが目的ですが、

中医学では、人のゆりかごから墓場までをみる。

つまり、中医学とは「ライフスタイル」なんです。

生涯現役で活躍する多数の国宝級の高齢者を見るにつけそう思うわけです。

 

ライフスタイル観点で言えば、人間の最盛期は一般に35歳前後

だといいますが、昔は寿命が50歳前後でしたからさしたる問題は

なかったのですが、今はピークは変わらないままに100歳まで生きる時代。

そんな中にあって、自分には論文を書いて研究することよりも、

普通の人が100歳まで元気に生きていくことを

応援していくことの方が合っているなと思い、その道を選びました。

 

人間の体は“小さな宇宙”で、その環境を整えるのは風水学。

中国には四書五経という学問体系があり、

その中の易経には中医学も風水学も含まれている。

ライフスタイルとしてやっていくならば

その両方を修めることが必要だと思ったし、

そうした色々をやらせてくれるのが中国だったわけです。

 

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●高齢社会を自分ごととして考える

 

このところ強く思うことは、何事も「継続」が大事だということ。

例えば、食事だって5日分を一度に取ったら

5日間食べないでよいわけではなく、毎日少しずつ、が必要。

誰もが、健康になる、きれいになるのは好きだが、

それを保つという意味がわかっていない。

 

私のセミナーでもよく話すのが、

何か1つできるようになればいいということ。

1つできれば2つできるようになるし、3つできるようになる。

一度に20個しようと思うから3日も続かないわけで、継続が重要なんです。

そしてそれは、運動や勉強、ライフスタイル全般に通じることでもあります。

 

悩みは「継続」という言葉が当たり前すぎて、

ピンときてもらえないことでしょうか。

何か、もっとインパクトのある表現はないものですかね。

 

ひとつ提言があります。仕事で老人介護に関わることも多いのですが、

日本のこの分野はまだまだ女性の目線が足りない。

介護施設を視察しても、働いているのはほとんど女性なのに、

説明に出てくる人は全部男性。しかも、「~してあげる」という、

上から目線の印象を抱かせられることもしばしば。

自分には起こらない状態だと思っているのでは。

単に仕事として、他人事として考えていると、

細かいところに目がいかないのではないでしょうか。

 

リハビリ・メイクというのをが流行っていますが、これも女性目線でみると、

例えば、98歳の女性であっても25歳の時のような化粧をしてあげたい。

イケメン美容師にやり方を教わり、実際に自分で試す。

毎日の生活時間をただ過ごすだけではなく、

「今日はこんな化粧したい」とかね。

それを続けたら元気になったとか、そういうのがいいですね。

これも継続でしょうか。

 

これからやりたいこと。

時間はかかると思いますが、日本のヘルパー資格をとり、

そのノウハウを南京中医薬大学の授業に組み入れること。

香港や中国の介護概念と日本のそれの違いを

公開講座なども活用しながら人々に広めていき、

ゆくゆくは東南アジアの国々の看護学校で学んだ人たちが、

香港や日本で介護サービスパーソンとして働けるような環境を作りたい。

相互の人材交流、文化経済交流にもなります。

高齢長寿化が進めば、介護が必要な人も増えるはず。

これは20年後の自分たちのためです。

何でも自分ごとで考えれば続けられると思いますよ。

 


 

Profile

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よう・さちこ 医学博士 南京中医薬大学教授。中国の大学に留学中に自身の体験から漢方美容に目覚める。中医師の資格取得後も研究を続け、現職に。中医学に基づく健康美についての講演を国内外で行う。『北京・上海・香港で買える漢方おみやげ案内』(ユウメディア)『道具いらずのげんこつ美容法』(講談社)など著書多数。

 


2012年7月 9日 13:17

NPO ハワイシニアライフ協会会長 坂井諒三さん

 

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私は、ビジネス人生36年のうち31年間が海外暮らしという

若干ユニークな経歴で、在職中はニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスと

転勤が相次ぎ、1985年からハワイ勤務となり、ここで定年を迎えました。

ハワイ暮らしは約20年と、海外では最も長くなりました。

 

退職後に何かしたいとずっと考えていたわけですが、

ハワイに長期滞在することの楽しさ、

ローカルの友人知人ができることのうれしさ、などを、

たくさんの人たちに体験してほしいと思っていました。

折りしも団塊世代がどしどし退職するような時期で、

まだまだ元気な人たちがもったいないなあ、とも思っていました。

 

そんなこともあって、現地の有志数人と立ち上げたのが、

ハワイシニアライフ協会なんです。

ハワイでのアクティブなシニアライフの実現、友人知人づくりのお手伝い、

そして草の根レベルでの日米交流への貢献などを目的にしたもので、

創立5年を迎えた現在、会員は1000人を超えました。

7割が日本、3割がハワイ在住です。

ハワイ好きの集まりですから、地域ベースでの活動も活発で、

北海道、新潟、群馬、千葉、大阪、名古屋、福岡、など、

いまや全国に16支部が設立、それぞれゴルフや旅行などの交流会、

講座イベントなど、様々にやっていますよ。

 

●スポーツも人生も後半戦がおもしろい!

 

ハワイ本部の活動もとても活発で、

例えば、昨年はゴルフ会や気孔の会、俳句の会、地ビールの会、

ヨットクラブでの懇親会、不動産・医療情報交換会などなど

多種多様なイベントを427も実施しました。

この3月に自主イベントとして開催した

「ジャパン・ハワイ・カルチャーエキスポ」は、日本とハワイの文化交流の

架け橋になるべく実施したのですが、

2日間の期間中に約8000人が来場し大成功でした。

 

やっていてうれしいのは、活動を通じて、

どんどんと人と人とのつながりができていくこと。

情報社会が発達すればするほど人間同士の関係が大事になってきますが、

この会では、言葉はよくないですが、「どうでもよい不特定多数」ではなく、

同じ「ハワイ好きの特定多数」とのつながりをつくることができます。

大切なのは絆なんです。

 

会のスローガンは「スポーツも人生も後半戦がおもしろい。一歩ずつ前へ」です。

つまり、イベントなどで交流のきっかけはつくります、

でもそこから先は自主自立的にお進みください、

そういうちょっとした勇気を持ちましょう、ということなんです。

そうした気持ちが大事だと思うわけです。

 

私自身、いまでも週3回はゴルフをやりますし、

去年65歳になったのを機に、なんとサーフィンを始めました。

これもあるサークル活動で60歳ぐらいの女性が、

サーフィンに挑戦したという話を聞いて刺激を受け、

自主的にやりだしたことです。月に3回ほどはやりますねえ。

いまはサーフィンが主で仕事は従という感じです。

私がやっているとみんな笑顔で拍手してくれますよ。

それがまたうれしいですね。

 

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●「シニア」の真意は「成熟」で「上質」

 

例えば、ハワイといえばフラですよね。フラは日本でも大変な人気と

聞いていますし、ハワイで踊りたい人もたくさんおられます。

いろいろな大会もありますが、ある審査員によると、

審査のポイントは技術面ももちろんありますが、

自分自身が本当に心からフラを楽しんでいるかどうか、

というのが大きなポイントだそうです。

これも、自身が主役かということでしょうか。

 

協会の名称に「シニア」と使っていますが、

日本だと「老人」「高齢」イメージが強いようで、

若い人からは抵抗があるとの話をしばしば聞きます。

でも、本来の意味は、「成熟」「高級」「上級上質」といった感じで、

もっとポジティブなニュアンスです。

 

自主性を尊重し、さまざまなことに挑戦し、

歳を重ねたからこその「成熟」を理解する気持ちをもってもらえる、

この協会がそんな関係作りに貢献できればとてもうれしい。

私自身もこれから、この輪をロサンゼルスやラスベガス、

沖縄などでの協会設立にも広げていきたい。それが夢です。

 


 

Profile

さかいりょうぞう 1946年生。富山県出身。1970年、早稲田大学商学部卒業後、ソニー株式会社入社。ソニーアメリカの本社、支社勤務を経て、85年ソニー・ハワイ社長就任。2005年同社上級顧問となり06年定年退職、その後、ハワイシニアライフ協会を設立。


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