京王電鉄グループは、以前から沿線住民に向けた様々な取組みを進めていましたが、今年の夏には、世田谷区内に介護付き有料老人ホーム「アリスタージュ経堂」を開業します。規模は、一般居室116戸、介護居室30戸。ロビーラウンジやフィットネスルーム、半露天風呂付き大浴場などの共用スペースに加え、看護スタッフの24時間常駐体制や買物代行サービス、家庭料理の1日3食提供などのサポートメニューを備えています。

昨年10月に開設されたモデルルーム(京王線桜上水駅前)へ行くと、約60㎡の二人用の部屋と、介護居室の2種類をみることができます。部屋の広さは、一人用が約45㎡、二人用は約60㎡から広いところでは100㎡を超えるものもあります。1階の庭付き住戸ではペットも飼え、ペット用のエントランスも別に設けられるとのこと。今年の5月頃には完成、夏には入居開始だそうです

※写真は、モデルルームにある完成模型です。

 

長寿の森Nexthink-今日の中に現れる高齢化社会に関する様々な情報を丹念に集め、それらがどのように連鎖しているかを読み解きそこに価値の新たな潮流をキーワードしていくメディアです。毎月40~50に及ぶ事象を分析し、次なる価値観の発見につなげていきます。

<情報分析 谷口正和>

■小さな存在証明

地域における挨拶や語らいが、高齢者自身の存在を確かめる大きな機会となります。

人は、「今、ここに自分が存在していること」をどんな形であっても、気付いてもらいたいのです。一人で暮らす人が増え続ける中、誰かが自宅を訪れて、いろいろと会話を交わした日は、穏やかな満足感が心に広がっていくはずです。そういった意味では、じっくり人の話を聞くという“傾聴”という行為は、非常に意味のあるものになってきたと言えます。【Nexthink vol.37】で着目した「シニア文化アワード」が、個人の存在を最も際立たせるものだとすれば、笑顔で挨拶を交わし近況を語り合うことは、日常の中で最も身近に感じられる存在証明でしょう。以前は当たり前のように家族の中で行われていたことが、次第に果たせなくなってきた今、新聞を配達する人や火の用心にちょっと立ち寄る人との語らいが、「小さな存在証明」となるのです。地域に住むシニアに対して、“語らい”という時間を定期的にお届けすることは、地域社会における見守りを引き受ける構造へとつながり、地域家族の時代を前提とした新たなネットワークの形を実現するでしょう。

<事例①> 介護施設に入居する高齢者の話を聞いて、孤立を防止

認知症などで引きこもりがちな高齢者の話を聞く傾聴ボランティア団体「みんなの輪」が三重県度会(わたらい)町に新たに設立された。1月から介護施設などへ足を運び、趣味や家庭の話を親身になって聞く。事務局の担当者は、「高齢者はゆっくり話しを聞いてもらえる機会が少ない。たわいない話でも心を込めて聞けば孤立を防げる」と話す。メンバーは伊勢市や鳥羽市に住む男女約20名。(毎日新聞 12/27)

<事例②> 傾聴ボランティアを被災地へ派遣、近隣との関係作りに一役

栃木県茂木町の社会福祉協議会は、昨年11月末に傾聴ボランティア12人を被災地へ派遣、支援にあたった。仮設住宅は様々な地域から人が集まっているため、コミュニティ形成は不十分。訪れた先では、帰り際まで話が尽きないお年寄りもいたという。傾聴ボランティアの派遣は、がれき撤去終了した後の第二段階のサポートとして実施。仮設住宅への入居が進むにつれて、被災者が求める支援は心のケアへと変化していった。(下野新聞 1/11)

<事例③> 地域見守りネットワークの構築で、高齢者が安心して暮らせる仕組みを

石川県は、「地域見守りネットワーク」の骨子案をまとめ、高齢者の孤立を防ぎ、地域で安心して暮らせるための施策を盛り込んだ。その中で、お年寄りの話に耳を傾ける「傾聴ボランティア」の派遣を従来よりも拡大。災害時に援護が必要な人の避難支援プランづくりで市や町を支える。その他、新聞や郵便などの企業と提携し、配達員が一人暮らしのお年寄りらの異常を発見した際に自治体へ連絡する仕組みも構築する。(北國新聞 1/18)。

長寿の森Nexthink-今日の中に現れる高齢化社会に関する様々な情報を丹念に集め、それらがどのように連鎖しているかを読み解きそこに価値の新たな潮流をキーワードしていくメディアです。毎月40~50に及ぶ事象を分析し、次なる価値観の発見につなげていきます。

<情報分析 谷口正和>

■個性のフィナーレ

人生最期のシーンで、個人の特性や築きあげた功績を伝える演出が重要になってきました。

最近は、お別れの場面でその人が生涯を通してなし得たことや持ち続けた興味領域を表現するケースが増えてきました。短い時間の中に凝縮された最期の演出は、立ち会った人々の心に「あの人らしいセレモニーだったね」という思いを静かに残していきます。また、死を前にして、社会へ、友人へ、家族へどんなメッセージとして残すのか、自分をどのような人間としてそれぞれの人の心に刻んでおいてもらいたいのか、自分自身で考え、シナリオをあらかじめ用意する人も中にはおられます。実現できている人は、今の段階ではまだ一部に過ぎませんが、誰しもが同様に抱いている願いではないでしょうか。従って、今後はより一般的な個人レベルで「どのようなフィナーレを描くか」についての具体的なシナリオが求められると感じています。結婚式が、一般的な式場から次第にレストランウェディングやビーチウェディングへと多様化したのと同様に、最期を飾る舞台も、「個性のフィナーレ」としてより多彩なメニューやシナリオを用意することが重要です。

<事例①> ジャズのライブ演奏で賑やかに送られた、立川談志さん

昨年11月に75歳で亡くなった立川談志さんの「お別れ会」が12月21日に開かれ、各界の著名人約千人が希代の落語家との別れを惜しんだ。祭壇には座布団と愛用した湯飲み、扇子、着物などが飾られ、高座を再現。談志さんが好きだった「ザッツ・ア・プレンティー(これで満足)」もデキシージャズで生演奏されるなど、終始にぎやかに進行。友人の石原慎太郎都知事が「あばよ、さようなら」と弔辞を述べた。(東京新聞 12/22)

<事例②> プロゴルファー杉原照雄さんの棺には、用具メーカーとの来期の契約書

プロゴルファーの杉原照雄さんは、昨年12月に死去(享年74歳)。「人に迷惑をかけたくない」という本人の意志を尊重し、葬儀は近親者のみで。棺には、ゴルフ用のセーター、レインウエア、木製ティーなどに加え、長年用具契約を結んでいたデサントとの来期契約書が入れられた。4月の今期ツアー開幕戦では、杉原さんの追悼イベントとして、尾崎将司、石川遼ら主力選手による追悼ティーショットが行われる予定だ。(スポーツ報知 12/31)

<事例③> 俳優の入川保則さんは、段取りをすべて自分で決めた「自主葬」を

がんを公表し、約1年5カ月の闘病の末、昨年12月に亡くなった俳優の入川保則さん(享年72歳)。葬儀は、戒名もなく、読経も自分が吹き込んだものを使う「自主葬」。参列者への挨拶も、あらかじめ録音された本人の声によるメッセージが流された。亡くなる直前に出版した「自主葬のすすめ」(ワニブックス)は、自分らしい最期の実践書として話題を集めている。遺作となった映画「ビターコーヒーライフ」は5月公開。(スポーツ報知 1/5)

長寿の森Nexthink-今日の中に現れる高齢化社会に関する様々な情報を丹念に集め、それらがどのように連鎖しているかを読み解きそこに価値の新たな潮流をキーワードしていくメディアです。毎月40~50に及ぶ事象を分析し、次なる価値観の発見につなげていきます。

<情報分析 谷口正和>

■シニア文化アワード

長く生きたからこそエントリーできる「文化アワード」が、新しい長寿の未来像を描きます。

60歳を迎えて初めてエントリーできる、様々なプログラムが出現し始めました。領域は、小説、絵画、アートなど多岐に渡っており、新たな目標設定のもとに学び、競い合い、磨き合える場として注目を集めています。受賞者や受賞作品がニュースとして社会に登場し、個人の中に眠っていた才能に再びスポットがあたると、これを機にますますシニアの学習意欲が高まっていくのです。日々の練習、発表、評価というサイクルによって生涯学習の構造が定着し、シニアが生きがいと心のはりを持ち続けることへ繋がっていきます。自分の興味や嗜好に基づいて自分らしく生きることが理想である点は、今まで何度も指摘をしてきました。一番楽しいと思えることに没頭し、そこで高い評価を得ることは、シニアにとって大きな励みです。また、目標に向かって真摯に取り組む姿を示すことは、次の世代への生き方の伝承にもなります。高齢先進国である日本がアワードのスタイルを確立し、アジア全域に広めることで、新たな長寿の未来像が見えてくるのではないでしょうか。

<事例①> 60歳以上限定で、ミステリーの新たな書き手を発掘

ユニークな文学賞「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」(講談社主催)の受賞作に、さいたま市に住む加藤眞男さん(60)の「ショートスカート・ガール」が選出された。この賞は、小説家・島田荘司さん(63)が「日本の経済力を支えた栄光の集団の頭脳と経験を、本格ミステリー創作に振り向けて欲しい」という提案により昨年スタート。島田さん自ら志望者を講談社に集め、ミステリー小説の書き方を講義。(読売新聞 12/7)

<事例②> 「60歳からの主張」をテーマに、エッセー、小論文、川柳を募集

還暦を過ぎ、豊富な人生経験を持つ人たちの声を伝える「60歳からの主張」が、1月9日東京都中央区の時事通信ホールで開催された。全国老人福祉施設協議会が2003年から毎年募集しているもので、エッセー・小論文部門に654点、川柳部門に3564点の応募があり、入賞作品15点を選出。両部門の優秀賞は「文藝春秋」4月号に作品が掲載される。今年は、東日本大震災や、病に倒れた家族に寄り添う経験つづった作品も見られた。(朝日新聞 1/10)

<事例③> 夫から妻へ、妻から夫へつづる「60歳のラブレター」を募集中

住友信託銀行が「60歳のラブレター」を募集中。応募資格は、応募者本人が50歳以上で、夫から妻へ、妻から夫へつづる「夫婦の想い」と、家族へ寄せる「家族の絆」の2部門。「あらためて思う感謝の気持ちや言葉に出せなかった一言をつづってほしい」という。選出された作品は、毎年NHK出版から書籍として発行され、贈り物としても喜ばれている。今年で開催12年目を迎えた。(産経新聞 12/23)

 

「高齢社会における住まいづくり・まちづくりを考える」をテーマにしたシンポジウムが開かれます。      

   日時:12月15日(木) 午後1時30分から

   場所:文京区・住宅支援機構本店「すまい・るホール」

   内容:「これからの高齢者住宅の可能性ーその事業と運営について」

       明治大学の園田眞理子教授の講演、パネルディスカッション。

       参加費無料、定員250人。

       主催:住宅・金融フォーラム 後援:国土交通省

        ※参加申込みはインターネットなどから。  (建通新聞 12/5)