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2012年8月10日 13:18

〜中医美容学教授・漢方美容専門家 楊さちこさん〜

 

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奥が深い漢方美容について、

正しい情報をわかりやすく、そして、楽しく。

聞いているだけで元気がもらえると、テレビや雑誌、講演を通じて、

老若男女を問わず大人気です。「中医学とはライフスタイルである」

と話す楊先生に、中国、そして中医学との運命的な出会いや

高齢社会についての見方、今後の展望などを聞きました

 

私が中国に興味をもち、中医学にまで入り込んだのには、

いくつものきっかけがありました。

まず最初は、中学の時に漢文の授業で聞いた中国語の新鮮な響き。

そういう言語を操る中国、中国人にむくむくと

興味がわいてきたのを覚えています。

 

そして次は、社会人となり旅行会社の添乗員として

中国を訪れたときのこと。上海の土産物店で真珠のクリームを

売っているのを見つけ、とても不思議に感じました。

なぜなら、当時の私にとって、真珠といえば「ミキモト」であり、

宝飾品でしたから。それを肌に塗る? なんとも印象深い経験でした。

 

添乗の仕事では世界中を巡りましたが、

概して歴史の深い所の食べ物はおいしかった。

中国もやはりそうで、その食文化には強く引かれました。

さらに何度も足を運ぶうちに、食に対する考え方が文学や心の満足など

全てにつながっているのだということもわかりました。

 

他にも色々とありますが、とにかくそうしたことが重なる中で、

「中国を知りたい」という思いがどんどん高まり、

直接、言葉を学ぶために、まだ日本人の少なかった広州に移り住んだ。

言葉をマスターしてからは、香港でツアーガイドを始めました。

ご存知の方も多いと思いますが、

ツアーではバスの車内でいろいろなものを販売しますが、

最初は全然売れず落ち込む毎日でした。ところが、あるガイド仲間が、

モノを売り込むのではなく、それを好きになれば自然に売れるよ、

とアドバイスをくれて、“目うろこ”。

それを実践したら、急に売れ出して連日の好実績。

その頃は、主にタイガーバームと真珠のクリームを扱っていたのですが、

商品は売ることだけを考えるのではなく、まずは好きにならなくては

だめだ、ということに気付かされました。

 

勢いにのって、次第に日本にも市場を広げ商材も徐々に拡大。

でもその矢先、人気商品だった海南島製の海藻石鹸が、

ある週刊誌の認識違いとも言える記事の影響で大打撃を受けた。

それを機に、「これは勉強しなくては!」と一大決心をしたわけです。


●中医学とは「ライフスタイル」である

 

香港なら簡単に漢方医学を学べるかと思ったらとんでもない。

「人間の体の仕組みを理解しなくては無理、習得するには6年かかる」。

でも、やるしかありませんでした。

南京中医薬大学に入り、それこそ頭がはげるほど勉強に没頭しましたね。

 

よく、中医学と西洋医学が相反するものといわれますが、

私はそういう関係ではないと思います。

西洋医学は病気を治すことが目的ですが、

中医学では、人のゆりかごから墓場までをみる。

つまり、中医学とは「ライフスタイル」なんです。

生涯現役で活躍する多数の国宝級の高齢者を見るにつけそう思うわけです。

 

ライフスタイル観点で言えば、人間の最盛期は一般に35歳前後

だといいますが、昔は寿命が50歳前後でしたからさしたる問題は

なかったのですが、今はピークは変わらないままに100歳まで生きる時代。

そんな中にあって、自分には論文を書いて研究することよりも、

普通の人が100歳まで元気に生きていくことを

応援していくことの方が合っているなと思い、その道を選びました。

 

人間の体は“小さな宇宙”で、その環境を整えるのは風水学。

中国には四書五経という学問体系があり、

その中の易経には中医学も風水学も含まれている。

ライフスタイルとしてやっていくならば

その両方を修めることが必要だと思ったし、

そうした色々をやらせてくれるのが中国だったわけです。

 

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●高齢社会を自分ごととして考える

 

このところ強く思うことは、何事も「継続」が大事だということ。

例えば、食事だって5日分を一度に取ったら

5日間食べないでよいわけではなく、毎日少しずつ、が必要。

誰もが、健康になる、きれいになるのは好きだが、

それを保つという意味がわかっていない。

 

私のセミナーでもよく話すのが、

何か1つできるようになればいいということ。

1つできれば2つできるようになるし、3つできるようになる。

一度に20個しようと思うから3日も続かないわけで、継続が重要なんです。

そしてそれは、運動や勉強、ライフスタイル全般に通じることでもあります。

 

悩みは「継続」という言葉が当たり前すぎて、

ピンときてもらえないことでしょうか。

何か、もっとインパクトのある表現はないものですかね。

 

ひとつ提言があります。仕事で老人介護に関わることも多いのですが、

日本のこの分野はまだまだ女性の目線が足りない。

介護施設を視察しても、働いているのはほとんど女性なのに、

説明に出てくる人は全部男性。しかも、「~してあげる」という、

上から目線の印象を抱かせられることもしばしば。

自分には起こらない状態だと思っているのでは。

単に仕事として、他人事として考えていると、

細かいところに目がいかないのではないでしょうか。

 

リハビリ・メイクというのをが流行っていますが、これも女性目線でみると、

例えば、98歳の女性であっても25歳の時のような化粧をしてあげたい。

イケメン美容師にやり方を教わり、実際に自分で試す。

毎日の生活時間をただ過ごすだけではなく、

「今日はこんな化粧したい」とかね。

それを続けたら元気になったとか、そういうのがいいですね。

これも継続でしょうか。

 

これからやりたいこと。

時間はかかると思いますが、日本のヘルパー資格をとり、

そのノウハウを南京中医薬大学の授業に組み入れること。

香港や中国の介護概念と日本のそれの違いを

公開講座なども活用しながら人々に広めていき、

ゆくゆくは東南アジアの国々の看護学校で学んだ人たちが、

香港や日本で介護サービスパーソンとして働けるような環境を作りたい。

相互の人材交流、文化経済交流にもなります。

高齢長寿化が進めば、介護が必要な人も増えるはず。

これは20年後の自分たちのためです。

何でも自分ごとで考えれば続けられると思いますよ。

 


 

Profile

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よう・さちこ 医学博士 南京中医薬大学教授。中国の大学に留学中に自身の体験から漢方美容に目覚める。中医師の資格取得後も研究を続け、現職に。中医学に基づく健康美についての講演を国内外で行う。『北京・上海・香港で買える漢方おみやげ案内』(ユウメディア)『道具いらずのげんこつ美容法』(講談社)など著書多数。

 

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