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2012年6月29日 13:14

〜第一興商 エルダー事業開発部部長 戸塚圭介さん〜

 

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ご存知のように、音楽を聞いたり、それに合わせて体を動かしたりすることは、

健康にも効果的で、日本音楽療法学会という組織やミュージックセラピスト

という職種もあるほどです。いわゆる、“音楽のチカラ”でしょうか。

ただ、NHKのラジオ体操もそうですが、体を動かすにも、

音楽がなければ楽しくないですよね。

 

そこで、高齢社会が進む中で、老人介護軽減にカラオケを役立てられないかと考え、

2000年当時に徳島大学などの協力を得て作ったのが

「DKエルダーシステム」です。介護度別に5段階、5曲をコンテンツとして作り、

それをもって介護施設への普及を始ました。弊社がやるわけですから、

音楽療法というよりも、楽しさを第一に考えた、

カラオケ療法として楽しむ要素を大事にしながら取り組んでいます。

カラオケは、参加性が強いのが特徴です。音だけでなく映像も伴うので

視覚を刺激するし、結果、アドレナリンやドーパミンの量も増えるのでは、

と思います。つまり、聞く、見る、動く、歌うの4つの行動がミックス

されることで、いろいろな効果が期待できるわけです。もちろん、

毎日のように続けることが必要ですけれど。

●唾液が増えれば元気になる!?

 

現在、日本の高齢者約3000万人のなかで、介護を必要としない

元気な高齢者は約2500万人とされていますが、国の経済面においても、

また、個人のQOLの観点でも、この方々を要介護にしないことが

重要になっています。

 

行政も各地域でいろいろ実施していますが、どうしてもハードが中心になりがち。

ソフト面は、囲碁・将棋、カルチャー教室ぐらいで、

高齢者の生きがい創出や機能改善といったレベルには達していない状況です。

 

体の機能維持に唾液の分泌量は大切なポイントですが、その量は加齢とともに

減ります。ただ、表情筋が動けば増えるので、そういう運動を意識的に

行えばよいわけですが、我々はエンターテイメント企業ですから、

単純に動かすのではなく、みんなで楽しく動かしたい。それが歌を通じた

コミュニケーションであり、さらに健康機能が改善すればなおよしなのです。

 

この2~3年、東北福祉大学や鶴見大学など、複数の大学とその共同研究を

進めていますが、いずれについても、歌うことが健康機能改善に有効である

ことが証明されています。特に節回しがポイントということです。つまり、

それによって表情筋がより動き、唾液分泌も活性化するということがわかっています。

●“地域包括「余暇」センター”を目指して

 

昨年11月に高齢者コミュニティーの創出や健康増進をテーマに、

まずは形にしてみようということで、東京・高円寺でDAM倶楽部という施設を

オープンしました。高齢者ニーズをさぐるアンテナ的な意味もあり、

大学の研究材料にも活用していただいていますが、このエッセンスや

ノウハウを全国に広めていきたいとも考えています。

行政は、地域包括支援センターを展開して高齢者サポートを進めているのは

ご存知かと思いますが、我々は、“地域包括「余暇」センター”と

でもいうべき存在を目指しています。

 

この4月から奈良市の温浴施設に、高円寺のノウハウを生かした案件を

スタートさせました。すでに7000人以上が利用しているとのことで、

高齢者や地域住民の健康増進につながる結果ともなっています。

6月半ばには正式にDAM倶楽部を導入したところです。

 

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奈良市の温浴施設にDAM倶楽部を導入した(写真左)。  東北の震災では、国連の友が展開するカラオケカー帯同の巡回心療医療に全面協力した(同右)

 

 

 

民間企業の様々な努力も効果を見せ始めており、

NTTは北海道の美唄市とのコラボで、ある著名なドクターの協力で

100曲ほどのカラオケ体操をつくり、それを市民に利用してもらうという

ケースで医療費の軽減状況を5年間追跡調査したところ、なんと一人当たり

月額で1万1800円削減できたといいます。

これが日本の元気高齢者2500万人に利用されたらすごいことですよね。

流通企業でも、ツタヤやイオンなどの大手をはじめ、コンビニなども

さまざまなシニアシフトを始めているのはご承知の通りです。

 

これまでにないスピードで高齢化が進む日本の対応に、

世界中が注目しており、行政も民間もそれぞれ懸命に取り組んでいます。

 我々もしっかりとしたエビデンスに裏付けられた、カラオケによる

生活総合改善策を示していきたいですね。そういう意味では、

お酒とカラオケというイメージがつきがちだったものもすでに「文化」

としての役割を果たしていると言えるのではないでしょうか。


2012年6月21日 13:12

〜鶴見大学 歯学部教授 斉藤一郎さん〜

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●老化を感じるのは、まず口から 

高齢社会のなかで抗加齢を考えるとき、
消化器でもあり、感覚器でもあり、
表情をつくるうえでも
重要な役割を担っている口の機能は、
それを衰えさせないことがとても大切になります。

だからといって、
毎日、トレーニングしなさいとか、
「あ」とか「う」とか発声しなさいなどは、
マニアでないとなかなかできません。

ただ、歌う行為にはそのすべてが含まれています。
そうした機能を維持向上させる
手っ取り早くてベストな方法が「歌う」ことで、
それが長寿にもつながっていくのです。

ある公式調査では、
「どういうときに健康を感じるか」という問いに対して
「食欲があって食事がおいしいとき」という回答が目立ちました。
また、「どこから老化を感じるか」の質問には

「目と口」という回答が多くありました。

年齢の「齢」には「歯」が含まれています。
昔から、口で衰えを感じることが多かった証でしょう。

口の機能はすごく複雑です。消化器や感覚器に加えて、
噛む行為にも筋肉がからみあって複雑な運動になり、
「摂食嚥下」は脳の高次機能を使います。
その機能が失われるのが老化とも言えます。

「歌う」行為には、メロディや節まわし、
サビを覚えなくてはならないなど、記憶や学習、
認知などの高次学習機能も含まれます。
人間のすべての基本機能がからむといっても過言ではないでしょう。

 
●歌えば長寿ホルモンが活発に!? 

長寿研究のなかで、
2002年に700人を対象に行われたある調査によると、
いわゆる長寿ホルモンのDHEA(デヒドロエピアンドステロン)の
レベルが高い人ほど長生きするという結果が出ており、
それをどう維持するかが注目されています。

一方で、コルチゾールというストレスホルモンは逆相関を示します。
そこでストレスコントロールの観点で「歌う」を臨床研究してみると、
「歌う」とコルチゾールレベルが下がる結果となりました。

これがDHEAのレベルアップと直結するかどうかはまだわかりません。
また、唾液分布量が多いほどDHEAが多いということがわかっています。
つまり、歌うことで唾液分泌が活発になればDHEAは減りません。

歌うことはストレスを減らし
長寿ホルモンの分泌を活発化するということが、
現象論としてわかってきたわけです。

歌と密接な関係にある「笑う」という行為も、
おかしいから笑うのは当たり前で、
実際のところは無理にでも笑うことが表情筋を動かし、
心のあり方を変え、幸せな気分になるということも言えるのです。

動物のなかで人間だけが笑いをコントロールできます。
無理やりにでも笑っているうちにだんだん楽しくなり、
本当にハッピーになっていくということが
医学的にも証明されています。

く「Happy People Live Longer」と言われます。
自分を幸せだと思う人が長生きするのです。

歌うことをより身近にすることで、
肉体・精神の両面からアンチエイジングを実践したいものですね。

 


 

さいとう いちろう
鶴見大学歯学部教授。鶴見大学先制医療研究センター長。
ためしてガッテン(NHK)、たけしの本当は怖い家族の医学(テレビ朝日)、
解体シンショー(NHK)など多くのテレビ出演で活躍。
『「食べる力」を鍛えてピンピン元気』(東洋経済新報社)、
『不老は口から』(光文社)、
『口からはじめる不老の科学』(日本評論社)他著書も多数。


2012年3月29日 16:31

〜明治大学理工学部教授 園田眞理子先生〜

 

高齢期の住宅に関する研究に長年携わっておられます

明治大学教授の園田先生のお話を4回に渡ってお届けしています。

最終回は、地域と大学が連携したコミュニティづくりについてうかがいました。


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4.コミュニティづくりに大きな力となる、地域と大学の連携
 

私たちの大学もコミュニティづくりに関して、

 

地域との連携に着手しています。

 

明治大学生田校舎のすぐ近くにある西三田団地で活動を続けるNPOと、

 

何年か前から一緒に取組みを進めています。

 

団地内の高齢化が進み、70歳以上の居住者が増えていることから

 

「孤立しない暮らし方」をテーマにした研究会を一緒にスタート。

アンケート調査実施のために、

ここの小学校区域に住む4000世帯にアンケートを

配布したところ1600票もの回収があり、

寄せられている関心の高さに驚きました。

 

さらに、この活動を知った近くの民間マンションに居住するシニア達も、

「孤立の予防は自分たちの問題でもある」と、

自分たちで管理組合を説得して研究会に参加されました。

調査結果の一つとして、お正月やお盆を1人で過ごす70歳以上の人が

地域内で100人位いることが明らかになったので、

今年のお正月は「初釜の会」を、昨年のお盆には「だんご汁の会」を開催。

この活動を耳にした近くの中学校の校長先生が関わって下さったおかげで、

中学生、大学生、高齢者が集まってにぎやかなイベントになりました。

 

民間マンションが持っているりっぱなコミュニティルームで、

アンケート結果の報告会をやったりもしました。

住民の方から「結果をぜひ聞きたい」というリクエストに

答える形での報告会の出前をしています。

報告会のあとにワークショップを行ってみると、

調査結果から出てきた課題に対して

実に素晴らしいアドバイスをしてくれる人もいて、

地域に貢献しようという人材が少なからずいることもわかりました。

このような形で、地域と大学が協力することによって、

地域の様々な資源を横つなぎできます。

こうした活動は今後も続けていきたいと思っています。【完】

 


2012年3月28日 16:31

 

〜明治大学理工学部教授 園田眞理子先生〜

 

高齢期の住宅に関する研究に長年携わっておられます

明治大学教授の園田先生のお話を4回に渡ってお届けしています。

3回目は、近隣の人々との支え合いについて、うかがいました。

 

 

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3.近隣の人の「顔がわかる」だけでも、支えあいの一歩に
 

今の日本の高齢者は、「家族力」に窮していると私は指摘しています。

家族というのは、食事の世話等の身近なことから、

年金や資産運用等の経済的なことまで様々な課題を、

別々に請け負うのではなく、渾然一体に一手に引き受けてくれる存在です。

ところが、家族規模の縮小や機能の衰えとともに、

こうした渾然一体となった課題をさばいてくれる

家族以外の存在が必要とされています。

アメリカでは「ピア・カウンリング」
(同僚や仲間による相談活動)が

盛んですが、
こうした点でとても大きな役割を担っています。

ちょっと困ったことがあっても、

「私の場合は、こうやって解決したのよ」とか

「お隣はこうやっていたみたいよ」など、

自分の経験をもとに様々な相談にのってくれる。

必ずしも専門家が必要なわけではなく、

むしろ互助性のあるコミュニティの存在が重要です。


日本は、町内会や民生委員などの仕組みはあったとしても、

そこを横につないでいく機能が全くないので、

極めて難しい状況に直面しています。

特に都市部はその問題が著しいです。

「よけいなおせっかいではないかしら」とか

「最後まで責任は持てないから」という思いで、

何となく立ち入れないでいるバリアが案外ありますね。

ちょっとおせっかいな人が一人いるだけで、

解決できることも少なくないと思いますよ。


マンション内でも居住者同士の面識がないケースが多く、

お互いを支え合うという状況ではありません。

例えば、新しく入居される方を、
元の居住者たちに紹介する仕組みがあれば、

ずいぶんお互いの意識が違ってくるのではないでしょうか。

3カ月に1度位でも良いので、「ウェルカム・パーティ」や

「ホーム・ウォーミング・パーティ」を開催し、

お互いの顔がわかるようにすることが安心にもつながります。

居住者の「ご紹介」というメニューがついていることで、

マンション自体の価値もアップするはずです。

次回は、地域と大学が連携してのコミュニティづくりについてです。


2012年3月27日 16:30

〜明治大学理工学部教授 園田眞理子先生〜


高齢期の住宅に関する研究に長年携わっておられます

明治大学教授の園田先生のお話を4回に渡ってお届けしています。

2回目は、「高齢期ペンション」の考え方について、うかがいました。

 

 

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●2.気軽にお試し住みができる「高齢者ペンション」の提案
 

 
第3回目は、「地域における支えあい」についてのお話です。


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