2011.11.21更新


ボローニャ国際絵本原画展

特別展示「かぐや姫」の

フィリップ・ジョルダーノ氏

 インタビュー決定!


本日嬉しいお知らせが入りました。
以前より切望していたフィリップ・ジョルダーノさんの
インタビュー日時が確定したのです!

今回、神保町にある「イタリア書房」さんのご尽力により
実現できる運びとなりました。
「イタリア書房」の伊藤社長さん、本当にありがとうございました。

 

 

かぐやひめ表紙.jpg

表紙
『LA PRINCESA NOCHE RESPLANDECIENTE
(邦題『かぐや姫』)
フィリップ・ジョルダーノ/絵
SM出版/刊

 

かぐやひめ裏表紙.jpg

こちらは裏表紙


ボローニャ・ブックフェアとスペインのSM財団が
昨年度よりボローニャ国際絵本原画展入選作家の中から
35歳までを対象にボローニャ国際イラストレーション賞
(ボローニャSM出版賞)を授与することになり
その第1号に選ばれたのがフィリップさんです。

彼は賞金3万ドルとSM出版から絵本を出版する権利を与えられ、
題材として指定されたのが、日本の「かぐや姫」。
大の日本びいきの彼にとって、嬉しいテーマだったに
ちがいありません。
(フィリップさんについては
バックナンバー(絵本展/2011.8.12更新)でご紹介しましたので
ご参照ください。)

イタリア語の通訳をつけてのインタビューとなりますが
通訳の方は、日本在住のイタリア語教師のイタリア人で
フィリップさんとは気心の知れた仲だそうなので
とてもホッとしています。
絵の構想、絵本への思い、大好きなジブリのことなどなど
いろいろな角度からお話をうかがってみたいと思います。

インタビュー内容は12月中にご紹介できると思いますので
どうぞお楽しみに!

なお、今回のインタビューで、「フィリップさんにぜひ聞いてみたい」
ということがありましたら、どうぞ左にあるMail覧をクリックして
質問事項をお寄せください!

締め切りは11月30日(水)とさせていただきます。

皆様からの質問、お待ち申し上げます!(ミヤタ) 

  2011.7.1更新

いまいあやの作

『くつやのねこ』

 

ックナンバー(街の絵本屋さん/2011.5.25更新)で訪問した
絵本屋さん『ティールグリーン
インシードヴィレッジ』の種村由美子さん
おすすめの絵本の最後の
1冊をようやくご紹介できることになりました。
いまいあやのさんの
『くつやのねこ』です。
そして今回、いまいあやのさんに取材させて
いただくこともできました!
(実は、この機会に直接お話をうかがいたくて、超多忙のところ
無理をお願いしてFAX取材させていただいたのです。いまいさん、
快くお受けいただきありがとうございました。)

いまいあやのさんの『くつやのねこ』は、平凡社/刊 別冊太陽編集
部/編 『2011年版 この絵本が好き!』で2010年刊 国内絵本
の堂々1位を獲得しました。
た、白泉社/刊『月刊MOE』では前作の『チャッピィの家』と本作
でMOE絵本屋さん大賞新人賞を受賞されました。

お話はペローの『ながぐつをはいたねこ』をアレンジしたもの。
貧乏なくつやに飼われる勇気ある賢いねこが主人公です。

    IMG_0459.JPG

 『くつやのねこ』
いまいあやの/作 BL出版/刊

 

の美しさ、独特な色づかい。
海外で認められ日本に逆輸入された絵本です

の絵本は全ページ通して絵の素晴らしさにうっとりさせられ
ます。『ティールグリーン イン シードヴィレッジ』の種村さんも
この作品を選んだ理由として、いちばんに絵の美しさを
あげられて
いました。
ただうまいだけでなく、味のある繊細な色づかい、
心に刻まれるモチーフの妙、そしてはっとさせられる構成力。
日本の若い作家さんからこんな素晴らしい作品が生まれたことを
とても嬉しく思えます。

作者のいまいあやのさんは、ボローニャ国際絵本原画展に入賞
したことをきっかけに絵本を作るようになりました。
デビューはボローニャ展を見て連絡をくれたイギリスの出版社
から。それが『108ぴきめのひつじ』でした。
編集者とあらすじのやりとりから始まって、完成まで3年もかかった
そうです。
2作目の『チャッピィの家』と3作目『くつやのねこ』は
スイスの出版社から刊行されました。 

 今井さん写真2.jpg

 いまいあやのさん
1980年ロンドンに生まれる。
イギリス、
アメリカ、日本で育つ。武蔵野美術大学出身。
2003年、04年、05年、06年、09年に
ボローニャ
国際絵本原画展に入選。
本作のほか『108ぴきめのひつじ』(文渓堂/刊)、
『チャッピィの家』(BL出版/刊)、『いなかのネズミ
とまちのネズミ』(蜂飼耳/文 岩崎書店/刊)など。
千葉県在住。(写真提供/BL出版)

 

  くつをはいたねこ中面.jpg

 つやの主人を助けようとねこは魔物にくつを
売り込みに行きます。
このためにわざわざ作ってもらった
朱赤色のブーツが誇らしげです。
(画/『くつやのねこ』より)

 

「子どもの頃、自分が絵本からわくわくを与えられたように
今度は自分が読む人を違う世界にいざないたい」

 いまいさんの絵本はすべて動物が主人公。
その際、留意されていることがあるかをうかがうと、
「存在感がちゃんと出ているか、ということですかね」
というお返事をいただきました。
「顔の表情、毛並み、姿勢など」とも答えられました。

たしかに『くつやのねこ』では、主役のねこの手入れされた美しい
毛並みや愛らしいポーズはもちろんのこと、
魔物が化けるいろいろな動物たちの毛並みや姿勢も
すべて美しくキマッテます。
そして魔物に一計を謀るときのねこは、それまでの可愛いくて賢い
表情から一変、実に目つきが悪そうでいやらしいのです! 
実際、この企み顔を表現するのがいちばん難しかったと
いまいさんは語っています。

そして、いまいさんの作品できわだっているのが色彩感覚です。
『くつやのねこ』は、とくに朱赤色がきれいでアクセントになっている
のですが、色選びに関してとくに考えていることをうかがうと、
「ねこのくつの朱赤色はなぜかスケッチしたときから赤いイメージ
があったので迷わず塗りましたが、その他は毎回手探りで、
色選びは大変迷います」とのことでした。

「自分が子どもだった頃、絵本はどこか違う世界に連れて行って
くれるようで、わくわくしたものだったから、
今度は自分の作った絵本もそんなふうに、読む人を違う世界に
いざなうことができたらいいなと思います」
別冊太陽の『2011年版 この絵本が好き!』のインタビューで
話されているとおり、『くつやのねこ』を読んでみると
完全にどこか遠くの時空間に連れ出された気分になります。

最後に今後の絵本作りに関してうかがうと、
「手帳に書き留めている、いくつか温めている話のたねは、
カバ、クマ、キツネなどが主人公のものです。
まだどれも話としてまとまっていないのですが」
というお返事でした。
次回作も、きっと私たちをわくわく不思議な感覚の世界
連れていってくれることでしょう。
楽しみに待っていたいと思います。(ミヤタ) 

 くつははいたねこ表4.jpg

『くつやのねこ』の裏表紙。
魔物のためにくつやの主人がつくった
さまざまな大きさのくつが並んでいます。
あら? よくみると、いちばん小さいくつを
狙っているコがいますよ!

 


★現在、いまいあやのさんの『くつやのねこ』『チャッピィの家』の
絵本原画が見られる展示会が開催中です。
ほかに、みやこしあきこさんの『もりのおくのおちゃかいへ』、
宮澤賢治/作 高野玲子/絵 偕成社/刊『どんぐりと山猫』の
絵本原画も展示されています。

「動物と人間のファンタジー絵本原画展」
長野県安曇野市穂高有明2215-9 『森のおうち』
℡0263-83-5670 
期間/7月12日(火)まで 
定休日/木曜 
入場料/大人700円 小学生500円 3歳以上250円
www.morinoouchi.com/ 

2011.6.15更新

ゆうききよみさんと

「鉢&田島征三絵本と木の実の美術館」

 

NO.23「ゆうききよみさんとの出会い」と、NO.27 きょうの絵本
「どうして? どうして?」でご紹介したゆうききよみさんは、刺繍
絵本アーティストの活動と平行して、新潟県十日町市の山中に
ある「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」でスタッフとして
働いていらっしゃいます。
最初は一般客として美術館に訪れたそうですが、あまりにも素敵
な場所なので、その後何度も足を運び、ついにはカフェのスタッフ
募集に迷わず応募したのだとか。

インタビューでは、刺繍絵本のこと、鉢の美術館のこと、どちらも
素敵なお話をうかがえました。

 

中面を示すゆうきさん.jpg    「この小さい女の子は私なんですよ」(ゆうきさん)

●ゆうききよみさん
1981年宮城県生まれ。新潟県十日町市在住。
2004年東北芸術工科大学デザイン工学部
生産デザイン学科テキスタイルコース卒。
現在、刺繍絵本アーティストとして活躍中。
URL:http://yukikiyomi.petit.cc/

★ゆうききよみさんの『どうして? どうして?』を
購入ご希望の方は、「PB Cafe」宛てにご連絡ください。

  

刺繍絵本への想い 

「こどもたち、昔こどもだったおとなたち、
小さい頃のわたしの不思議にこたえる絵本を描きたい。
小さい頃だっこしてもらったおかあさんのエプロンのにおいを
思い出すような、そんな絵本を描きたい。」
(ゆうきさんのブログより)

テキスタイルを専攻していた学生の頃から、ゆうきさんは
布には物語があると感じていました。そのため、提出した課題や
制作した作品には、必ず物語をつけたそうです。
そんなゆうきさんですから、刺繍と絵本がドッキングしたのも
ごくごく自然な流れだったのでしょう。

ブログで書かれているようにゆうきさんの物語のテーマは
こどもや、昔こどもだったすべての人がほっとできるような
日常のささやかな出来事。
自分の体験がベースになった、なつかしさとしみじみとした
安らぎを覚える作品ばかりです。

  

IMG_5037.jpg

ひと針ひと針、糸をさしていくたびに
想い出がかたちになっていきます。
新作絵本もゆうきさんの子ども時代の
お話になる予定です。楽しみですね!

 

「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」への想い

鉢は、まわりを山で囲まれた小さな集落。村の過疎化が進み
2005年春に、集落で唯一の小学校「真田小学校」はついに廃校
となり取り壊されようとしていました。
しかしこの学校を残したいという集落の人たちの熱い想いと
絵本作家の田島征三さんの心強いプロデュースによって
09年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のひとつの
作品として再利用されることになり、生き返ることができたのです。

作品は、からっぽになった校舎を舞台に、最後の在校生と
学校に住みつくオバケたちとの物語。空間絵本『学校はカラッポ
にならない』の誕生でした。
その物語が校舎いっぱいに広がって、体験型の絵本美術館と
なり訪れる人を楽しませてくれています。

 

033Tashima21_miyamoto.jpgおばけのトラペトト。教室や体育館など校舎の
一つひとつが絵本の1ページになっています。 
Photo/Takenori Miyamoto + Hiromi Seno

  

033Tashima36_miyamoto.jpg

体育館いっぱいの流木オブジェ。ワイヤーが
入り口の巨大なししおどし「バッタリバッタ」に
つながっています。鉢の山からしみ出た湧き水で
「バッタリバッタ」の頭がいっぱいになると
バッタはお辞儀をします。その動力がワイヤーを
伝わり、体育館中の流木オブジェが踊り出す
という壮大な仕掛けです。
Photo/Takenori Miyamoto + Hiromi Seno

  

木の実のオブジェ.jpg

流木に木の実を接着する作業をする鉢集落
のお母さんたち。ほとんどの人が「真田小学校」の
卒業生です。美術館の制作に集落の皆さんが
協力されました。そしてみんなの美術館が
出来上がりました

 

STA_5220.jpg

 校長室と職員室は「Hachi Cafe」になりました。
ここでは魚沼産コシヒカリと季節の焼き野菜、
妻有ポークを使ったスペインの郷土料理「アロス」
が食べられます。
もしかしたらゆうきさんがサーブしてくれるかも!

 

冬になると、雪に囲まれたすり鉢状の地形の中にすっぽり
入ってしまう「鉢」という集落。雪の山越えは慣れていないと
難しそうなので、夏場のうちに訪れようと思いました。その際には
もっと詳しく現場ルポを掲載しますのでお楽しみに! (ミヤタ)

 

●鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館

〒948-0111 新潟県十日町市真田甲2301-1
TEL&FAX 025-752-0066
開館時間/10:00~17:00 入館料/大人500円 子ども250円
e-mail  ehon_to_kinomi@tsumari-artfield.com
URL    http://www12.ocn.ne.jp/`ehon2009

★交通アクセスについては上記URLでご確認ください。

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