江戸の生活文化: 2010年8月アーカイブ

豊かな四季を持つ日本には、
その変化を存分に楽しむ文化が育まれてきた。
平安の頃、貴族たちの間で嗜まれていたものが武士に広まり、
江戸中期になると庶民たちの間でも親しまれるようになる。
その一つが虫の声を愛でる「聴蟲(むしきき)」である。
「聴蟲」の江戸の名所は、上野の不忍池、王子の飛鳥山、谷中の道灌山。
江戸名所図絵にも道灌山の様子が描かれている。

「……この地薬草多く、採薬の輩(ともがら)常にこゝに来れり。
殊に秋の頃は松虫・鈴虫、露にふりいでゝ清音をあらはす。
依って雅客幽人こゝに来り、風に詠じ月に歌うてその声を愛せり。」
                                                   「江戸名所図絵」 道灌山の項より


現在も、「聴蟲」を行っているのが、墨田区向島の百花園「虫ききの会」。
この会のはじまりは、仏教の不殺生の思想に基づいて、
捕らえられた生き物を山野や沼地に放ち供養する仏教の儀式
「放生会(ほうじょうえ)」が原型となり、
天保二年八月二十九日に没した文人初代佐原鞠塢を
追善するために縁者がこれを行ったことが始まりといわれている。
その後、夕涼みをしながら虫の音を楽しむかたちとなり

今に続いているのだという。
……………………………………………………………………………

今回、江戸美学研究会では、百花園にて虫の音を楽しむことに。
夏着物、浴衣で楽しむ、夕涼み。
ご一緒に静かな時間を過ごしませんか。

参加していただける方は、下記よりご登録ください。
詳細をお送りいたします。
また、江戸文化に興味をお持ちの方、
一緒に活動していただける方のご入会もお待ちしております。
入会は無料、ミニセミナーやミニツアーのご案内、
取材こぼればなしなど、メルマガにてお送りいたします。
https://www.jlds.co.jp/ebilab/moushikomi.html

虫ききご案内a.jpg

最近の記事
バックナンバーを見る
バックナンバーを見る