豊かな四季を持つ日本には、
その変化を存分に楽しむ文化が育まれてきた。
平安の頃、貴族たちの間で嗜まれていたものが武士に広まり、
江戸中期になると庶民たちの間でも親しまれるようになる。
その一つが虫の声を愛でる「聴蟲(むしきき)」である。
「聴蟲」の江戸の名所は、上野の不忍池、王子の飛鳥山、谷中の道灌山。
江戸名所図絵にも道灌山の様子が描かれている。
「……この地薬草多く、採薬の輩(ともがら)常にこゝに来れり。
殊に秋の頃は松虫・鈴虫、露にふりいでゝ清音をあらはす。
依って雅客幽人こゝに来り、風に詠じ月に歌うてその声を愛せり。」
「江戸名所図絵」 道灌山の項より
現在も、「聴蟲」を行っているのが、墨田区向島の百花園「虫ききの会」。
この会のはじまりは、仏教の不殺生の思想に基づいて、
捕らえられた生き物を山野や沼地に放ち供養する仏教の儀式
「放生会(ほうじょうえ)」が原型となり、
天保二年八月二十九日に没した文人初代佐原鞠塢を
追善するために縁者がこれを行ったことが始まりといわれている。
その後、夕涼みをしながら虫の音を楽しむかたちとなり
今に続いているのだという。
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今回、江戸美学研究会では、百花園にて虫の音を楽しむことに。
夏着物、浴衣で楽しむ、夕涼み。
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