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2017年8月 1日

「移動と交流」が開く新時代 寺島実郎

 


 

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日本は今、2048 年までに人口が1 億人を切り、その4 割が65 歳以上の高齢者という「異次元の高齢化社会」の入り口にいます。加えて、帰属していた会社組織を失い、孤立の中に陥る都会の高齢者問題も深刻です。そこで、都会で暮らす高齢者を社会的に参画させる仕組みづくりを提案していきたいと思っています。そこで着目したのが、

「移動と交流」です。これは外国人を相手にした観光のみならず、日本全体の活力を活性化させていくためにも、大切な視点だと思っています。そもそも移動とは、自分が過ごしてきた時間とは別の時間を過ごしてきた人との出会いから刺激を受け、知恵を身に付けていける行為だと思っています。つまり、空間を移動することで経験できる非日常の体験こそが移動と交流の本質だと思っています。その視点からインバウンドの施策を見ると、残念ながら「爆買い」に頼り切ってしまっています。移動と交流にもっと付加価値をあたえ、ハイエンドのリピーターを確保することが大切です。

その付加価値として日本固有の歴史や産業というコンテンツがふさわしいと思っています。そして、それぞれが点としてだけではなく線から面へとつながりある構想力を持ってビジョンを描いていくことが求められていると思っています。

[2016 年4 月1 日発行『構想の庭』第2 号 再録]


寺島実郎(てらしまじつろう)

1947 年北海道生まれ。73 年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、三井物産入社。米国三井物産ワシントン事務所長を経て、99 年三井物産戦略研究所所長。2001 年日本総合研究所理事長、09 年多摩大学学長。現在、社会問題をテーマにBS11 で毎週金曜日21 時~「現代ビジネス講座 世界を知る力」を放映中。

 

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