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谷口正和 プロフィール

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2011年3月30日

セルフ・メディア・ハウス。

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今回の大震災に関して、つくづく感じたのは、

巨大な技術や施設への他者依存には

限界があるということである。

小さくても自主単位のエネルギー生産が必要な段階に

入ったというのが私の実感である。

 

そこで、これからの理想のハウジングとも言うべき

モデルハウスをスケッチしてみた。

もちろん屋根はソーラーシステムで、

自分の野菜を自分で育てる家庭菜園があり、

天気のいい日は健康に良い戸外で過ごせるハンモックがある。

小さいけれども、自立できる家だ。

クルマはもちろんEVで、

ガレージにカセット式で充填できる仕組みになっている。

さらにこれから重要になるモバイルツールは自転車であろうと思う。

 

まずコンセプトを絵にしてみる、それが私のやりかただ。


 

2011年3月28日

最小単位とネットワーク解決。

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京都造形芸術大学教授の竹村真一氏は

かつて弊社が開催していたエコデザイン研究会

にもご講演いただいており、

そのときから氏の意見と私のそれとは

かなり重なっている部分があると感じていた。

竹村氏のオピニオンをまとめたレポートをいただいたので、

私の意見も交えながらご紹介したい。

 


氏の意見を要約すれば、

地域単位でセキュリティセンターを作り、

この大震災を機に、

全く新しい街作りを手がけるべきだということだ。

東阪名といった大都市だけでなく、

中間サイズの都市や街もセキュリティセンターを作り、

それらの自立とネットワークによって、

解決していこうという発想だ。

自己解決領域の自立化とそのネットワーク化である。

解決単位を圧縮されたネットワークの中に

置きなおすということである。

 


弊社は「長寿の森研究会」という

高齢社会の生き方と価値観を研究するサイトを立ち上げているが、

そこで得たビジョンは「自立する生命の幸福村」である。

冒頭のカットはそのイメージだ。

世界は自己解決力の強化を目標とすべき時代に

入ったと考えている。

他者に頼らない自己解決領域の産業化を目標とする。

個人生産、家庭生産の視点でエネルギーを見直してみれば、

従来と全く違う視点が見えてくるだろう。

セルフエナジー、ホームエナジーである。

巨大な技術は、小さな技術の集合体とネットワークに変わる必要がある。

仕組みがよく見えない原発に依存していれば、

それが破綻した時に手が打てない。

現在は次の社会構造とエネルギー構造を

見直すチャンスとも言える。

何が出来るか、自問自答するところからはじめよう。

 

 

 

 

 

2011年3月22日

自問自答の心。

 

まさに「未(いまだ)曾(かつて)有(あらず)」の大災害が到来した。

ここで重要なことは、私たち1人1人が、

何が出来るかを自問自答するということだろう。

ややもすると興奮した頭を鎮め、

冷静になり、私に何が出来るかを自問自答するということだ。

全員が戻りたい場は日常そのものだろう。

いくつものイベントが中止や延期に追い込まれている。

当社でも先週、文化経済研究会をどうするかを検討したが、

結論「開催する」ということに決定した。

この大惨事の真っ只中、中止も延期もありえたが、

「日常のことを淡々と」という視点に基づき、開催させていただいた。


チャリティ・プログラムも急増している。

1人1人が、自分が何を出来るかを自問自答した結果だろう。

大切なことは、1人1人が社会に対して

何を引き受けているかという思想である。

そのことは肝に銘じたい。

この大災害の結果、日本が変わっていくことは間違いない。

礼節を重んじる日本人の行動は、

海外から高い評価を受けている。

日本人本来の良さを見つめなおしつつ、再起したい。

がんばれ東日本! 

このありふれた言葉しかいえないが、本当にがんばって欲しい。

日本中が支援の手を惜しまないだろう。

2011年3月18日

ある女性の生き方。

 


佐橋 慶女(さはし けいじょ)さんとは、

30年以上のお付き合いになる。

1963年に日本で初めての女性だけの会社

「アイディア・バンク」を設立したことで有名な

女性キャリアの草分けである。

最近では高齢問題に取り組み、

「オパール・ネットワーク」を主宰している。

常に時代の課題を自分自身の仕事とし、

時代とともに生きてきた方だ。

ますます佐橋さんが活躍する場が広がってきた。

本書のタイトル通り、『楽しんで生きる老い』である。

そのとき重要なのは心構えで、気持ちのあり方だろう。

本書は「老いの心得70」とサブタイトルにあり、

これからの高齢社会の生き方の良き教科書となっている。

 

1人の女性の生き方としても佐橋さんは見事なサンプルと言える。


 

2011年3月15日

地球の旅人。

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日本において、旅がエンターテインメントとして

受け入れられるようになったのは、

江戸時代も半ば過ぎてからだったという。

それまでの旅はまさに命がけであり、

途中で死んだり帰ってこられなくなることは普通のことだった。

万葉集の防人に徴収された兵士の歌を読めばそれが分かる。

 


さて、私たちはついに「地球の旅人」になった。

旅は見聞を広め、新しい価値観に出会い、

地球がひとつであることを実体感させてくれる最大の体験だろう。

そのとき重要になるのは手帳である。

 

当社ではジャルパックとコラボして

「Earth  Traveler’s  Diary 2011- 2013」を制作した。

地球を旅する時代に、人は生涯世界を旅する旅人だ。

テーマをはっきりさせた手帳を作ることが

当社の新しい仕事であり、

ハワイ・ライフスタイル・ダイアリー、ベジ&ハーブ手帳、

江戸帖など、いくつかのテーマ手帳を制作している。

 

手帳を携えて旅に出よう、暮らそう。

 

2011年3月 8日

素晴らしい農村。

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山形県の東北芸術工科大学のエコ・シンポジウムに参加してきた。

今農業が大転換期に来ている。

戦後の保護政策ですっかり体力を失ってしまった農業に、

TPP問題が迫っている。

 

農業そのもののコンセプトを再構築すべき時だろう。

新しいコンセプトは「エコファーム」だと思う。

エコ社会、サスティナビリティ社会、ネイチャー社会、市民参加社会。

すべての矢印が、市民参加を促す新しい農業のあり方、

エコファームを指している。

巨大生産型の農業は、もはや時代に合わない。

小さくても丁寧な農業を目指し、

その組み合わせによって新しい価値を創出していくことだ。

自然と生命の再生産である。

その循環構造をコンセプト化すべきだろう。

最も小さな単位の生命生活村である。

生命感あふれる生涯幸福村とでも言うべき、

新しい農業のあり方が望まれている。

 

絵は私がコンセプトを思いつくと、いつも描いているものだ。

コンセプト・イラストレーテッドと呼んでいる。

2011年3月 7日

ステーションシティ。

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JR HAKATA CITYが3月3日にオープンした。

そのアンカーテナントが「博多阪急」である。

私もお招きいただいて、見させていただいたが、

気づかされる事が多かった。

 

当社発行のネクシンク3月7日号でも、

「舞台都市」というキーワードで事例として取り上げた。

見立ては「ステーションシティ」である。

従来の百貨店にない3つの新戦略が注目の的だ。

1.高級婦人服なし、

2.外商なし、

3.売り場を削ってイベント広場にする戦略である。

店内20ヶ所に設けたイベントスペース「コトコトステージ」は、

全店舗面積4万2000平方メートルの実に15%を占める。

若い女性層をターゲットにした「ハカタシスターズ」で

目を引くのは価格帯の低さ。

パルコやルミネに並ぶ価格水準である。

1万円以上の商品は少ない。

 

駅ビルというよりも、「ステーションシティ」

とでも言いたいコンセプトだった。

これからは街を作る時代である。

生活をトータルでアシストするタウン発想が重要なのだ。

商業施設と言えども、コンパクトシティなのである。

 

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