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谷口正和 プロフィール

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2016年8月23日

88万人のコミュニティデザイン

週刊誌の依頼で、世田谷の保坂展人区長と対談をしました。

その際、ご著書『88万人のコミュニティデザイン』(ほんの木 税別1500円)をいただきました。

 

 

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この書籍が出版された2014年から2年を経て、今世田谷区の人口はおよそ89万2000人、私自身も世田谷に居住しており、90万人に近いと言える。

23区最大の地域行政区であり、東京の一つのコンセプトを支えるコミュニティの経営者として、コミュニティデザインへの認識と施策を持ち、ビジョンとしての流れを作ろうとされている。

今後問われるのは東京の一部としてだけではなく、90万人の生活者が暮らす街、訪問に値するコンパクトシティ世田谷としての施策である。

世田谷公園、馬事公苑、駒沢オリンピック公園他、公園の多い世田谷区にはパークサイドシティとしての特性があり、駒澤大学や昭和女子大、成城大学、東京都市大学、日本体育大学、日本大学、国士舘大学などを抱える学園都市としての側面がある。

その中で生き方、学び方、楽しみ方などの暮らしと生き方を預かっていく生活都市をどのように形成すればいいのか。世界に目線を開き、高齢社会の先行サンプルシティとしての挑戦的な取り組みが求められている。

生活者を年齢で区分けすることを超えて、個人と生涯というより身近な単位で見つめる施策の取り組みを応援したい。

2016年8月16日

WILDER MANN

店頭でシャルル・フレジェ著『WILDER MANN 欧州の獣人-仮装する原始の名残』(青幻舎 税別3800円)という本を見つけた。

 

 

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最近何気に感じている表現と変装、仮装と個性、これらの流れの中で歴史をも含んだ世界の中へと自分を変身させ、神の領域に入ったり、祭りの中に溶け込んだりする表情が表れている。

 

今一人ひとりの自己存在に対する問いかけが繰り返しなされているが、ファッション社会というべき現代において、多様性をアパレルとその成長に置き換えたことで一人ひとりの固有が持つ自己表現応力の多彩さと集約性が見失われている。

 

こういうものを考えたときに、歌や踊り、それがいつ何処に現れたときに舞台効果を発揮するのか。

我々の歴史の中に存在してきた象徴的表現性を、見えざるものへの恐れ、神への畏怖として見切った時、新たな表現能力というものは、言葉で理解するという意味合いを超えて、第六感的感受性によって感じ取られる中で、自分たちや未来への問いかけとして眠っているのではないか。

 

最近この仮装、変態、変装というものが多面的に現れる場を求めているエネルギーを感じるので、この本の紹介を通じて次の社会の文化としての潮流を共有したい。

2016年8月 9日

New York View

未来社会への展望を踏まえた時に、ニューヨークは世界の未来都市としてその多様な可能性を孕んでいる。

 

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ドラッガーは常に全体での立ち位置から、地球生態学を分析する社会学者だった。現代のように次の社会そのものを語る時代はほとんどの仕事にソーシャルプレイヤーとしての意識が求められる。

社会的な意味合いを孵化し、現在というエンジンを回す。

過去の成功モデルと行動モデルの間に我々の展望は無い。あるべき次の社会の姿に繰り返し挑戦をする、そのような人達が発表と評価を求めることが新たなニュースバリューとなる。そのようなメディア都市NYを仲間とウォーキング。戻ったら報告をしたい。

未来社会のシナリオ。そういう都市に東京を育てたいという願いを込め、2020年を見据えて。

2016年8月 2日

ソーシャルキャスティング

社会人材選別における最大の機会が選挙である。

 

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都知事選の結果、高いモチベーションを持って手を挙げた小池氏が初めての女性都知事として選ばれた。

 

組織票に乗っかる選挙というのは過去の延長であり、そこに未来があるというのは利権的な考えに寄っている。

今はパーソナルソサエティ、個人が個人に共感波及する時代。

組織で決めた人が選ばれるという古い認識は敗北につながり、過去の発言を芋づる式に引っ張り出すことで、未来へ歩む人をジャッジするような二流のジャーナリズムに潰されてしまう。

 

情報社会は未来に向かって過去を活かす社会であり、その代表選手である都知事は選ばれた瞬間から未来へのリーダーシップを採る。

世界がウィメンズリーダーシップという新たなコモンセンスを創る中、的確な人選がなされた。

小池氏にエールを送る。

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