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谷口正和 プロフィール

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2010年9月29日

漱石とデザイン。

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夏目漱石は、最初建築家を志したそうである。

彼には明治という時代が、

外からの圧力で歪められているように見えていたそうであり、

建築がその代表的なものと感じていたようだ。

 

川床優氏は私の後輩で、武蔵野美術大学建築学科出身である。

川床氏が、大変ユニークな視点の本を送ってきてくれた。

それが『漱石とデザイン~百年後をデザインする君へ』

(MEDIA FRONT)である。

漱石の小説は、いずれもその本質は「文明批評」であり、

その意味で漱石が建築を志したのも理解できる。

建築もまた文明批評なのだから。

 

漱石が持っていた新たな一面を探り出して、

次代を担う若者たちへのメッセージとした

川床氏の慧眼と熱意に敬意を表したい。

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