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谷口正和 プロフィール

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2010年7月13日

本と配信。

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東京国際ブックフェアに行ってきた。

かなりの入場者数で、出展社も多い。

なんだか時代の熱気が渦巻いているような印象を受ける。

それは電子書籍コーナーが勢いを増しているからである。

 

グーテンベルクの印刷機の発明により、

それまで全ヨーロッパに千冊くらいしかなかった聖書が、

数年で一気に100万冊単位まで増えたという。

まさに知の爆発である。

今回の電子書籍出版は、

グーテンベルクの発明に匹敵するような革命であるという人も多い。

 


本はどこまで行ってもコンテンツである。

聖書のコンテンツが圧倒的だったから、

いきなり数百万部に達したのである。

電子書籍は“本の流通の仕方”の革命であることは確かだ。

本を「配信」の概念に変えていくだろう。

動画や音声、アニメやコミックとリンクしながら、

まったく新しい知の配信を開発していくだろう。

さらに配信方法の進化は、より「番組」に近づいていくに違いない。

あらゆる知的活動にとって、最後の壁は「時間」である。

24時間以上の時間はないのだ。

私は『時間単位の市場戦略』(講談社)という本で、

すべての戦略は「時間」をどう認識するかによって決まると書いたが、

電子書籍はこの『時間単位の市場戦略』を促進するかもしれない。

 

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