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谷口正和 プロフィール

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2017年9月19日

LIFE DESIGN

 

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我が社名と同じタイトルの書籍が、NYタイムズでベストセラーの1位を記録しました。

生き方と暮らし方が、全ての価値を決定します。

社名は、生活者自身が主人公になるヒューマニティバリューの流れをにらみ、社会のリーダーシップを発揮していくという着想から、若気の至として名付けました。設立当初は保険屋と間違われながらも、設立から40年あまりが経過しています。それが今、世界でも注目されるようになり、いろんな意味で感動を覚えています。

本書では、ライフデザインを人生設計として整理しています。そこで最も強調されているのは、人生における問題の解決です。ライフデザインとは、人生全体を経営の視点で捉えるものです。人生全体をどのようにサクセスマネジメントすればいいかが語られていて、いわゆる、理想の人生へと導く手段ともいえます。

本書では、最初に「自分の現在地」の理解について語られています。人生を生き抜くためのエネルギーの源とは何か。

浮き沈みのある人生を、理想に到達するための過程として見切っていく。できることと、できないことを区分けせずに全体がバランスの中にあるものだと捉えれば、進むべき方向を定めるためのコンパスが必要となります。ここではブレない視点を持つことの必要性について触れていました。

我々にとっても、一番重視してきたのは生活者研究の中に、生き方の研究があり、それが新たな課題の発見となり、それが働き方となっています。その生き方研究が唯一の課題解決の中軸となり、その一点を生活者との対話という方法で、繰り返し問い続けることがライフデザインを実行するために不可欠だと考えています。

私自身、人生を歩む推進力となるのが、ポジティブシンキングだと思っています。次なる扉を開いていくような、肯定的な発想力こそがそクリエイティビティです。その時に、歩むべき方向性を見定めることが必要です。それが私たちにおけるコンセプトワークとなっています。我々の会社の仕事のやり方と重なっています。

また「熱中できることを探せ」とも書かれています。

絶対時間を注入することは時間という物理性ではなく、意識構造とモチベーションに置き換えることです。それが興味・関心、そして情熱となります。そこで身についたクリエイティブな発想が、人生の行き詰まりから脱却する術となります。それはまさに我々が求めてきたものと重なっています。

セカンドキャリアを考える、ネクストプランニングについても、自身の問題とその解決策を常に発表しながら常に前進することを推奨しています。それは山を登るようなもので、ライフプランニングの重要な側面と言えます。

同じく、我々は研修の中で、ドリームトレーニングというキーワードをよく使います。理想を描き、これにプロセスをつけていくことは、練習するしかありません。

そして、プロトタイプを構築し、アイデアプランニングを繰り返す指摘も、夢の仕事をデザインするドリームトレーニングと同様、幸せを呼び込むためのプロセスだと思っていますが、その指摘もされています。

その工程には、成功と失敗だけではなく、両方を許容するという失敗の免疫が必要。それらが連立して、フックを掛け合うことが大事な要素となります。つまり、クリエイティブとは、マイナスをプラスと考えることです。

単なる仕事として、割り切られたチームからライフコミュニティのチームとして生涯を共に歩もうというものも、この書籍でも指摘されていますが、理想のライフデザインの流れの中で、こうしたマインドが必要だと共感しています。 

最後に、「あなたの調子はどうか」と彼らが聞いていることも、私たちの生活者研究の根幹の部分とつながっています。

著者であるビルバーネットとエバンスの二人のスタンフォード大学の人気講座の共同創設者が書いた、デザイン思考を紐解いた本書から、スタンフォード大学のライフデザインラボという拠点の存在に、我々がやってきたことが重なり、さらに自信を持って深めていきたいと思いました。 

この本を紹介したい。

出版:早川書房

価格:1600円+税

2017年9月11日

タラブックス

 

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近年は地産地消の延長で、足元から作り、育て、

そしてそのことをマーケットや社会につないでいくという思想が、

地域の一番小さい単位の自立構造をもっている。

 

今回、紹介する『タラブックス』というのは、

手作りで絵本を生み出す出版社である。

 

丁寧なステップを踏みながら、一冊一冊に心を込めて手作りする。

それはクラフトマンシップであり、

まるで一人ひとりにアートを届けるような姿勢が感じられる。

 

タラブックスでは、書く人、描く人、作る人、

そうした人たちがファミリーとなってビジネスをしている。

ファミリービジネスというのは形態のことではない。

家族のように思いを交換しながら、家族で子どもを産み育てる、

そして世の中に出していく、そういう濃縮した認識論がそこには埋まっている。

 

そうした流れの中で、

素敵な絵本を出されているので注目をしていたが、

今回そのコンセプトブックとも呼べるような形のまとめ本が出版されたので、ここでご紹介したい。

 

私自身もデザイナーで、イラストを描く目線から見た時に、

その豊かな表現力と、一点一点を版画のように組み立てていくような

丁寧さが感じられる。

まるで本自身がアートのようである。

 

この一冊の本が生活の中に入った時、

そこから送り出されるシグナルは、

我々自身のクリエイターとしてのコンセプトと

大きく重なっている気がする。

 

量産に馴染み、総量形成と利益優先の構造の中で、

売れない本ばかりが溢れてしまう。

そういうものに対して、丁寧な刺繍のように提示することの豊かさを、

この本は教えてくれている。

 

出版:玄光社

価格:2,200+税

 

2017年9月 4日

シニア社会の未来像

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1週間、サルディーニア島に行ってきました。

地中海に浮かぶイタリアの島で食文化もさることながら、

海沿いはヨーロッパ屈指のリゾート地でダイアナ妃も訪れたことで有名なところ。

しかし、今回、私が訪れたのは、その内陸部にあたります。

 

サルディーニアには、いくつかの小さな村が分散しています。

我々が宿泊したホームホテルは地産地消のアグリツーリズムの概念に近いホテルで、

故郷の大家族の家に立ち戻ったような癒しの場でした。

 

サルディーニア島訪問の理由は、長寿健康の研究です。

この島には、90歳を超えた高齢者が多くいるものの、

注目すべきは全員が生涯現役だということです。

まさに年齢を問わない暮らしそのものが存在していました。

 

そこに変化と成長という資本主義を象徴する価値観ではなく、

「継続」という安寧を求める価値観が広がっていました。

 

そして暮らしに安心感をもたらすのは肉親・友人・知人で構成する「擬似家族」です。

サルディーニア島には、その擬似家族が生活村として成立していました。

 

一方で、今回の旅と一緒にご紹介するのは

『限界費用ゼロ社会』というジェレミー・リフキンの翻訳本です。

 

IoT時代は、効率性を極限まで高め、新たなサービスを生み出します。

その中、従来型のコストをゼロベースで見直していく必要があります。

それは、やがて訪れる資本主義の衰退を意味しています。

 

新たな経済思想としてシェアリングエコノミーが高まっていきます。

 

サルディーニアの村社会にはオール共同というライフスタイルから、

所有をゼロにしたシェアライフという風景がありました。

 

このコミューン型のライフスタイルが思想ではなく、サービスの中にあり、

コストとリスクが社会化していくことで、やがて限界費用もゼロとなる予測がこのゼロ社会の提言本。

 

今後、金銭的な資本の収益構造ではなく、暮らしの継続こそが価値を持ち、

その実現に向け、互いに生かしあう社会が到来します。

 

安定の先ある平和とは、とても価値ある世界です。

シェアソサエティを超えた豊かさの根源となる

新たなフレームワークとしての幸福価値社会が求められているのではないか。

 

これらの中にある継続する力に関係づけ、このお話をお届けしたい。

 

出版:NHK出版

価格:2400円(税別)

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