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谷口正和 プロフィール

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2010年9月 7日

芸術戦略都市、パリ。

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10日間ほど、弊社恒例の視察ツアーでヨーロッパを旅してきた。

パリ、リヨン、ブルゴーニュである。

パリは世界一の観光都市だ。年間5000万人ほどの観光客が訪れ、

その6割は海外からである。

文化とアートとファッションがパリの集客装置である。

その中心がポンピドゥー・センターだ。

1977年に開館し、名前は大統領で現代芸術の擁護者でもあった

ジョルジュ・ポンピドゥーにちなんでいる。

現代美術や現代音楽、ダンス、映画などのための拠点を

パリ中心部に設けようとの意図から計画されたセンターである。

建築の斬新さは、その外観の奇抜さもそうであるが、

中側の空間から不要のものをすべて取り去り、

まさに「空間」として見せたそのアイデアにある。

シティ・オブ・シティ、パリの中のパリである。

 

そこにはパリを世界一の芸術都市として成立させようという

したたかな都市シナリオの戦略が見える。

アート&デザインは21世紀の都市戦略の中核をなすコンセプトであるが、

パリは単に偶然のうえに成り立っているのではなく、

そこに戦略的意図がはっきりあることが学ぶべき点だろう。

 

 

 

 

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