2013.4.12

岩崎書店から

おすすめ絵本のお知らせ♪

『しげるのかあちゃん』他4冊

 

岩崎書店 広報のKさんから、
おすすめ絵本を4冊ご紹介いただきました〜! 

 

 

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Kさんがこちらに見せてくれている絵本が
『しげるのかあちゃん』
 作 城ノ内まつ子 絵 大畑いくの 岩崎書店

しげるのかあちゃんは、2トントラックを運転して何でもこなす、
かっこよくて頼もしいお母さん。
第18回「日本絵本賞」にて、日本絵本賞を受賞されました♪


 

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『ねつでやすんでいるキミへ』
作 しりあがり寿 岩崎書店 

熱を出して、おふとんの中で眠っているコドモに向けた、
オトナからのメッセージがぎゅっと詰まった絵本です。 

 

dodonoro_syoei.jpg

『どどのろう』
 作 穂高順也 絵 こばやしゆかこ 岩崎書店

どどのろうという、3つの願いを叶えてくれるどろ人形に
二人の男が化け物になれるようにお願いしてしまいます。その結末は……。

 

akaninja_syoei.jpg

『あかにんじゃ』
作 穂村弘 絵 木内達郎 岩崎書店

真っ赤な忍者って、すごく目立ちますよね。
くるくる変化するあかにんじゃを楽しみましょう♪

また、Kさんから以下のご紹介をいただきました!


「この『あかにんじゃ』という絵本は、 
つい先日、第4回「ようちえん絵本大賞」で、 栄えある特別賞を受賞しました。 
「子どもに読み聞かせしたい絵本」、 
そして「お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本」 に
選ばれたのです。 
ぜひこの機会にお手にとってご覧くださいね。 」


賞のご紹介はこちら!
http://www.iwasakishoten.co.jp/oshirase/news/349/

 


Kさん、素敵なおすすめ絵本をありがとうございました!
皆さんもぜひぜひ読んでみてくださいね。
そして感想をお聞かせ下さい♪

2013.4.11

『いるの いないの』

制作の裏側にインタビュー!

第4回目

 

『いるのいないの』インタビューをご紹介して、本日で第4回目!そして最終回!
それではまいりましょ〜。

 

 

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トビラのラフです。

 

第4回 「怪談えほんはだれのため?」


―怪談えほんを出したいと言ったとき、周りはどんな反応でしたか? 

S:会社にとっては、多少の抵抗があったようです。
絵本とは子どもに夢を与えるものという意見もありましたし、
企画後すぐに起きた震災の影響もありましたから。
それでもいいものができると信じて進めていきました。 

K:こっそりプロモーション活動をしたりして。

S:インターネットの果たした役割は大きかったですね。

H:岩崎書店のツイッターの中の人がKなんです。
昼夜問わず怪談えほんの情報を発信し続けてくれました。

K:作家さんが著名な方ばかりということで
興味を持ってくださった読者さんもいらっしゃいました。
それに、怖いものって人に話したくなるんですよね。
読者さんの口コミによる力が大きかったです。
発売当初の話ですが、絵本コーナーに並べたところ、
怪談えほんを読んだ子どもが泣き出してしまい、
美術書コーナーに移動した書店さんもありました。
「見ちゃいけません」って子どもに言う保護者もいたようです。

S:一方で、すごく気に入ったから率先して棚に並べていきたいという
児童書専門店もありました。
「こういうのを待ってました」と言ってくださった方もいます。
賛否両論ではありましたが、肯定してくださる方が増えたのは、
ネットの力が大きいと思います。

 

 

IMG_5344_s.jpg

黄色い付箋に再と書いてあります。再校(色校の2回目)のことです。
輪ゴムで紙を束ねているだけで、冊子にはなっていません。
『いるの いないの』は3回色校を出しているとのこと、
町田さんや編集の方々で色やゴミの確認をしてから
赤字で直したいところを校正紙に書き込み、印刷所に依頼します。
それから3校(色校の3回目)が出てくるのです。

 


―読者さんが味方ですね。 

S:読者さんが良いとおっしゃってくださるなら、それでいいと思います。

H:近くの児童館で時々読み聞かせをするのですが、
怪談えほんを読むと、子どもたちに喜んでもらえるんです。
「楽しい絵本と怖い絵本、どっち読む?」って聞くと、
「怖い絵本ー!」と大声で返ってきます。

S:読み終わったときは「全然怖くない!」って言ってくるんですけどね。

K:家に帰ってから絵本の内容を思い出して、
「お母さん、一緒に寝ない?」みたいに言うんでしょうね、きっと。

 

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東さんによる絵本のオビ文章です。
怪談えほんは子どものために。

 

―子どものために作った絵本なのですね。

H:それしか考えていませんでした。

S:京極さんもおっしゃってましたが、大人のことは二の次です。

K:「怖い」ということだけに反応する子もいますが、
「怖い」と思うよりもまず自分なりの解釈をしている子も多いと思います。

H:この絵本を作ったときは、「子どものうちに怖い思いをした方がいい」って
思っていたのですよ。
何も怖い思いをしないで大人になったら、怖いことがあったら
どう対処すれば良いか分からなくなってしまう。
いろんな感情を養っていった方が、豊かに成長していくと考えています。

M:子ども向けの絵本というと、楽しいとかやさしいとか愛されてるとか、
そういう柔らかいものが多いですよね。
だから怪談えほんの話を聞いた時、そういうやさしく守られている子どもたちに向けて、
ちょっと皮肉をこめた絵本だと思ったのです。
ところが、Hさんは「この絵本はやさしさです」っておっしゃっいました。
そのときには、まだピンときていませんでした。

でも描いているうちに、Hさんとは違う解釈ですけど、
この絵本はやさしいと思うようになりました。
男の子が「いるよ」って主張した時、
おばあさんが「見たんなら、いるね」って肯定してますよね。
子どものとき、「あそこにおばけがいるよ!」っていうと、
親に「いない」って言われませんでしたか?
そうすると子どもは、信じてもらえない辛さと、
「いる」おばけと、たった1人で戦わなくてはいけません。
でも、このおばあさんは「見たならいる」と認めてくれるんですよね。
さらに、この絵本のオチは、実際「いる」んですよ。
ほっとするというか、安心しますよね。
「見間違いじゃなかったんだ。やっぱりいるんだ」って。
そういう意味では「やさしい」絵本だな、と

H:私の言っている意味とは違いますけどね。でも、どんな意味でもいいんですよね。

M:「おばあさん!いないって言ってくれよ」という感想を見かけると、
否定して欲しい人にとっては「怖い」絵本なんだと思います。
子どものころ、「いる」って言って欲しかった人にとっては、
やさしい絵本だと思います。


H:そうして見ると、宮部さんの『悪い本』もやさしさですね。
自分の中の「悪」を肯定してくれるので。
「子どもの時にこの絵本があったら良かったのに」という大人もいました。
小さいとき、「人を恨んではいけない」って言われますよね。
でも、絶対に人を恨むときはきます。
「その気持ちはあなただけの悪いことではなくて、
みんながあたりまえに持ってる気持ちなんだよ」って肯定してくれる
やさしい絵本なんです。

S:宮部さんの愛情です。

H:人を憎めって言ってる訳じゃない。
「これは自然な感情なんだよ」って教えてくれています。
決して押し付けるのではなくて。


―皆さんにとって絵本とは何ですか?絵本にはどんな力があると思いますか?

S:自分の外にあることを知ることが出来るもの、でしょうか。
外の世界を知ることで、自分の内面に気付く……なんて言っても、
後付けのように聞こえてしまうかもしれませんが

H:怖い絵本は、子どもにとって未知のものなので、
すごく興味を引くものだったと思います。
絵本自体に未知なものへの扉を開かせる、という役割はあります。
現実を知るというより、未知なるものへの興味を抱かせるものとしては、
すごく意味があります。

 

 

IMG_5305_s.jpg

本棚に1セット、怪談えほん!
(ボックスもかわいいですよ♪) 

 

 

子どものために愛を込めて怖く作った絵本……ステキです!
怪談えほんを読んだことのある人は、また違った読み方ができるでしょうし
読んだことの無い人は、読みたくなってきませんか?
ぜひぜひ!何度でも読み返して、新しい発見をしてくださいね。


町田尚子さん、Hさん、Sさん、Kさん、ありがとうございました!! 

ところで、後日メルマガにてインタビューこぼれ話をご紹介します。
ぜひぜひ、ぜひぜひ!メルマガ会員に登録してみてくださいね♪ 

さて……実は、あと1日続きます……明日にもご期待ください!

2013.4.10

『いるの いないの』

制作の裏側にインタビュー!

第3回目

 

『いるのいないの』インタビューをご紹介して、本日で第3回目!
さてさて、今回はどんなお話になるのでしょう?

 

IMG_5287_s.jpg

最後のページの最終ラフです。「ぬわっとした感じ」……!
この時点で京極さんよりOKが出て、あとは町田さんにお任せとのこと。 

 

第3回 「ここが気になるの!絵本のなぞ」


―このラストページの“いる誰か”のことを、
絵本のチカラメンバーは「おばあさんではないか」と話しあっていました。 

S:「そういう捉え方もありです」と京極さんはおっしゃっていました。

K:「このおばあさんが梁の上に上がったんだよね?」と言っている子どももいます。 

S:いろいろ解釈してもらって楽しんでいただければと思っています。 

H:京極先生から「陰っぽくして、具体的に描かない方がいい」と
絵の指示を受けたんです。
それは、読者の想像にゆだねる部分を作りたいという狙いがあったのだと思います。

町田尚子(以下M):私も、なんとなくぼぉっと見えるような
存在にしたかったのです。
なので、Sさんから京極さんの伝言で「顔だけ」と伺ったとき、
思っていたことは一緒だったのだと感じました。
その伝言の中には「子どものトラウマになるように」ともあったので、
「あ、怖くしていいんだ」と遠慮せずに描きました。
あとからお伺いしたら、京極さんは「そんなことは言っていない」と
おっしゃっていましたが……。

 

―この絵本、子どもが読んだら泣いてしまうのでは? 

S:最後以外はちっとも怖くないんです。何も起こっていないので。
ただ現代は昔よりも「闇」が減っていますよね。
でもそういう「闇」は確かにあることも
京極さんは描きたかったのではないでしょうか。

M:文章に説明がないから、縛られずに自由に描けました。

S:出来上がった絵は、京極さんのイメージとずれていませんでした。

H:京極さんとしては、文章の場面を説明するだけの絵になっていたら
注意するつもりだったそうです。
ですが、町田さんの絵には、自分の言わんとしていることを汲み取ってもらえたと
感じたようで、想像以上の仕上がりだとおっしゃっていました。 

M:京極さんは、ビジュアルイメージを決めていないとおっしゃってました。
だから絵の軸がずれていなければ、例えば洋館を描いたとしても
良かったのだと思います。

 

―怪談えほんの監修者である東さんはどんな方ですか? 

S:幻想文学や怪談の評論を書かれたり、
怪談専門誌「幽」の編集長をされていたり、この分野のプロフェッショナルです。

H:様々なアンソロジーを編纂していらっしゃるので、
アンソロジストと名乗っていらっしゃいます。
今回のお仕事も東さんは快く引き受けてくださって、
文章作家さんを全員選んでくださいました。原稿へのご意見も伺ったりしました。

S:東さんに全体を取りしきっていただいたからこそ
できたシリーズだと思っているので、怪談えほんにとって東さんは最重要人物です。


―これからも怪談えほんは続くのですか? 

H:第2弾として、あと5冊出版する予定です。
再来年の夏にあわせて出したいと思っています。

S:また、怪談えほん第2弾の前に、
京極先生による妖怪えほんシリーズの刊行を予定しています。
そちらも町田さんに絵を描いていただきます。

 

 

本日ここまで!明日に続きます〜。

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