2011.6.23更新
銀座の一等地にある”絵本の王国”
教文館 子どもの本のみせ
『ナルニア国』に行ってきました
『ナルニア国』という店名から自然と期待が高まってしまうこの
お店は、銀座4丁目交差点が目の前の、中央通りに面した
好立地。日本と世界の一流ブランドのお店が立ち並ぶ一角です。
そこに赤ちゃんから高校生までを対象とした子どものための本が
1万5000冊そろう素敵な空間がありました。
教文館のビルの6階、エレベーターを降りたとたん
明るくおだやかな空気に包まれました。
『教文館 子どもの本のみせ ナルニア国』
〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-1
TEL.03-3563-0730 FAX.03-3561-7350
営業時間/10:00~20:00 年中無休
http://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/
真っ先に目に飛び込んできたのは”低い本棚”。
子どもが手を伸ばしてとれる高さなのです
『ナルニア国』の店内は明るく広々としています。
それというのも、フロア中央に並ぶ「ロングセラー」の本棚は
子どもの手が届く2段までの高さだから。
「子どもの本のみせ」ならではの配慮が嬉しいですね。
ちなみに「ロングセラー」の本棚には、日本語の絵本で50年ほど
前のものから、原書となると100年近く経つものまであります。
ただし2段しかないので、物量的に厳選せざるを得ません。
そのため新刊がこの棚に並ぶのは容易なことではないのです。
![]()
フロア中央に並ぶ背の低い「ロングセラー」本棚
店長の川辺陽子さんがこの世界に入るきっかけとなったのは
子どもの頃に大好きだった『ドリトル先生』!
川辺さんは大学を卒業してすぐ、当時渋谷にあった児童書
専門店『童話屋』で1年3カ月あまりアルバイトをしたことから
絵本との関わりが始まりました。
実は『ドリトル先生』が大好きで、どちらかというと絵本よりも
児童書からこの世界に足を踏み入れた川辺さん。
『童話屋』での仕事上の必要性から、はじめて絵本のことを
真剣に勉強したそうです。
その後大型書店の児童書を担当した後、『ナルニア国』の
立ち上げとともにこのお店に移って来ました。
その時の責任者は『童話屋』でお世話になった先輩。
その人に誘われての転職でした。
『ナルニア国』店長の川辺陽子さん。
手にしているのは最近読み聞かせのときに
付き添いのお父さんにすごく受けた
『ひとまねこざる』(H.A.レイ/文・絵
光吉夏弥/訳 岩波書店/刊)。
大人にとっても絵本の読み聞かせは純粋に
楽しめるのだとあらためて感じたそうです。
★ナルニア国 子どものためのお話会
毎月第2・第4土曜日/午後2時~・午後3時~
3~5歳児対象(大人の付き添いの方もOK)/無料
予約なしで参加できます。
99年オープン以来、続けているイベントです。
本選びから読み聞かせまで『ナルニア国』のスタッフが
担当しています。
お子さんはもちろん、付き添いのお父さんやお母さんたちも
とても楽しんで聞き入ってくださるそうです。
最近は読み聞かせボランティアの相談を持ちかけるお客様も
増えてきたとか。
そんな場合にも絵本に詳しいスタッフがアドバイスしています。
「子どものための良い本を集めたフロアを作りたい」。
先代社長の長年の夢から『ナルニア国』は誕生した
オープンした1999年当時、『ナルニア国』は8階の片隅の現在の
4分の1ほどの狭いスペースでした。
しかもロングセラーの絵本だけの取り扱いというこじんまりとした
ものだったそうです。
実はそれは、「子どものための良い本を集めたフロアを作りたい」
という、故中村義治前社長の長年の夢だったのです。
その後2002年に、6階に過去1年間に出版された子どもの本が
一覧できる「子どもの本新刊コーナー」を開設。
さらに2004年に二つのフロアを合わせ、6階にロングセラーから
新刊書まで約1万5000冊をそろえた子どもの本の専門店として
現在のかたちになりました。
![]()
こちらの棚が過去1年間に出版された子ども向けの
本を無選別に集めた「新刊コーナー」。
1年経つとスタッフが検討してフロア中央の
「ロングセラー」の棚へ移動するか図書館などへ寄贈
するかに分かれます。なかなか「ロングセラー」認定
されて残れる本はないという厳しい現状だそうです。
新しい本選びのご提案につながる
ギャラリー『ナルニアホール』
ロングセラー中心の売場だと、基本的に本の構成が変わり映え
せず、いつ来店しても同じ本が同じ場所にあり、見た目の変化も
乏しくなってしまいがちです。
ただし子どもの本は対象年齢によって選択肢が変化するので、
大人の本と違ってそれはけっして悪いことではありません。
それでもお客様へ本選びの新しい発見などをご提案したいと
考え、ギャラリー『ナルニアホール』を有効活用しているそうです。
![]()
「新刊コーナー」の脇から入る『ナルニアホール』
撮影時には『三国志絵本 原画展』が展示中
でしたが、現在は動物記で有名な『シートン展』が
開催されています。7月12日(火)まで。
絵本を定期的にお買い求めのお客様に便利な
忘備録を兼ねた購入記録サービス
銀座という場所柄もあって、『ナルニア国』では贈答用に絵本を
選ぶ年配のお客様が多くおみえになられます。おそらくお孫さんや
親戚のお子さんへのプレゼントなのでしょう。
定期的に来店されて絵本を買われるお客様が増えているため、
ご希望の方にはこれまで買った絵本とダブらないように
個人の購入記録をコンピュータ管理するサービスがあります。
![]()
取材が終わってお店をあとにするときも、シニア世代の二人連れ
がイソイソと店内に入っていかれました。
お孫さんへのプレゼント探し?
あるいはご自分へのごほうび?
絵本は買う人ももらう人も、
読み聞かせる人も読み聞かせてもらう人も、
みーんなが笑顔になれて素敵です。
★次回は川辺さんおすすめの絵本をご紹介します。
お楽しみに! (ミヤタ)













