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谷口正和 プロフィール

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2013年1月31日

データサイエンティスト。

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長年の友人であるかんき出版の山下津雅子氏より、

彼女が手がけた新著をお送りいただいた。

『日本経済の鉱脈を読み解く~経済指標100のルール』(鈴木賢志著)である。

データから読み解く手法の本であるが、この姿勢は基本的に正しいだろう。

データは感情を交えずに社会変化を読み解くための基本情報である。

アメリカでは「データサイエンティスト」という職業が

「21 世紀のもっともセクシーな職業」といわれているそうだが、

このデータを分析して未来を予測する行為は、

この高度情報社会を読み解く鍵だ。

データには感情がないが、読み解くのは人間であるから、そこに必ず感情が移入される。

数字が感情に転換されるときに、

社会の新しい局面が見えてくるだろう。

本書はその意味で新しい。

2013年1月29日

パラダイムシフター。

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プロダクトデザイナーの喜多俊之氏が本を一冊送ってくれた。

『喜多俊之デザインの探検1969ー僕がイタリアに行った理由』(文芸社)である。

喜多氏はグローバル視点のプロダクトデザインにおける日本の第一人者の一人である。

デザインにおけるライフスタイル概念への先駆者でもあった。

本書は氏のデザイン人生を語る自伝的な本だが、

そこには戦後日本のデザイン界の変遷も重なっている。

パラダイムがシフトするとき、そこには必ず変革者としてリードする

パラダイムシフターがいるというが、喜多氏もその一人だろう。

2013年1月28日

アイデアは全感力

 

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問題解決に向けてアイデアが必要です。

理屈ばかりでは、アイデアは浮かびません。

 

アイデアは、お客様を喜ばそうとするサービス精神から生まれます。

相手が描くプロセスを良く聞き、受信し、なおかつ調べ上げたのだろうか。

 

多彩なトライアルに対して、あなたが応対する時、その力が試されます。

それらの起因となるものは、ロジックによるものではなく直感、いや五感をフル稼働させた全感によるものです。

 

クリエイターたるもの、前向きに捉える訓練ができていなければ、プロとして成立しません。自らの中で、面白い仕事をしているのだという認識をもって、センスを磨いていくことが重要なのです。

 

2013年1月24日

神は自分。

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今年、62回目の式年遷宮を迎える伊勢神宮のご本体は鏡である。

つまり、お参りすることは、自分を鏡に映し出すことなのだ。

鏡の中に映っている自分を拝んでいることになる。

自分が神様だということである。

神はほかでもない自分の中にいる。

これは個人社会の今日、大変心理学的な話だろう。

個人で自立するということは、

すべては自己責任であることを覚悟することだ。

自分が神であるならば、自分を信ぜよ、である。

他人のせいにするな、である。

神道が今後さらに価値を発揮するとすれば、この一点だろう。

八百万の神のうちに、自分も入っているのである。


 

2013年1月22日

風呂敷の文化と美。

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宮井商店は京都に本店を持つ、

100年を超える風呂敷と袱紗の専門店である。

今、京都と東京で、展覧会を開いている。

京都は「祝儀模様の袱紗・ふろしき展~模様が伝える祝いの心」(宮井ふろしき・袱紗ギャラリー)、

東京は「能と袱紗展~贈る心と物語」(東京ふじみやび風呂敷ぎゃらりー)である。

風呂敷と袱紗は、日本ならではの道具である。

西洋の鞄は中が空でも容積は変わらないが、

風呂敷は解けば一枚の布に戻る。

大変合理的な発想なのだ。

また日本ならではの美意識豊かな模様が描かれている

。一度じっくり見てほしいと考え、

ご紹介する。いずれも3月22日まで。

2013年1月21日

目の前にいる顧客があなたの顧客

 

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勝手に提供者論理のターゲット像を作り上げて売れる売れない、来てる来てないの論議をする時代ではありません。 

今、現にあなたの目の前に来ている顧客が真の顧客です。

それを見誤ってはなりません。

そして、そのチャンスを漫然と見過ごし、フイにしてはなりません。

彼らを「預かる」思想を持って着実に彼らの課題を解決していきましょう。

そうやって顧客の声に耳を傾け、あらゆる検証を欠かさず行っていく。

それが改革を促し、さらなる成長となります。

2013年1月17日

ドイツ式整理術。

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集英社の博多玲子氏より、彼女が担当された本をお送りいただいた。

ビジネス書籍部第1編集編集長に着任されて初めてのお仕事らしい。

書名は『タニアのドイツ式整理術・完全版~

モノ・情報・時間の持ち方・しまい方・考え方』という本である。

整理整頓は家の暮らし方の基本で、

そのことによって価値観とかライフスタイルまで

決まってしまうほどの重要な生活の知恵であるが、

著者の門倉多仁亜さんは長年ドイツで暮らして、

その生活の知恵を身に付けた方であるという。

その彼女が蓄えたドイツ式暮らし方の知恵を公開しているのがこの本である。

ドイツはバウハウスなど、デザイン×暮らし方の先進国である。

そこから学ぶものは多い。

博多さんの今後のご活躍をお祈りする。

 

 

 

2013年1月15日

生き方の魅力。

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湯川れい子さんとのお付き合いは古い。

私が若いころ、日本を代表するギタリストで古賀メロディの名手、

山本丈晴氏のお手伝いをしていたとき、

レディスギターというちょっと小ぶりのギターを発案し、

そのアイデアやコンセプトについて、

湯川氏に相談させていただいたことがあった。

 

彼女の新著『評伝湯川れい子 音楽に恋して』(朝日新聞出版局)は、

彼女のビートルズをはじめとするポップスに生きた人生が思い出深く語られており、

人はどんなテーマで生きたかが、

その人の人生を形成するものだと感じさせられた。

人生の時代は「生き方」の時代である。

 

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2013年1月11日

旅と構想。

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元多摩大学大学院教授で、

私の古い友人である望月照彦氏より新著をお送りいただいた。

『旅と構想』(日本紀行)というユニークなタイトルの本である。

アカデミズムの世界においては、非常にユニークな発想をする氏は、

現在は“創造社会”の地平を拓く「社会デザイン学」の構想に取り組んでおられる。

旅は自由への旅立ち、新たな発想を得ようとするときに大変重要な行為である。

西行も芭蕉も、旅で新たな発想を得た。

望月氏もまた、旅の大切さを説いておられる。

ともに平成の西行たらん。

2013年1月 8日

江戸の生活美学。

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当社ブログ「江戸美学研究会」で

大変お世話になっている竺仙(ちくせん)の

小川文男社長から、結構なお歳暮をいただいた。

竺仙は江戸期の浴衣・小紋・風呂敷・手拭の粋を

今に伝える天保13年創業の伝える老舗である。

お歳暮は手拭の3枚組みで、その図柄が大変美しい。

デザインは生活の中で使われたときに

本当の成熟を迎える。

その意味で江戸期はデザイン先進国だったといえる。

江戸の凄さを再認識した。

 

 

2013年1月 7日

当事者意識

 

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新年あけましておめでとうございます。

2013年が始まりました。「当事者意識」を本年のキーワードとして掲げたい。

 

個人で情報を受発信できるメディア社会では、提供者と享受者の狭間にある第三のステージが膨張を続けています。

 

その役割を担っているのは、顧客です。

 

今秋にも2020年オリンピック開催都市が決定します。

 

東京都では精力的に招致活動を展開しています。

その傍観者となっている場合ではありません。

 

顧客が当事者意識を持った今、新しい企業の姿が求められているときなのです。

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