2011.11.15更新

吉祥寺トムズボックス

11月のギャラリーは

たむらしげる『光の粒子』


トムズボックス12月 002.jpg

「トムズボックス」から届いた、たむらしげるさんの個展のDM。
裏面には「印刷で表現不可能な絵を描きたいと思った。」
という文章で始まるたむらさんのメッセージも。
ぜひ原画で、その”印刷で表現不可能”な絵を
拝見したいと思いました!

 

「絵本のチカラ」ブログをリニューアルしてからご紹介したいと
あたためている記事が何本かあります。
そのひとつが、東京・吉祥寺にある絵本屋さん「トムズボックス」さんのこと。
そこは絵本の編集者として数多くの絵本を世に送り出してきた
土井章史さんの小さいながら個性的なお店。
そして、絵本好きなら一度は訪れたいお店です。
近日中に取材内容はアップしますが、
その前に「トムズボックス」から届いた
今月のギャラリー案内をひと足早くご紹介します。

「トムズボックス」では毎月、ひとりの絵本作家さんの個展を
店内の一辺の壁を使ったミニギャラリーで開催しています。
11月はたむらしげるさん。
『光の粒子』というタイトルが名づけられた個展です。
開催はあと半月。
吉祥寺方面にお出かけの際にぜひ!
私も近日中に訪れる予定です。
 (ミヤタ)


●たむらしげる個展 『光の粒子』
開催期間/2011年11月1日(火)~30日(水)
開催時間/11:00~20:00 最終日は18:00まで
休館日/木曜
場所/トムズボックス
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
TEL&FAX 0422-23-0868
http://www.tomsbox.co.jp/

 

2011.11.10更新

 

伊那谷を吹き抜けた風が

素敵な場所を教えてくれました

”風の谷”の絵本館

 

この夏、信州伊那谷に素敵な絵本館があることを知りました
そこは、館長の津金 明さんが
「一人でも多くの子どもたちが
身近な大人にいっぱい絵本を読んでもらえる、
そんなきっかけづくりの場所を・・・」と
友人の力を借りながら手作りで建築を始め、
10年近くの歳月をかけて完成させた「風の谷絵本館」です。
その後、大手出版社や編集者、絵本作家など
全国から次々と賛同者があらわれ、3000冊もの絵本を
集めることができました。 


 

風の谷 025.jpg

風の谷絵本館
開館時間/午前10時~午後6時
休館日/毎週水・木曜日・年末年始
入館料/無料
(※「ミニギャラリー」は入場料が有料の場合もあります)
長野県上伊那郡飯島町飯島44-10
Tel&Fax 0265-86-5546
 

 

風の谷 031.jpg伊那谷は南信州天竜川に沿って南北に伸びています。
小学生の頃、日本地図に「河岸段丘」の代表例として
伊那谷が載っていたことを思い出しました。
西を木曾山脈、東を明石山脈という
二つの大きな山脈に挟まれていて、
冬場にはシベリヤから来る風が
風越山(かぜこしやま)のところから吹きおろして
伊那谷へやってくるといわれています。
そこから「風の谷絵本館」と名付けられました。

 

風の谷 033.jpg館長の津金 明さん。
「幼児の頃に絵本を読み聞かせるということは
非常に大事なこと。そこで私も若いお母さんと
幼い子どもたちのためにお役に立ちたいと思って
こうして絵本を集めて自由にここを使っていただいて
気楽に過ごしていただきたいと思ってこんなことを始めました」
と語られていました。
この日も夕暮れ時まで、絵本館近くの川沿いに
花を植えていた津金さん。地元に暮らす人のためにいいことを
率先して行う。その姿には、本当に頭がさがる思いです。

 

風の谷 012.jpg1階のカフェでは奥様の和恵さんお手製の
季節の野菜料理や手作りケーキなどが味わえます。
またここではコンサート、講演会、人形劇、ワークショップなどが
年間行事として行われます。


風の谷 013.jpgカフェ横の「展示スペース」。
「月刊こどものとも」のバックナンバーや、
アトリエ訪問・絵本作家の絵本・季節のテーマ絵本といった
月替りのテーマで展示が楽しめます。


風の谷 014.jpg2階には約3000冊の絵本が自由に読める
「絵本文庫」があります。
たたみ敷きの部屋で、実にくつろげる空間です。
子どもに絵本を読み聞かせてあげるだけでなく、
小さい子が安心してごろごろできるし、
お母さんたちはママ友とお弁当を持ち寄ってのランチ、
お年寄りはここで茶飲みともだちと井戸端会議というわけです。

 

風の谷 004.jpg

「風の谷絵本館」にはものすごい仕掛けがいくつもあります。
まずは
2階「絵本文庫」のはしごをのぼっていくと・・・

  

風の谷 008.jpg「かくれ部屋」にたどりつきます。
さらに上の「展望室」へとはしごは続き・・・

 

 風の谷 007.jpg「展望室」までの”冒険”はまるでトゥリーハウスのようなワクワク感。
ここから伊那谷の風光明媚な景色が見渡せます。

 

風の谷 027.jpg

「展望室」を外から見ると、ちょうどこの部分。
風見鶏と壁の風車柄がとってもオシャレ。

 

風の谷 017.jpg一方、1階側面からなだらかなスロープを下りていくと
素敵な「ミニギャラリー」が出現!

 

風の谷 019.jpg

 漆喰の塗り壁やところどころ明かりとりのために設けられた窓が
ヨーロッパの洞窟宮殿みたい・・・

 

風の谷 021.jpgここでは絵本原画展(4月~5月)や
風の谷絵本館所蔵作品展、個展やグループ展
などが開催されます。
所蔵作品は、スズキコージさんの「水晶玉」や
山口マオさんの「わにわにのおでかけ」をはじめ、
織茂恭子さん、池谷陽子さん、アンヴィル奈宝子さん、
田島征三さんたちの作品群という圧巻のラインナップ。

 

楽しさ素敵さがぎっしり詰まった手作りの絵本館。
入館料無料ということにまずは驚かされました。
そして、のびのびとしたスローライフの中で
子どもたちのため、おとなたちのために無償の精神で
この館を作られた津金さんご夫妻の生き方考え方が
宝物のように光っていました。

これからの季節、伊那谷は紅葉が美しく彩ります。
南信州に行かれる機会があれば、ちょっと足を伸ばして
”風の谷”に寄ってみませんか?
どこかホッとして、救われたような気持ちになりますよ。
(ミヤタ)

2011.6.23更新

 銀座の一等地にある”絵本の王国”

教文館 子どもの本のみせ

『ナルニア国』に行ってきました

 

『ナルニア国』という店名から自然と期待が高まってしまうこの
お店は、銀座4丁目交差点が目の前の、中央通りに面した
好立地。日本と世界の一流ブランドのお店が立ち並ぶ一角です。
そこに赤ちゃんから高校生までを対象とした子どものための本が
1万5000冊そろう素敵な空間がありました。

 

ナルニア国 022.jpg

教文館のビルの6階、エレベーターを降りたとたん
明るくおだやかな空気に包まれました。
『教文館 子どもの本のみせ ナルニア国』
〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-1
TEL.03-3563-0730 FAX.03-3561-7350
営業時間/10:00~20:00 年中無休
http://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/

 

真っ先に目に飛び込んできたのは”低い本棚”。
子どもが手を伸ばしてとれる高さなのです

『ナルニア国』の店内は明るく広々としています。
それというのも、フロア中央に並ぶ「ロングセラー」の本棚は
子どもの手が届く2段までの高さだから。
「子どもの本のみせ」ならではの配慮が嬉しいですね。
ちなみに「ロングセラー」の本棚には、日本語の絵本で50年ほど
前のものから、原書となると100年近く経つものまであります。
ただし2段しかないので、物量的に厳選せざるを得ません。
そのため新刊がこの棚に並ぶのは容易なことではないのです。

  ナルニア国 023.jpg

 フロア中央に並ぶ背の低い「ロングセラー」本棚

 

店長の川辺陽子さんがこの世界に入るきっかけとなったのは
子どもの頃に大好きだった『ドリトル先生』!

川辺さんは大学を卒業してすぐ、当時渋谷にあった児童書
専門店『童話屋』で1年3カ月あまりアルバイトをしたことから
絵本との関わりが始まりました。
実は『ドリトル先生』が大好きで、どちらかというと絵本よりも
児童書からこの世界に足を踏み入れた川辺さん。
『童話屋』での仕事上の必要性から、はじめて絵本のことを
真剣に勉強したそうです。
その後大型書店の児童書を担当した後、『ナルニア国』の
立ち上げとともにこのお店に移って来ました。
その時の責任者は『童話屋』でお世話になった先輩。
その人に誘われての転職でした。 

  ナルニア国 015.jpg

『ナルニア国』店長の川辺陽子さん。
手にしているのは最近読み聞かせのときに
付き添いのお父さんにすごく受けた
『ひとまねこざる』(H.A.レイ/文・絵
光吉夏弥/訳 岩波書店/刊)。
大人にとっても絵本の読み聞かせは純粋に
楽しめるのだとあらためて感じたそうです。

 

★ナルニア国 子どものためのお話会 

毎月第2・第4土曜日/午後2時~・午後3時~
3~5歳児対象(大人の付き添いの方もOK)/無料
予約なしで参加できます。
99年オープン以来、続けているイベントです。
本選びから読み聞かせまで『ナルニア国』のスタッフが
担当しています。
お子さんはもちろん、付き添いのお父さんやお母さんたちも
とても楽しんで聞き入ってくださるそうです。
最近は読み聞かせボランティアの相談を持ちかけるお客様も
増えてきたとか。
そんな場合にも絵本に詳しいスタッフがアドバイスしています。

  

「子どものための良い本を集めたフロアを作りたい」。
先代社長の長年の夢から『ナルニア国』は誕生した

オープンした1999年当時、『ナルニア国』は8階の片隅の現在の
4分の1ほどの狭いスペースでした。
しかもロングセラーの絵本だけの取り扱いというこじんまりとした
ものだったそうです。
実はそれは、「子どものための良い本を集めたフロアを作りたい」
という、故中村義治前社長の長年の夢だったのです。
その後2002年に、6階に過去1年間に出版された子どもの本が
一覧できる「子どもの本新刊コーナー」を開設。
さらに2004年に二つのフロアを合わせ、6階にロングセラーから
新刊書まで約1万5000冊をそろえた子どもの本の専門店として
現在のかたちになりました。 

 ナルニア国 020.jpg

こちらの棚が過去1年間に出版された子ども向けの
本を無選別に集めた「新刊コーナー」。
1年経つとスタッフが検討してフロア中央の
「ロングセラー」の棚へ移動するか図書館などへ寄贈
するかに分かれます。なかなか「ロングセラー」認定
されて残れる本はないという厳しい現状だそうです。

 

新しい本選びのご提案につながる
ギャラリー『ナルニアホール』

ロングセラー中心の売場だと、基本的に本の構成が変わり映え
せず、いつ来店しても同じ本が同じ場所にあり、見た目の変化も
乏しくなってしまいがちです。
ただし子どもの本は対象年齢によって選択肢が変化するので、
大人の本と違ってそれはけっして悪いことではありません。
それでもお客様へ本選びの新しい発見などをご提案したいと
考え、ギャラリー『ナルニアホール』を有効活用しているそうです。

 

 

ナルニア国 018.jpg

「新刊コーナー」の脇から入る『ナルニアホール』
撮影時には『三国志絵本 原画展』が展示中
でしたが、現在は動物記で有名な『シートン展』が
開催されています。7月12日(火)まで。

 

絵本を定期的にお買い求めのお客様に便利な
忘備録を兼ねた購入記録サービス

銀座という場所柄もあって、『ナルニア国』では贈答用に絵本を
選ぶ年配のお客様が多くおみえになられます。おそらくお孫さんや
親戚のお子さんへのプレゼントなのでしょう。
定期的に来店されて絵本を買われるお客様が増えているため、
ご希望の方にはこれまで買った絵本とダブらないように
個人の購入記録をコンピュータ管理するサービスがあります。

 

 

ナルニア国 027.jpg

取材が終わってお店をあとにするときも、シニア世代の二人連れ
がイソイソと店内に入っていかれました。
お孫さんへのプレゼント探し?
あるいはご自分へのごほうび?


絵本は買う人ももらう人も、
読み聞かせる人も読み聞かせてもらう人も、
みーんなが笑顔になれて素敵です。

★次回は川辺さんおすすめの絵本をご紹介します。
お楽しみに! (ミヤタ)

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