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谷口正和 プロフィール

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2016年9月21日

文化と芸術の経済学

この度、新書谷口正和著『文化と芸術の経済学』(ライフデザインブックス刊 700円)を上梓しました。

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同質類似から脱却をして次のシナリオを示すための軸足がタイトルに込められています。

暮らし方や生き方をも含めて、生活者それぞれが自分らしく生きるという社会に、全体としてパラダイムシフトしていく段階にある。価値観もそれに合わせて次のステージへと展開していく。

例えばファッションが不振だが、トレンドというものは時代の変化を追いかけ、その雰囲気の中で去年との違いを見出すものであり、自分らしく生きるということを踏まえればトレンドにこだわり過ぎるのはそれに振り回されているに過ぎないという見方もできる。

一人ひとりが自分らしさに気付き、それぞれのシナリオの主人公となり、価値の中軸を定めた人々は、自分自身がブランドであり商品だ。

一朝一夕にしてならずの個性や特徴を磨けば、高感度な美学や中長期を睨んだ思想哲学となっていくだろう。

こういう流れの中で独自性への認識を深めれば、個性がアートそのものとなる。あなた自身の固有と特徴の中にある価値観が共感連鎖する社会において、生活者はショッピングをするショッパーではなく、自己表現をかけて奥行きと高みに投資するインベスター、自己投資家ということになる。

今、エンドユーザーは消費から自己生産へと梶を切りつつある。その転換が地産地消やハンドメイドに対する要求も生み出し、自分の人生は自分で作るという生涯現役の認識とも繫がっている。

今ビジネスの価値フレームワークの中で問われているのは、標準化された個性ではなく、突き抜けた独自性である。2020プログラムもそれに重なり、自分の努力と圧倒的な時間を投資していくアスリートとしてプロフェッショナルサポートを受け、競争力を含めての覚悟は輝きを放つ。

どのようなビジネスにおいても時代が求める認識を本書では展開している。

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