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谷口正和 プロフィール

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2011年11月28日

AGINGの研究。

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高齢社会はこれから来るのではない。もうすでに来ているのだ。


「AGING FORUM 2010」に当社のメンバーとともに参加してきた。

東京大学の産学連携コンソーシアム「ジェロントロジー研究会」で

ご指導いただいた辻哲夫教授や秋山教授など、

今日の高齢社会研究のリーダーたちの講演で、

あらためて勉強する点が多かった。

日本のような成熟社会の高齢化は、まさに世界に類を見ず、

その意味から日本が果たす点は大きい。

化粧品などの世界ではスキンケア用品の開発と商品化が進んでいるが、

このような開発を食品や衣類、ハウジングや車にまで及んだ

ライフスタイル全般のものとして受け止めていくことが大切だろう。

何事もまず研究からである。

2011年11月25日

フェルメールからのラブレター。

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フェルメールはご存知の通り、17世紀のオランダが生んだ天才画家である。

生涯故郷を離れず、22年間の間に残した作品はわずか35点ほどで、

そのうちラブレターをテーマにしたものが3点ほどある。

それが一堂に会した展覧会『フェルメールからのラブレター展』が

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催される(12月23日~3月14日)。

文化村の初代館長、清水嘉弘氏から案内状をいただいた。

フェルメールの絵から感じられるのは圧倒的な静謐感だ。

まさに無音の世界なのである。

まるで透し図のように澄明な構造の中で女性が静にこちらを見ている。

フェルメールの評価が年々高まっていくのも、

あまりにも過剰な音と情報にあふれた情報社会の進行と無縁ではあるまい。

静けさは今や都市では手に入れることができない宝物なのだ。

フェルメールの絵の前にたたずんで、静けさをともにしたい。

 

 

2011年11月21日

「大学」の意味。

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単なる学歴の最終段階だった「大学」の

本来持つ意味と意義とはなんだろうか。

それは知の精査、生産を果たし、

社会に対し未来哲学的思考、思想を迫っていく

知の整理学研究の場ではないだろうか。

大学が自ら出版機能を持つのは、

その意味から当然であり、要は何を社会に対して問いかけるかである。

重要なことは社会を未来の渦の中に巻き込む、

メッセージ、課題、成果の発信だ。

私は大学に必須なものは出版機能とライブラリー機能だと思っているが、

そのいずれもが知の集積の場である。

知性、文化が世界を回す基本的なエンジンになる21世紀、

大学の持つ意味はさらに大きい。

2011年11月14日

100,000年後。

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100,000年前と言えは、

現代人の祖先であるホモ・サピエンスがアフリカを出て

世界各地に拡がり始めたころであるという。

国家などというものはどこにもなかった。

100,000年とは、それほど長い時間なのだ。

 

かんき出版の山下津雅子氏より、

『100,000年後の安全』(かんき出版)という本をお送りいただいた。

近年公開されて話題を呼んだ映画「100,000年後の安全」から

注目すべきシーンと言葉を抽出し、その内容を紹介するとともに、

原子力問題の専門家による我が国の

高レベル放射性物質問題を取り上げている。

映画の内容はフィンランドに建設中の放射能の最終処理施設「オンカロ」の

ドキュメンタリーである。

何が「100,000年後」かといえば

放射能が生物にとって無害になるのに10万年かかるという意味である。

「オンカロ」が本当に10万年持つかどうかは誰にも分からない。

「オンカロ」の存在を人類が10万年も記憶しているかどうかも分からない。

放射能とはそれほど恐ろしい存在なのだ。

 


あらためて出版人としての山下氏に敬意を表する。

著者のマイケル・マドセン氏、翻訳に携わった西尾莫氏、澤井正子氏にも。

経済効率と成長を追い求めて、

私たちは開けてはならない蓋を開けてしまったのだ。

2011年11月11日

インバウンド・アイデア。

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海外から日本へ、いかにインバウンドを活性化するかは、

観光立国が世界の新しい競争軸になる21世紀の

重要なテーマである。

観光戦略への具体的な提案を次々と発信している小林天心氏から、

また次なる御著書が届いた。

『国際観光誘致のしかた~インバウンド・ツーリズム振興の基本』(虹有社)である。

これからの時代は観光が重要な外交の要になる。など、

卓見とアイデアにあふれた内容である。

どのようなマーケティングも、最後は「アイデア」である。

具体的なアイデアに落とし込まねば、論理は永遠に不毛である。

その点、小林氏の御著書はいつも

具体的なアイデアに満ちていることがすばらしい。

一読、目からウロコのインバウンド・アイデアにぜひ触れて欲しい。

「集客」はすべてのビジネスの基本である。

2011年11月 7日

ライフスタイル・コレクション。

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ユキ・パリスという古くからの友人がいる。

京都の鴨沂高校の後輩で私の妹の同級生である。

その国際感覚豊かなお名前からも察せられるように、

パリスさんは京都に生まれ、デンマークで暮らし、

北欧を中心に数々の展覧会を企画、監修してきた方である。

『ユキ・パリス ずっともの探し』(文化出版局)された。

写真も含めて、センスがいい、丁寧なつくりである。

彼女が雑誌『ミセス』に連載してきたエッセイを一冊の本にまとめて出版した。

彼女が暮らしの中で集めてきた生活コレクションが紹介されている。

物はどのように発見されライフスタイルの中に取り込まれていくのだろうか。

使い捨てのフロー文化に慣れてしまった私たちには、

彼女のストック型のコレクションは、

まさに彼女のライフスタイル表現そのもので、大変新鮮である。

「もの探し」とは「自分探し」なのかもしれないと彼女は言っているが、

まさに「自分のライフスタイル探し」なのだろう。

これからの私たちに大切な視点が随所にちりばめられている。

京都人であり、日本人であり、地球人である彼女のセンスに学びたい。

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