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谷口正和 プロフィール

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2010年2月24日

野菜の力。

 


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野菜の時代が来た。

肉食動物は草食動物を食べ、

草食動物は草を食べ、

草は光合成でできる。

食べ物のルーツは太陽であり、その受け皿は野菜なのだ。

野菜が持っている根源的な力を、みな直感し始めているのだ。

その色彩の豊かさ、土から生まれてくるという圧倒的な生命感。

まさにベジタブルの時代である。

 

友人の相羽高徳氏が1冊の本を送ってくれた。

『東京ベジタリアンレストラン厳選ガイド』(河出書房新社)である。

相羽氏は「新横浜ラーメン博物館」「NINJAAKASAKA」など、

話題の施設を手がけてきた。


彼の経営するレストラン「ラ・ロンジェヴィテ」が同書に紹介されている。

「不老長寿」をテーマにした、

マクロビ創作料理などを味わえる店として紹介されている。

地球の時代は野菜の時代だろう。
 

 

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2010年2月23日

STRAMD

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STRAMD(ストラムド)とは、桑沢デザイン研究所が開講した

「企業経営を"デザイン思考"する実力派ビジネス人材育成プログラム」

である(同校HPより)。

Strategic Management Design in Kuwasawaの頭文字から

作られたネーミングである。

さらに引用させていただけば、

「《STRAMD》は、新しい時代を考えそのニーズに対応する教育プログラム」とある。

まさに世界は経営デザインの時代に入った。

デザインとは思想、ミッションを実際の経営活動につなぐ全体構築のことであり、

都市経営、地域経営、企業経営、国家経営、広くは地球経営のことを指す。

もはや個人の生き方から地球経営まで、デザインでないものはない。

講師陣も内田繁氏、中西元男氏、紺野登氏、河野龍太氏、金子英之氏と充実しており、

21世紀の経営デザインに大きな影響力を持つに違いない。

ご発展を祈る。

 

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2010年2月22日

美学の系譜。

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金子國義氏の展覧会を拝見してきた。

金子國義といえば、四谷シモン、高橋 睦郎などと共に、

大きくは澁澤龍彦の系譜に連なる人である。

その流れはフランスの美意識だ。

 

私は父がフランス文学者であったこともあり、

この美意識の流れには親炙してきた。

父はジャン・コクトー、ボリス・ヴィアンの研究家であり、

「日々の泡」は父の訳だった。

そういう意味で、私は幼いころから、ある美意識の流れの中で生きてきた。


「悪徳の栄え」ではないが、美はある瞬間、

常識の境目を超えた時に次なる美を生み出す。

美は常識を突き破って歯止めを失った時にこそ、

その新しい様相を見せるのだろう。

変革は常識を超えた時にこそ誕生する。

金子國義氏の展覧会を見ていて、そんなことを思った。

 


 

2010年2月17日

京都精華大学流。

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マンガ学部を立ち上げて注目されている京都精華大学の佐藤敬之教授より、

一冊のアルバムが送られてきた。

卒業生のアルバムだが、注目すべき点は、

卒業生のプロフィールとその作品がすべて掲載されていることだ。

同大学はアートが中心だが、卒業生はその時点から一個のアーティストである。

どのような人で、どのような作品を作り、どのような作風なのかが、

社会と卒業生をつなぐリンケージだ。

その意味で、大変優れた卒業生紹介になっていると思う。

アートの多様性がますます広がる中、

個人のアーティスト性が問われている。

京都精華大学流に注目したい。

 

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2010年2月15日

匠の力。

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海洋堂の創業者、宮脇修氏より、素敵なフィギュアをお贈りいただいた。

昨年、日本中の話題をさらった阿修羅像のフィギュアである。

つくづく、日本の匠の技を思う。

日本人の技は、小さなものに凝縮したときに、その真価が発揮されるだろう。

「なにもなにも、ちいさきものはみなうつくし」(清少納言)である。

 

小さいということは、ディテールの美であり、物における洗練のきわみである。

海洋堂のフィギュアは、この凝縮の美にあるだろう。

小さくても山椒は小粒、人の目を奪ってやまない。

この阿修羅像も、海洋堂の美学が満ちている。

「つくるものは夜空にきらめく星の数ほど無限にある」という

海洋堂の未来は、無限だと言っていい。

 

当社のコピーライターである相子智恵さんが、

「角川俳句賞」を受賞したのは、先ごろ報告させていただいた。

 

彼女の秀句を一句ご紹介させていただく。

「互ひ見えずよ」とは、はっとさせられる着眼である。

相子さんもまた言葉の匠である。

 


阿修羅三面互ひ見えずよ寒の内 相子智恵

2010年2月 9日

知に国境なし。

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私が教鞭をとっている立命館大学のAPUをご紹介する。

APUはRitsumeikan Asia Pacific Universityのことで、

「立命館アジア太平洋大学」である。

大分県、別府市、学校法人立命館の三者の公私協力によって

2000年4月に開学した。

今年でちょうど10周年である。

約90カ国・地域の学生たちが学んでいる。

生徒も先生も、世界中から参集している。

開かれた大学。APUを一言で言えば、そういうことになろうか。

 

知に国境はない。

それは明治維新期の若者たちが、欧米から学びに学んで、

新しい知の体系をもたらしたことでよく分かる。

聖徳太子ではないが、知も和を以って尊しと為す、なのだ。

知を以って尊しと為すは、日本文化の根幹だろう。

平和を基本として、未来に向かって意志の矢を放つ行為は、

21世紀の命運を決める。

APUはその意味から、未来大学と言える。

ますますの発展を祈念したい。

2010年2月 8日

おもてなしの美。

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サントリー美術館で開かれている「おもてなしの美」展に

お招きいただいたのでご紹介する。

サブタイトルは「宴のしつらい」である。

英語でArts for Japanese Hospitalityとある。

 


Artには本来、芸術と技術のふたつの意味がある。

今見るわれわれの目には芸術であっても、

その当時は用の美として生活工芸の一部だったに違いない。

もてなしとは、実際の生活芸術の証だった。

今日のわれわれが学ぶ視点とは、

どのような美も用の美の側面を忘れてはならないということだろう。

そのレベルが問われている。

もてなしの美学は、まさに宴、パーティ、

あるいはセレモニーなどのときに最高度に発揮されるだろう。

日本の四季をモチーフにした美意識は、

ここでも遺憾なくその美を表現している。

四季の美意識と変化は、日本人の感性を貫くものだとよくわかる。

3月14日(日)まで。

 

2010年2月 3日

台湾からの目。

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台湾から来た若者が二人、

今週当社でインターンシップ研修を受けている。

25歳の男性と22歳の女性で、

ともに台湾では有名な大学、

国立成功大学の大学院で産業デザインを学んでいる。

海外から来た人が、日本のデザインをどう見ているかは、

非常に重要なテーマだ。

都市デザインからグラフィックデザインまで、

デザインは世界の共通語である。

デザインは自画自賛に陥りやすい領域で、

それが「他者の目」のためにあることを忘れがちだ。

台湾から来た二人の若者に、東京のデザインがどう見えるか、

そのレポートが非常に楽しみである。

写真は二人の台湾からのお土産だ。

風土が違えばデザインも違うことがよくわかる。

 

 

2010年2月 1日

SIX SENSES

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第六感である。

五感を超えて、その統合体としての第六感が、

感性の最終形なのかもしれない。

友人のマイアットの三吉かおりさんが、素敵な本を送ってくれた。

現在お仕事中だそうで、「シックスセンシズ」というリゾート&スパの会社で、

世界中にリゾートをネットワークしているようだ。

この写真は昨年12月にオープンしたばかりの

タイのプライベートアイランドにあるリゾート「ソネバ・キリ」。

バンコックから専用機で出迎えしているそうである。

これからはまさにグローバル・リゾートの時代、

世界中の人が、世界中でリラックスする時代だ。

ブラッシュアップされた感性がお土産である。

 

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