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谷口正和 プロフィール

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2010年1月26日

知の巨人。

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人はその社会的評価が確定するまで、没後最低50年はかかるという。

その意味で福田恆存(1912年 - 1994年)は、

まだ没後50年を経ていないから、その評価は未確定の部類に入るだろう。

しかし、福田恆存は「知の巨人」と呼ぶにふさわしい人であると私は思う。

保守派の論客として書いた膨大な論文、作家や作品への文芸批評、

そしていくつものシェークスピアの戯曲の翻訳。

演出家としても才能を遺憾なく発揮した。

 

「知の巨人」と呼べるにふさわしい人はそういない。

情報の時代は、才能を過大演出して伝えてくることがあるが、

福田恆存は本物である。

この『福田恆存評論集』は全13巻シリーズの中の第8巻であるようで、

元TBSブリタニカの編集者だった西脇礼門氏が

麗澤大学出版会に移られて編集・刊行しているようである。

いい仕事をなさっている。

文化こそ、もっとも大事にしなければいけない知の集積だ。

 

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