eof; } ?> eof; } ?> 住んでいると健康になれる街づくりを推進中<後編>:CAN Healthy Design Club

CAN Healthy Design Club

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2013年1月15日 13:35

~筑波大学大学院人間総合科学研究科教授

 株式会社つくばウエルネスリサーチ代表取締役社長 久野譜也先生~


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その街に住んでいるだけで自然と歩いてしまう、

住民が健康で元気に幸せに暮らせる新しい都市モデル

「Smart Wellness City(スマートウエルネスシティ)」プロジェクト。

前編に引き続き、発起人であり、事務局長の久野譜也教授に

現在の進捗状況、街づくりの未来についてお話を伺いました。

 

歩くことができる街があっても、何もない限り、

人は歩きません。Smart Wellness Cityの課題は、

街というハードをつくりながら、車依存から脱却し、

歩いてもらう仕掛けとなるソフトを考えること。

この2つを組み合わせながら、生活や健康に対する価値観を

変えさせていくことです。

 

ソフトの例として、とある市が商店街に車止めを作りました。

本来なら車で通れた道が通れなくなることで、

不満が出るのは当然で、この不満が無関心層の人々を

変えていくきっかけになったのです。

さらに、不満を訴えてきた無関心層に、

車止めを作ることが個人にも社会にも

メリットがあるといった説明を行うこともでき、

その先にある街づくりに対して理解をしてもらう第一歩になりました。

車が入れない場所をつくることで、一時的に不便にはなりますが、

そういう場所を歩き出すことで、新しい発見が増えて、

楽しくなるはずです。健康のためだけに、何かをすることは続きません。

歩くとこんなにいいことがある+健康へのメリットもある。

こうしたことを気づいてもらうためにも、仕掛けは必要になります。


 

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また、歩いてもらう仕掛けとして、

自分の健康状態を確認するための「見える化」も必要で、

歩数計がその役目を果たしてくれます。

1日1万歩必要という話を耳にしたことがある方も多いと思いますが、

歩いた分の足し算でも効果は変わらないという

科学的根拠がきちんと伝わっていないと思います。

朝起きてから、夜寝る直前までが、1万歩の対象です。

こうした知識を知っているだけで、歩数が足りなかったら、

「今日は2個前のバス停で降りて、買い物をして帰ろう」などと

自然と思えるようになり、続けることができます。

近隣環境が活性化していれば、さらに歩くことは楽しくなりますよね。

 


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大切なことは“IMAGINE THE FUTURE”

 

現在、Smart Wellness City構想が進んでいる

市町村は新潟県の新潟市と見附市です。

市街地商店街の完成2車線を一方通行にし、

歩く空間を広げる取り組みを行っています。

現段階で、決定ではありませんが、

ようやく住民のみなさんの理解を得始めてきて、

早ければ、2013年の秋には実現するかもしれません。

しかし、ここまでたどり着くまでに、相当な苦労がありました。

3年前ぐらいに、問題意識を投げかけて8名の市長の方々で始まった

Smart Wellness Cityは、現在21名の市長の方にご賛同いただいています。

各自治体内に横断的な組織をつくり、

国から総合特区の指定を受けてちょうど1年ですが、

まだまだたくさんの課題が山積みです。

これだけの高齢化に対応する社会をつくるには、

世界にもモデルがないため、

市町村や住民が一丸となって進めなくては変わることができません。

 

 

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私の講演会に足を運んでくださる方は、

健康に関心のある3割の方たちになるのですが、

よく冗談で「健康に関心のない方は7割なので、

みなさんは、変わり者なんですよ」とお話します。

健康に関心のある人が増えなければ、社会は変わっていきません。

関心を持った理由をぜひ、周りの人に伝えて、

仲間を増やしてくださいとお願いしています。

文句を言っていても、自分も社会も何も変わりません。

この3割の方を6割に増やすことが今の目標です。

過半数を超えるので、相当社会の雰囲気は変わると思いますし、

これぐらいできなければ街を変えることができません。

 

 

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これからのSmart Wellness City は

日本の超高齢化人口減社会から生じる様々な社会的課題の

処方箋になりえると考えています。

現在はいかにしてこのような街をつくるかに全力投入中です。


 


 

 

kuno_0108.jpgProfile

くの・しんや 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授、株式会社つくばウエルネスリサーチ代表取締役社長。1985年筑波大学体育専門学群卒業、92年筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。92年 東京大学 教養学部保健体育科助手医学博士、96年筑波大学先端学際領域研究センター講師を経て、10年より現職。96年より茨城県大洋村と共同で行った高齢者を筋肉トレーニングで健康にするプロジェクトが大きな成果を生み、「NHK クローズアップ現代」で紹介され注目をあびる。02年に筑波大学発のベンチャー企業となる株式会社つくばウエルネスリサーチ設立し、「Smart Wellness City」構想を立ち上げる。

 

 

【筑波大学体育系久野研究室】
http://www.taiiku.tsukuba.ac.jp/~kuno/ 

【株式会社つくばウエルネスリサーチ】
http://www.twr.jp/

 

 


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