eof; } ?> eof; } ?> 「歌う」で老化を防ぎましょう。:CAN Healthy Design Club

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2012年6月21日 13:12

〜鶴見大学 歯学部教授 斉藤一郎さん〜

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●老化を感じるのは、まず口から 

高齢社会のなかで抗加齢を考えるとき、
消化器でもあり、感覚器でもあり、
表情をつくるうえでも
重要な役割を担っている口の機能は、
それを衰えさせないことがとても大切になります。

だからといって、
毎日、トレーニングしなさいとか、
「あ」とか「う」とか発声しなさいなどは、
マニアでないとなかなかできません。

ただ、歌う行為にはそのすべてが含まれています。
そうした機能を維持向上させる
手っ取り早くてベストな方法が「歌う」ことで、
それが長寿にもつながっていくのです。

ある公式調査では、
「どういうときに健康を感じるか」という問いに対して
「食欲があって食事がおいしいとき」という回答が目立ちました。
また、「どこから老化を感じるか」の質問には

「目と口」という回答が多くありました。

年齢の「齢」には「歯」が含まれています。
昔から、口で衰えを感じることが多かった証でしょう。

口の機能はすごく複雑です。消化器や感覚器に加えて、
噛む行為にも筋肉がからみあって複雑な運動になり、
「摂食嚥下」は脳の高次機能を使います。
その機能が失われるのが老化とも言えます。

「歌う」行為には、メロディや節まわし、
サビを覚えなくてはならないなど、記憶や学習、
認知などの高次学習機能も含まれます。
人間のすべての基本機能がからむといっても過言ではないでしょう。

 
●歌えば長寿ホルモンが活発に!? 

長寿研究のなかで、
2002年に700人を対象に行われたある調査によると、
いわゆる長寿ホルモンのDHEA(デヒドロエピアンドステロン)の
レベルが高い人ほど長生きするという結果が出ており、
それをどう維持するかが注目されています。

一方で、コルチゾールというストレスホルモンは逆相関を示します。
そこでストレスコントロールの観点で「歌う」を臨床研究してみると、
「歌う」とコルチゾールレベルが下がる結果となりました。

これがDHEAのレベルアップと直結するかどうかはまだわかりません。
また、唾液分布量が多いほどDHEAが多いということがわかっています。
つまり、歌うことで唾液分泌が活発になればDHEAは減りません。

歌うことはストレスを減らし
長寿ホルモンの分泌を活発化するということが、
現象論としてわかってきたわけです。

歌と密接な関係にある「笑う」という行為も、
おかしいから笑うのは当たり前で、
実際のところは無理にでも笑うことが表情筋を動かし、
心のあり方を変え、幸せな気分になるということも言えるのです。

動物のなかで人間だけが笑いをコントロールできます。
無理やりにでも笑っているうちにだんだん楽しくなり、
本当にハッピーになっていくということが
医学的にも証明されています。

く「Happy People Live Longer」と言われます。
自分を幸せだと思う人が長生きするのです。

歌うことをより身近にすることで、
肉体・精神の両面からアンチエイジングを実践したいものですね。

 


 

さいとう いちろう
鶴見大学歯学部教授。鶴見大学先制医療研究センター長。
ためしてガッテン(NHK)、たけしの本当は怖い家族の医学(テレビ朝日)、
解体シンショー(NHK)など多くのテレビ出演で活躍。
『「食べる力」を鍛えてピンピン元気』(東洋経済新報社)、
『不老は口から』(光文社)、
『口からはじめる不老の科学』(日本評論社)他著書も多数。

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