eof; } ?> eof; } ?> 高齢期の住まい方について③:CAN Healthy Design Club

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2012年3月28日 16:31

 

〜明治大学理工学部教授 園田眞理子先生〜

 

高齢期の住宅に関する研究に長年携わっておられます

明治大学教授の園田先生のお話を4回に渡ってお届けしています。

3回目は、近隣の人々との支え合いについて、うかがいました。

 

 

園田先生お写真.png

 

3.近隣の人の「顔がわかる」だけでも、支えあいの一歩に
 

今の日本の高齢者は、「家族力」に窮していると私は指摘しています。

家族というのは、食事の世話等の身近なことから、

年金や資産運用等の経済的なことまで様々な課題を、

別々に請け負うのではなく、渾然一体に一手に引き受けてくれる存在です。

ところが、家族規模の縮小や機能の衰えとともに、

こうした渾然一体となった課題をさばいてくれる

家族以外の存在が必要とされています。

アメリカでは「ピア・カウンリング」
(同僚や仲間による相談活動)が

盛んですが、
こうした点でとても大きな役割を担っています。

ちょっと困ったことがあっても、

「私の場合は、こうやって解決したのよ」とか

「お隣はこうやっていたみたいよ」など、

自分の経験をもとに様々な相談にのってくれる。

必ずしも専門家が必要なわけではなく、

むしろ互助性のあるコミュニティの存在が重要です。


日本は、町内会や民生委員などの仕組みはあったとしても、

そこを横につないでいく機能が全くないので、

極めて難しい状況に直面しています。

特に都市部はその問題が著しいです。

「よけいなおせっかいではないかしら」とか

「最後まで責任は持てないから」という思いで、

何となく立ち入れないでいるバリアが案外ありますね。

ちょっとおせっかいな人が一人いるだけで、

解決できることも少なくないと思いますよ。


マンション内でも居住者同士の面識がないケースが多く、

お互いを支え合うという状況ではありません。

例えば、新しく入居される方を、
元の居住者たちに紹介する仕組みがあれば、

ずいぶんお互いの意識が違ってくるのではないでしょうか。

3カ月に1度位でも良いので、「ウェルカム・パーティ」や

「ホーム・ウォーミング・パーティ」を開催し、

お互いの顔がわかるようにすることが安心にもつながります。

居住者の「ご紹介」というメニューがついていることで、

マンション自体の価値もアップするはずです。

次回は、地域と大学が連携してのコミュニティづくりについてです。

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