eof; } ?> eof; } ?> 「メンタル」を磨こう/角田陽一インタビュー:GALAPA

GALAPA

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2014年4月 7日 10:06

ISLAND GOLF CLUB GALAPAメンバーのみなさま、こんにちは。ゴルファーにとって最高の季節ですね。

「春は花粉が……」というかたもいらっしゃるとは思いますが、もしよろしかったら、自身も花粉症である記者の上司がアップした記事をご覧になってみてください!

 

●『花粉症だってゴルフに行こう!』

http://www.jlds.co.jp/galapa/2014/02/post-28.html

 

3月のある日、そっとアップされていたのですが、花粉症ではない記者はこの記事を見て、「そうか……今年も花粉が飛びはじめたか」と思いましたヨ(汗)

 

さて。本日はGALAPA初の“文化系講師”角田陽一先生の登場です。

GALAPAでは、これまで登場したプロゴルファーのみなさんによって、メンタルを鍛えることの重要性が繰り返し語られてきました。彼らは研修や競技を続けていく中で、必ずその道のプロに学んでいるんですよね。

みなさま、その教えを直に聞いてみたいと思いませんか?

角田先生には近著『72へのゴルフメンタル術』の内容を中心に、アマチュアゴルファーにも役立つメンタル術をお話しいただきます!!

 

 

 

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角田陽一 (つのだ・よういち)

1956年生まれ。月刊『ゴルフクラシック』編集長を経て、フリーのスポーツライターとなる。ゴルフ誌などで執筆する他、プロゴルファーのメンタルコーチとしても活躍。

『9割のゴルファーが知らない上達の近道』『ゴルフ・メンタル強化書』『パット&アプローチ上達の極意』『なぜ多くのゴルファーは「開眼!?」してもスコアアップにつながらないのか』(以上、実業之日本社)、『壁を超えるゴルフ』(白石豊監修・ゴマブックス)、『ゴルフがみるみる上達する魔法のことば40』(日東書院)など著書多数。

 

 

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『72へのゴルフ・メンタル術』 角田陽一著 (ベースボール・マガジン社)

人間の心の本質に迫る高度な理論が、わかりやすく愛のある言葉で書かれた良書です。記者はあえて外で読書し、「72!? この小娘が?」と通りがかりの人をビビらせてみました。

 

 

■「へた」でもメントレは必要

――御本を拝読し、ゴルフではすべてのプレーにメンタルが関係しているのだと感じました。

アマチュアゴルファーには、「まだ自分のスコアではメンタルトレーニングをやっても意味がない」と考えている人も多いですよね。確かに100を切る切らないといった段階ではスイングを学ぶなど、技術的なトレーニングも必要です。でも、技術だけでいつまでも成長できるわけじゃない。とくにゴルフは自然条件なども重なり、非常に流動的なスポーツです。

ぼくは「技術をやってから、メンタル」という考え方では遅いと考えていて、スコアに関係なく、技術的な練習と同時にメンタルトレーニングを行っていくことを提唱しています。

 

――アマチュアゴルファーでも(へたっぴでも)、メンタルトレーニングは必要ですか?

あるスポーツの正しい動きを体に覚えさせるには、集中的なトレーニングが必要になります。1日2~3時間の練習を週5日・最低半年間といった、学生の部活動のようなペースですね。だけどそれは社会人には難しいです。

限られた時間の中で最善の結果を出すには、メンタルトレーニングによる“実践的な練習”が効果的です。練習場でも本番をイメージし、クラブを1打ごとに変えながら打ってみるとか。

そもそも“練習場”で練習をするスポーツって、ゴルフだけなんですよ。本番では打つたびにクラブを変えるのに、練習場では何十球もおなじクラブ、おなじ打球を打ち続ける……それで上手くなるのは“練習”であって、スコアアップにはつながりにくいのです。

 

――今、オリンピックやプロスポーツでメンタルの重要性が語られています。

じつをいうと、かなり昔からあった概念なんです。「心技体」とはいいますが、スポーツでは長い間「技」と「体」が大切とされてきました。それが転換したのは70年代です。ビデオカメラの進化、コンピューターの進化によって体の動きがわかるようになりました。そのとき浮かび上がったのが「それでも勝てない」という事実です。正しい動作だけでは勝てない。じゃあ、他になにが必要なのか? ――こうしてメンタリティの問題が取り沙汰されるようになりました。

 

――“メンタル”とはなにか、その実体を教えてください。

1日に1発も良い球が打てない、という人はいないと思います。つまり、良い当たりをどうやってくり返すか。そのカギになるのが“メンタル性”です。自分がどんなショットを望み、どんなをイメージ抱いたか。「心」によって「体」は反応するんです。

 

 

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こちらは、最新刊『ゴルフは「気づく」だけでスコアアップできる』(じっぴコンパクト新書)。角田先生は、今、日本で最もハイペースで著書が出版されている専門家のおひとりです。

 

 

■良いスイングは「心」から作られる

――御本に「メンタルトレーニングでスイングが良くなる」とありましたが……

まず、人間の体の特性についてお話ししましょう。ゴルフのボールは飛ばそうと思うと飛ばず、欲得のない状態で打ったときに飛ぶものですが、これは飛ばそうとすると力みが生まれ、力むと腕が曲がるからです。腕が曲がると当然、クラブヘッドが球に届かなくなる。

力を入れてなにかをしようというとき、人間の腕の筋肉は必ず曲がるようにできているんですよ。

 

――そんな不便な(汗)

「四足歩行動物」から立ち上がり、今の直立歩行の人類が誕生しましたが、四足歩行していた期間にくらべると、その歴史はうんと短い。まだ人間の体には四足歩行動物としての機能が残っています。四足歩行のときは走るときなど体に力が入ったとき、前腕を曲げ、後肢を突っ張りますよね? その名残りがあるので「力を入れて飛ばそう」とすると腕が曲がり、足が伸びてしまうんです。

プロは“腕を曲げる指令”が脳から出るそのスイッチを切ってしまえるんですよ。いつか人類がマンガに描かれる火星人くらい進化すればこの特質もなくなるかもしれないけれど、今のところはプロゴルファーになるような天性のセンスの持ち主にしかコントロールすることはできません。

以上のことから、普通のひとの場合、力を抜いたほうがより良い球が打てる、つまり腕の伸びた良いスイングになるということが理解できたと思います。

 

――考え方が変わりました! 飛ばそうと力んでも良いことは何一つないですね!!

そうです!(笑)。その構造を理解しておくことが大切です。

 

――プレー中の自分に対して、「~する」という“ポジティブ命令”を出している場合と、「~するな」という“ネガティブ命令”を出している場合があると書かれていました。ポジティブであるほうが成功するというところまでは理解できるのですが、ポジティブ命令を出すためはどうすればいいのでしょうか?

ポジティブ命令を選択していくことは、目標設定の段階からはじまります。たとえばピンまで残り150ヤード。ピンはグリーンのはじっこにあって、手前はバンカー、奥はOB……という状況があったとします。この状況でピンを狙うと、距離の面でやってはいけないことが2つ出てくる。ショートしてもだめ、オーバーしてもだめ。これが「~するな」という命令の元になるのです。

しかし、狙いをピンから外してグリーンの真ん中にするとショートしてもオーバーしてもグリーンにのる確率が高い。「それなら真ん中を狙おう」とするのがポジティブな発想です。ポジティブ命令とは、「〇〇をやる」ということを1つだけ考えること。「やること」を1つに絞ることで自然に集中できる精神状態に入れるからです。2つ以上の「ミスしてはいけない」ことを意識すると気持ちが分散して集中できなくなります。

 

――でもピンを狙わないと、ピンに寄らないのでは(涙)

「池には入れたくない。でもピンには寄せたい」という欲をかくと「〇〇をやりたいけど、××はやりたくない」というネガティブな思考につながっていきます。結果、体に余計な力が入って池へ……。

「これさえやれば、××にはならない」選択をすることが、ネガティブ命令を回避し、ポジティブ命令につなげるコツです。「欲」と「怖さ」は裏と表。欲をかけば怖さが出てきます。ゴルフだけではなく人生でもそういう選択をしないようにこころがけると、笑顔がたくさん見られるようになると思いますよ。

 

 

■「心」もコースのようにマネジメント出来る!

――「結果が自信を生むのではなく、自信が結果を呼ぶ」。角田先生の持論と受け取りました。

ひとは自分自身に対して、“どんな自分であるか”というイメージを抱いています。これを「セルフイメージ」といいます。このセルフイメージが大きければ大きいほど、出来ることが増え、反対にセルフイメージが小さいと出来るはずのことでもできなくなる。

出来っこないことに対して自信を持つのは、ただの過信です。でも出来ることをやろうとしたのに、もしかして失敗するかもしれないと思うときがあるでしょう? それはやめましょう。できると判断したことは、自信を持ってやるべきです。いちばん確かなのは自分なのですから。

ゴルフの世界、スポーツの世界では「勝ったら自信がつく」というのは嘘っぱちです。それが正しいのなら、初優勝したら何度も勝てることになる。でも実際には初優勝より2勝目をするほうが難しい! 勝ったことが自信にならない証拠です。

 

――いちばん確かなのは、自分……。さらっとおっしゃられましたが、個人的に最もなにをやらかすかわからなくて不安に感じるのは、“自分自身”なのですが。

もちろん、それだけの努力や工夫をしないとだめですよ。自分に嘘をついても、自分のほうが良く知っているので。記者さんは自分のどこが不安ですか?

 

――ゴルフの日を忘れたこともありますが、予定を忘れてしまうことでしょうか。会議をすっぽかして、上司に叱られたことも。

予定を忘れた“あなた自身”をだめだと思ってしまわず、なぜ忘れたのかを考えるといいですよ。なぜ忘れるのでしょうか?

 

――確認しなかった……から?

それなら、毎日夕方5時に、先々の予定を確認するようにしましょう。携帯のアラームが鳴るようセットして、それが聞こえたらどんな作業をしていてもいったん手を止め、スケジュール帳を確認する。これを「ルーティン」にしてしまうんです。

ゴルフも一緒です。準備が大事! ラインの確認、距離の確認。心の中の不確定要素を消したいですよね。それは、不安を消すことですから。不安がなくなればプレッシャーもかからず、良いプレーができますよ。

 

――「イメージ・ラウンド」の行いかたを教えてください。“プレー前日不眠症”のお話が面白くて!

「イメージ・ラウンド」とは、頭の中でコースを回ってみることです。ラウンドの前夜に行うのが効果的。

まず、翌日は何番ホールからスタートするのか確認します。INスタートか、それともOUTスタートか。次に天気予報を見ます。「天気は良いけど西風は強いみたいだな~」。そしたら、スタートホールの図を見ながら風がどこでどう吹くか、なんとなくイメージする。「アゲンストだな。380ヤードか。普段なら230ヤード飛ぶから残り150ヤードだけど、きょうは210ヤードで残り170ヤードってとこかな。セカンドは狙おうかな。それとも花道でいいかな」と考える。

そして「よし、OK。決まった」となったら、普段のルーティンを頭の中で行い、打ち、球がフェアウェイに止まるところまでをイメージします。立ち上がって、シャドースイングしながらでも良いと思いますよ。

 

――18ホール最後まで、イメージだけで回りきれるものですか?

ホームコースに行くときじゃないと、なかなか詳細にイメージするのが難しいけどね(笑)。たとえはじめてのコースでも、調べて想像しておくことはムダじゃない。

練習場でやってもいいですよ。頭の中でコースを思い浮かべながら、1打ずつクラブや打つ距離を変えていきましょう。

 

 

■「心」のテクニックがプレーを救う

――プロゴルファーのあいだで取り入れられるようになったという「アフターショット・ルーティン」について教えてください。

簡単に言えば、ショットを打ったあと、「反応しない」ということです。ナイスショットだったか、ミスショットだったか。それには関係なく、心の平静を保つ技術。

ショットを打ってバンカーに入ったとします。「ちっくしょう! 一番手短かったか~!!」と叫ぶ。これは最悪な例です(笑)

 

――具体的にはどんなことをするんですか?

なにもしません。「打つ、打球を見る、転がったボールがどこへ止まったか確認する」……これで終わり。もうそのショットのことは考えない。「次」、ということでもなく「終わり」ということです。そして次のショットまでには1回、気を抜きます。次のショットのことはボールの手前、20~30ヤードからまた考え始めるべきです。

去年優勝した宮里優作プロもこれを実施しました。彼はアメリカ流に「ポスト・ショット・ルーティン」という風に表現しましたが。

 

――ルーティンというからには、いろいろすることがあるのかと!

ルーティンは“決まりごと”という意味ですから(笑)。

ミスを忘れるのは難しいことです。特に自分が可愛いと忘れられないですよね……。あんなにがんばったのに、と。でもまた次のホールもあるし、次のラウンドもある。今年のゴルフがだめなら、来年のゴルフがあるわけですよ。

プロゴルファーで難しいのは、そういう風に考えられなくなっていくことですね。年齢とともにあと何年できるか、という問題がでて来ますから。それでも目の前の1打に集中すべきなんですよ。極端にいえば、「あと何年プレーできる」と自分で考えているより早く、ゴルフをする場所が使えなくなってしまうことだってありえるんです。プロツアーも同じで、良い試合を見せなければ、ゴルフファンは離れていってしまうかもしれない。極端な例ですが、それだけ目の前の1打が大事だということです。

 

――“飛ばせる言葉”を持とうと書かれていましたが、最高のおまじないのように感じました。ぜひ、最高に飛ばせる言葉を教えてください。

レベルによって違いますが、あなたはいつもどう思って飛ばしていますか?

 

――「カキーンッ!」です。

あはは。良い、良い(笑)。そういうのがいちばん良いんですよ。反対に「強く打とう」とか、「手を早く振ろう」とか、力み系の言葉はだめ。

GALAPAメンバーのみなさんには、どういう言葉をイメージしたときに飛ぶかを練習時に試してみて欲しいですね。「シュッ」がいいのか、ゆっくりとした「1.2.3.4」がいいのか。それは人によって異なるし、使うクラブによっても違ってくる。また、ぼくが見つけた法則に、「1つ見つけても、ずっとその言葉がいいとは限らない」というのもあります。効力がなくなったら、また別の言葉を探しましょう。

 

――最後に、次につながる「反省会」のやりかたを教えてください。

必ず、良いことと悪いことの両方を思い出すことです。反省会では大体、悪かったことばっかり思い出すものですが、たくさん叩いた日も良かった点はあるはずです。そちらもしっかり思い出すこと。そうすればセルフイメージが小さくならなくてすみますよ。

人生もゴルフもおなじ。「ツイてない」っていう場面はどうしてもあるけど、結果が出ない人ほどツイてなかったことばかり話すものです。その言葉を自分自身で聞いたら「そこに打ったのはぼくじゃないか!」と突っ込みたくなるでしょう(笑)。

反対に良かったことは「まぐれ」ではありません。ちゃんと自分を褒めてあげましょう。

 

 

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◎本日はここまで。角田陽一先生、有意義な講義をありがとうございました!

 

柔和な笑顔の角田先生ですが、コーチングをされているプロゴルファーや研修生の例を出されるときは厳しいお顔に変わり、ドキッとさせられました。GALAPAでは初めて学術的な背景のゴルフ関係者にインタビューいたしましたが、「心」「心理」という勝負の世界で、プロとして戦っていらっしゃるのだと感じました。

 

 

 

◎お知らせ

ISLAND GOLF CULB GALAPAイベント

「平野義裕プロ×松井丈プロ 痛快ゴルフ学」

日時 4月11日(金)19:30~21:00

会場 ジャパンライフデザインシステムズ  ミーティングルーム

参加費 1,000円(豪華お土産あり!)

 

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 TEL 03-5457-3048 (担当:もり)

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