未経験こそ、社会に革新をもたらします。ドナルド・トランプ氏が支持を受けた理由として政治経験、公職経験が全くないということが考えられます。それはしがらみがなく、そればかりか、むしろ、政治と公職の現場に経営の概念、交渉という発想を持ち込んだところも大きいといえます。まさにそれが時代の流れを鷲づかみにするバランス感覚といえるでしょう。その結果、生活者自身には、投票する際に具体的なイメージを持ってセレクトするという判断を促しました。つまり、未体験のバランスに直感し選ばれたといえます。それがフレキシビリティとなり、自由度がますます発揮されていきます。一方で成功体験は過去の過ちを繰り返す危険性をはらんでいます。エスタブリッシュメントにおける抗争が繰り広げられる中、辟易している市民の声にしっかりと耳を傾けられなかったというメディアにも課題を突きつけたものといえます。天井をつき抜いたのは、「未経験」という現実をしっかりと見つめ、これまでの体験に固執せず、いかに自身を自由な発想の元に身をおけるかを考え、事業にもフィードバックしていきたい。