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2013年11月 1日 09:21

 

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資生堂ビューティートップスペシャリスト 原田忠 氏

 

“男”のことならこのひとに訊け! 資生堂で美容に携わる社員1万2000人の“頂点”といわれる「資生堂ビューティートップスペシャリスト」原田忠氏。前編では原田氏の手がけたお仕事から、男性美容の世界をのぞき見しました。

後編ではズバリ、この先の男性美容マーケットについて予言してもらいましょう。

 

――現在の男性美容マーケットと、今後のトレンド動向について教えてください。

マーケットはたいへん盛り上がっていますし、商品は多様化し、どれを使えばいいか消費者が迷っているほどです。商品情報がより精査される必要がありますね。

トレンド動向としては、男性像が原点回帰しているのを感じます。ほんの1~2年前まで、男性のおしゃれにはフェミニンな要素が強かった。草食・装飾男子に見られるファッションに合わせたヘアスタイルとしては、前髪を垂らしてフェミニンで優しくみせるような……。でも、最近は潔くおでこを出す男性が増えてきたと思いませんか? オデコのスクエアなラインやフォルムは男らしさをより感じさせます。

日本も世界も経済危機や不況、自然災害など不安な時代を経験し、そんな困難な時代を乗りきる “頼れる男性像”が求められていることがひとつの要因でもあります。同時に、ファッションのキーワードとして「フォーマル」「トラッド」「コンサバティブ」「エレガンス」などが浮上し、シンクロしたことも挙げられるでしょう。“7:3”分けが流行りはじめていますが、じつにクラッシックなスタイルといえるもので、なんと1960年代に流行して以来、実に50年ぶりの復活です。

現在、大きな潮流として男は男らしく、女は女らしくという本質的な流れを感じます。映画『華麗なるギャッツビー』で描かれた1920代のアメリカの古き良き時代を彷彿させます。では、日本はというと、現在、女性が髪を切る傾向がみられ、かつて女性が社会進出した時代のマニッシュで力強い女性像を想起させます。

ただ、ハイファッションの世界では、「クロスジェンダー」なる言葉も登場しているように、男性と女性のあるべき姿がクロスオーバーしていく流れが、今後の潮流として注目すべき点であり、どのように変化していくかその動向に注目すべきだと考えます。

 

 

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――では、原田さんご自身がこのマーケットに対して、どのようなアプローチを行っているか教えてください。

男子校から航空自衛隊に進み、資生堂でもメンズブランドを担当し、“男”に精通しているというか、一貫していといか……。なにか“任されている”感覚(笑)。

最近は自分自身、「これは“日本の男をどうにかしろ”っていうことかな」と使命感に駆られています。

はじめての著書『一流の男のボディケア』を書くモチベーションとなったのは、真さにそこかもしれません。ぼくが多くの男性に伝えたいことはなによりも“もっとご自身を大切にしてください”ということです。そのために、かつての日本の男――たとえば戦国武将や王侯貴族などが、どれだけ身だしなみに注意を払っていたかを、歴史を振り返りながら書きつづりました。身だしなみが生き様を体現するものとして機能していたことや、社会とコミュニケーションする手段であったという話は、読み物としても興味深いですし、歴史的背景は説得力がありながら現在にも十分通じる内容となっています。

 

残念ながら、日本の男性は“一途”すぎる傾向にあります。調査をしてみると、何十年もまえに使いはじめたヘアスタイリング剤を未だに遣っている人の多いこと!

年齢を重ねれば、髪質や肌質も変わるので、ヘアスタイリング剤や化粧品も同じでいいはずはないんです。時にはご自身の顔や髪をしっかり観察することも必要ですし、鏡をしっかり見て自分に興味を持つ習慣を啓蒙しています。自身の変化に気づけば、興味が沸き、同時に商品やケアの仕方の見直しにも繋がります。そんなきっかけを常に与えられるようアプローチしていきたいと考えています。

 

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PHP研究所 1,300円(税別)

 


――若い男性に向けてはどうですか?

例えば「ポマード」を今発売したら若い男の子には流行るかなと思います。ぼくも含め、上の世代がポマードと聞くとオジサンのイメージや古くて臭いイメージを持っていますが……。今の10代、20代は知らない分、逆に新鮮に写っているんです。新しい発想や価値つくりはターゲットとなる世代によって左右しますし、古いものに今の気分を取り込み、見せ方を少し変えれば、古いものも新しくみえる可能性を秘めていると言えます。

 

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原田氏がNYで購入したポマード。じつは最近のポマードは水溶性でサラリとしていて香りも良く、1回のシャンプーで落ちるそう。

 


――最後に、原田さんからのメッセージをお願いします。

誰にでも美意識があります。ご自身の美意識を表面化したものが身だしなみであり、日々の生活を通じた生き方がそのまま表れます。身だしなみとは自分を大切にすること、自分の人生に責任を持つことであると考えます。

簡単にできる、当たり前にできる、身だしなみを習慣化して、ご自身を大切にするために、日々の生活を見つめ直しましょう! 新しい自分に出会える喜びを必ず感じるはずです。

 

 

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