私がつくる、未来への処方せん | セルフドクタークラブ 


長野県の豊かな食材や食文化の魅力の発信役を担う「おいしい信州ふーど(風土)大使」。このほど新たに3人の大使が決まり、銀座NAGANOでその委嘱式が行われました。

 新任の方々は、日本ワインの魅力を紹介するフード&ワインジャーナリストの鹿取みゆきさん、イベント開催などを通じて日本酒の普及に注力する日本酒ジャーナリストのジョン・ゴントナーさん、そして信州プレミアム牛肉など信州食材を応援するフレンチレストランオーナーシェフの岸本直人さん。それぞれ順に、ワイン、日本酒、料理全般の分野を担当します。

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長野県では、県産の農畜産物について、厳選基準に基づいた信州食材の「プレミアム」、長野で開発された独自品種の「オリジナル」、伝統野菜など食の文化遺産ともいえる「ヘリテイジ」という3つの基準で厳選したものを「おいしい信州ふーど(風土)」と表現し、ブランド化を図っています。その魅力を広く県内外に発信し、長野県の食のイメージアップを進めるために、2012年に創設されたのが「おいしい信州ふーど(風土)大使」です。

当初からの大使は、このプロジェクトの総合プロデュース担当で県内にワイナリーを経営し、エッセイストとしても著名な玉村豊男さん、発酵食品全般を担当する発酵学者で東京農業大学名誉教授の小泉武夫さん、スイーツ全般を担当するパティシエの鎧塚俊彦さんの3人。今後は大使6人態勢で活動していきます。

 

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当日は、阿部守一長野県知事のほか、玉村さんと鎧塚さんも出席。知事から新任の3人に委嘱状が手渡されました。


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阿部知事は、「玉村大使の提案で始まったこの取り組みも3年が経ち、徐々に軌道に乗ってきたところ。長野県には山岳や高原、川を流れるきれいな水、そして温泉など多様な魅力があります。食についてもさらに多彩で優れたものがあり、それを3つのカテゴリーに区分してブランディングを図っています。今回で6人となった大使にはそれぞれの得意分野を活かしながら、食べ方も含めた食の特性を発信していただき、全国の皆さんにそれを踏まえた健康長寿県としての長野の魅力にふれてもらいたい」と激励の言葉を送りました。


後半のトークセッションでは、銀座NAGANOで販売されている「おいしい信州ふーど(風土)」商品から選ばれた「大使お薦めの食材」をいただきながら、阿部知事も交えてその魅力について語り合いました。 
 

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玉村大使は、「食べると信州の空気を感じられる料理が考えられないか。ワインづくりでもブドウが実っている風景が思い浮かぶようにと常に考えています。どういう人が作ったのか、長野の風や光、空気の中で飲むとそれが感じられ、東京で飲んでもパーっとその風景が心に浮かぶようにしたい。料理も同じで食べた瞬間に、信州に旅した時の風景がよみがえる。そんな料理ができたら最高ですね」と、これからの食のあり方に対する期待を語りました。
 

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◎トークセッションメニュー

【料理】〔ランベリー ナオト・キシモト〕
アンズとフォアグラのテリーヌ〔アンズ:杏宝園〕
信州サーモンしらかばスモーク〔八千穂漁業〕
はちみつとブルーチーズ〔はちみつ:更科養蜂苑〕

〔チーズ:アトリエ・ド・フロマージュ〕

【飲物】
◇ワイン
ソービニオンブラン2013(白)〔ヴィラデストワイナリー〕
メルロー樽熟2012(赤)〔井筒ワイン〕

◇日本酒
水尾純米吟醸〔田中屋酒造店〕
茜さす純米大吟醸〔土屋酒造店〕 

【スイーツ】〔Toshi  Yoroizuka〕
くるみショコラ


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大使と知事のトークセッションの様子

 


『生活芸術家たち 長野インタビュー』にご登場いただき、

WEBサイトでもご紹介させていただいている樹木医の伊藤伸二さんから、

本書のご感想をいただきました。一部をご紹介させていただきます。

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“生活芸術家”というタイトルがとても好きです。

私は自分がやっている森づくりを“自分の作品”だと思っているので、

確かに芸術家?かもしれません。

ちょっとおこがましいかな。

美しい森を作るというのが私の作品のテーマです。

森づくりは常に成長し変化する未完の作品だと思います。

季節ごと、時間の経過ごと、切取る場面、その一瞬一瞬が作品です。

だから、私がいなくなったら私の作品としての森は終わりです。

次の人が引き継げば別の作品になります。

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この本の中でご一緒させていただいた方々、

皆とても個性的な生き方でカッコイイ。

自分の生き方が個性的だなんて今まであまり考えもしなかったけど。

私もそのお仲間に入れて頂けてとても光栄です。

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唯一の残念は、私の写真はヘルメットとメガネで素顔が写っていないこと。

本を読んだ私の親戚友人知人からは、

「あの写真だと誰だかわからないのが残念だね」と言われます。


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駒ヶ根市 樹木医/技術士(森林部門)

伊藤伸二さん

いとう・しんじ 1965年長野県生まれ。89年信州大学理学部卒業後、コンピュータ会社に就職。99年信州大学農学部に編入。03年同大学院卒業後、緑の雇用で林業会社に就職。その後、NPO法人の職員を経て、08年養命酒製造駒ヶ根工場の緑化担当として就職。主に森林整備を担当。09年樹木医、15年技術士(森林部門)の資格を取得。

 

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里山が徐々に減り、森が荒れていく一方で、都会で暮らす人たちは癒しのために自然を求める。人と自然が当然のように共存することが難しくなっている時代、雄大なアルプスに囲まれた駒ヶ根で、人を癒す森づくりに邁進する人物がいた。自然の力を信じ、その力を最大限活かすために自らの知識と技術を捧げる。鬱蒼とした森が、季節によって彩りを変える豊かな森に生まれ変わった。人と自然の力が調和した世界がそこにはある。

 

木を活かすために、伐る

中央アルプスの麓、養命酒製造駒ヶ根工場の敷地内にある「健康の森」の整備に携わり7年が経とうとしている。「健康の森」は、工場見学に来た人の癒しの森として2006年に開かれた。当時から確かに森ではあった。ただし人の手が入っていない、鬱蒼とした森。森の中は暗く、花も咲かない。広葉樹も自生していたが、高い木の陰に入り、陽が入らないので美しく紅葉しない。

「訪れた方にくつろいでいただこうとカフェを作り、森を歩く小道も作ったのに、なぜか人が歩いてくれない」。「何とかしたい。人を探している」。そんなことから紹介を受け、2008年より森の整備を専門に行う社員として働くことになった。

森の生態を調査すると、樹木だけで約130種類が自生していることが分かった。ただ、人の手が入っていないために、大きく育ったアカマツが勝り、他の樹木が活きていない。ここでは、森を大切にすることは、木を伐らないことだと考えられてきたが、人を癒す森にしていくためには、ここに生きる植物を全て活かしていったほうがいい。「まずアカマツを引き算する。そうすれば様々な樹木が生えてきて掛け算が起こる」。イメージはできていた。


料理と庭仕事ができなきゃ、ここに暮らす意味がない

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根っからの料理好き。自宅でワークショップを行う時も、焼きたての自家製パンや庭の畑の採れたて素材を使った料理やスイーツでもてなす。どんなに忙しくても、家族や友人たちとの食事をないがしろにしない。

「12時間くらい立ち仕事をして疲れ果てても、家に帰ってくると自然とキッチンに立っている。本当に忙しくて料理ができなくなると、私の中のバランスが崩れてしまう。料理と庭仕事ができなきゃ、ここに暮らす意味がない」

素材は庭にいくらでもある。旬の野菜はもちろん、大葉や茗荷などの薬味、ハーブと何から何まで。広い庭ゆえにいろいろな野菜作りに挑戦できたことで、料理の幅も広がった。畑で穫った野菜を調理し、昔から骨董屋などで買い集めてきたお気に入りの器に盛り付ける、一皿の表現。そうしてできあがった料理を、温かい季節には、友人らを招いて庭先で食べる時間が気に入っている。

シングルマザーが親戚や知人のいない土地で働き、子どもを育て、古民家に暮らすのは、そう簡単なことではないだろう。冬は氷点下10度以下にもなる寒さだし、古民家は不便なことも多い。でもそれ以上に、土と植物に囲まれた暮らしは、心と体を満たしてくれる。

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春人くんが穫ってきた野菜をすぐに料理に使用。大葉が足りないとなれば、パッと行って穫ってこられる、豊かなキッチンガーデン。


「君は芸術家だ。君にしかできないことをやれ」

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24歳の時、スイスへ農業研修に行き、大規模農家でファームステイをした。料理の腕や手際のよさは、そこで培われたといっても過言ではない。料理好きとして重宝がられ、家族や労働者たち、多い時で10人以上の食事を任された。

「スイスはお昼ご飯が一番豪華なので、10時半にはキッチンに立ち、前菜やメインディッシュ、デザートと、フルコースを作っていました」

おいしく食べてもらいたいから、温かい料理は温かいままでテーブルに並べられるように心がける。西洋野菜を使いこなし、時には日本料理のエッセンスを取り入れながら創意工夫した。石窯で薪をくべて焼く、世界一おいしいパンも作れるようになった。仕事の合間には、馬に乗って森の中を散策したり、絵を描いたり、リースを作ったりする。悠々とした時間の中で、喜んでくれる人のためや自分のために、おいしい物や素敵な物をつくり出す生活。スイスのお父さんには、「君は芸術家だ。誰にでもできる仕事はやらなくていい。君にしかできないことをやれ」と言われた。

料理も庭仕事も、日常の中にある小さな芸術。スイスと風景も気候もよく似ている塩尻で、毎日素敵な物をつくりながら、暮らしを楽しんでいる。


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