私がつくる、未来への処方せん | セルフドクタークラブ 

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第1回全国ファーマシーフェア2015

実行委員長

岡村章二氏



今夏、初めての試みということで話題となった

「第1回全国ファーマシーフェア2015」。

一般消費者に保険薬局をもっと身近に感じてもらいたいと、

日本保険薬局協会が主催した一般向けイベントです。

その開催のねらいや今後の抱負について、

実行委員長を務めたクオール薬局の岡村章二専務取締役にお話を伺いました。

 


30年間でほぼ倍増した保険薬局
 


保険薬局とは、健康保険を使って処方せんから調剤する薬局です。

昔は病院で薬を処方するのが一般的でしたが、

医薬分業を進めようという国の施策に伴って

この30年間で全国の保険薬局は、

3万軒から約5万7000軒に増えています。

国の誘導によって拡大したビジネスモデルとあって、

一般消費者に対してどういう仕事をしているのか、

サービス向上に向けてどんな努力をしているのか、

プレゼンテーションする力が弱いという面があります。

 

保険薬局の今を知ってもらいたい


保険薬局では処方せんに基づいた調剤だけでなく、

機能性食品を販売したり

いつでも、どこからでもインターネットを介して

お薬の情報を記録閲覧できる「電子お薬手帳」の

利用もスタートしています。

しかしまだまだ知られておらず、新しい取り組みやサービスを

一般の方々にアピールする機会がなかなかありませんでした。

もっと保険薬局について知っていただきたいという思いから

日本保険薬局協会では、

今回初めて「第1回全国ファーマシーフェア2015」

というイベントを開催することになりました。

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3日間の開催で2万1000人が来場


イベントの実行委員会は、日本保険薬局協会内に設置され、

私をはじめ、協会メンバー5社の実行委員で

毎週打ち合わせを重ねてきました。

開催が決定したのが昨年秋で、準備期間がわずか8ヶ月でしたが

3日間の開催で2万1000人を集客することができました。

薬剤師など医療従事者に対する情報発信の場としても位置づけていたので、

8割が医療従事者、2割が一般消費者です。

一般の方々の集客については、東京・神奈川の保険薬局

約700軒に患者さんへ招待状を配布してもらいました。

集客実績は、ほぼ当初の目標を達成できたと思います。

 

薬剤師を疑似体験する「こども薬局」が人気


会場では医薬品や医療機器だけでなく、

介護・福祉・子育て・サプリメント・機能性食品、

薬局経営に関わる地域連携やITなど幅広い分野から出展いただきました。

週末は親子連れが多く、特に好評だったのは「こども薬局」です。

子どもたちが白衣を着て、調剤や接客など薬剤師の仕事を

疑似体験するというもので、1日に100人以上が参加していました。

お父さんやお母さんが薬剤師という場合もあり、

子どもたちが両親の仕事について知るよい機会にもなったようです。

 

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セミナーも高レベルと好評


実行委員長として嬉しかったのは、 

出展者の皆さんにも非常に喜んでいただいたことです。 

「非常に勉強熱心で、手応えを感じた」という声を多くいただきました。 

薬剤師の来場が多かったのですが、 

一つ一つのブースできちんと話を聞き、 

イベント終了後も問い合わせなどがかなりあったと聞いています。 

日本医師会副会長の特別講演をはじめ、 

セミナーも25本開催したのですが 

来場者から「レベルが非常に高かった」とおほめいただきました。 

これらの声を励みに、さらに内容を充実させたものを 

考えていきたいと思います。 

 

 

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<プロフィール>

1958年生まれ。80年3月 日本大学理工学部薬学科卒業後、

 マツモトキヨシ入社。その後、薬日本堂を経て、98年クオール入社。

埼玉支店長、薬局支援本部長などを経て、07年常務取締役、

 09年薬局事業本部長、経営企画部長、10年より現職。

 

 



セルフドクタークラブ「地域のヘルスステーション」プロジェクトでは、

様々なテーマによる健康講座を

地域薬局と共同開催していますが、このほど関西でも初開催しました。


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大阪府枚方市にある「だいいち薬局」が実施したもので、

「いつまでも元気でいるための、骨の健康講座」と題した健康サロン。

京阪線枚方公園駅から1kmほどの住宅街の中にあって、

人間ドック専門外来の草分けで、内科診療を行う愛成クリニックに隣接しています。

 

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今回は、同薬局を経営する薬剤師・竹原潤先生と信子先生が

「いつまでも元気でいるための骨の健康とクスリの話」をテーマに

1時間ほど講義を行い、それに続く質問コーナーでは

参加者から活発な質問が出されました。


近年、骨折や寝たきりの要因のひとつとなっている「骨粗しょう症」を

主に取り上げ、そもそもどんな病気か、何に気を付けたらよいか、

などについてわかりやすく説明しました。

 

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質問の後に実施された骨密度測定会には、

全員が参加、思っていたよりもよい結果に

よかったとほっとする姿も。


だいいち薬局は、関西における『セルフドクター』の発信拠点を

引き受けていただくことになっており、

健康サロンの実施も含めて、これからも地域医療に貢献していく方針です。


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<参照サイト>

だいいち薬局

http://firstmedical.jp/

 

 


 

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北里大学

薬学部教授/薬剤師

吉山友二先生



地域一体となった医療ケアが必要とされる時代に入ってきました。

その情報拠点として期待が集まる薬局ですが、

乗り越えなくてはならないハードルも少なくありません。

それらを踏まえて昨年1月に公表された

「薬局の求められる機能とあるべき姿」という学術論文が業界では話題になったようです。

地域に暮らす人々の目線に立つと見えてくることもあるかもしれません。

それをまとめた吉山友二先生にその主旨などを解説いただきました。



地域でケアする時代の薬剤師のあり方


この20年で医療界や健康の概念も大きく変化しました。

何が一番変わったかというと、例えば在宅医療と地域医療です。

つまり、がん患者さんの場合、昔なら病院の中で抗がん剤を注射していたのが、

家にいながら外来で治療をするようになってきたわけです。

そうすると高度なお薬、治療法、副作用なども地域コミュニティでケアすることになり、

それだけ高いレベルの薬局や薬剤師が必要になってきます。


一方、WHO(世界保健機構)でも、軽微な体の不調については

自分でケアしていくというセルフメディケーションの推進をアピールしており、

また国内でも病院総数を減らして地域療養型に変えていくという流れが出ている。

こうした動きに対して薬剤師はどうするべきか。

あるいは薬局はどういう形であるべきかということを昨年提案させていただきました。

 


セルフメディケーション支援と健康情報の拠点として


処方せんを持っていく所を一箇所にするという、

システムとしての「かかりつけ薬局」機能も非常に大切ですが、

それだけでなくセルフメディケーションをされようとする方のサポートや、

在宅医療、地域医療において、お薬以外の健康情報や介護用品の紹介。

あるいは医師やヘルパーさんの仲立ちをすることなども大切な仕事となると思います。

要は、病院以外の全てのお薬と健康に関わるものが

「かかりつけ薬局」の役割であると認識しています。


薬剤師は昔から健康を守る“町の化学者”ということに変わりはありませんので、

処方せんがないと入りにくい雰囲気ではなく、

気軽に町の健康情報拠点として利用していただきたいですね。

 

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一声かけてこそわかることもあります


薬のことではなくても一声かけて聞くだけでわかってくることもあります。

例えば、口の渇きというのは健康寿命にも関わってくる問題で、

一般に歳をとると口の中が渇きやすくなってきます。

北里大学の院生が調査して一言口が渇いていますかと聞いた結果と、

診断用のろ紙を使って出た結果のデータも一致しました。


さらに、65歳以上の方が持っている処方箋の内訳を見ますと、

循環器系、消化器系、不眠など精神系、これらの7割強のお薬が副作用として

口内を乾燥させますので、服用するお薬によってさらに口が渇く条件が揃ってしまうのです。

病気も増えますから仕方がないのですが、ここでは口が渇くことが問題ではなく、

渇いていたら水を含むなどして湿らせることが重要。

そうすることで健康寿命も延びていくことが期待できるのです。

 


健康な時にこそ、何かの時に備えて利用したい


何かあったら薬局に聞いてください。

事が起きてからではなく、健康な時にこそ悪くなった時に対応できるように

普段からもっと気軽にご利用くださいということをあちらこちらで

お話をして広める活動も行っています。

事件があったら110番、火事になったら119番も小さい頃から繰り返し言われてきて浸透します。


お薬手帳も20年前はなかなか普及しませんでしたが、

持ってくるのを忘れないように保険証とお薬手帳を一緒に管理してくださいと言ったら、

所持率が15%から85%まで上がり、今ではお薬手帳も浸透してきました。

お薬は病気の時しか使わないので、健康な時に来ていただくのは難しいですが、

地道にやっていくしかないのかなと思っています。

 

生涯にわたり学び続ける姿勢を持ちたい


アメリカは生涯学習が進んでいますが、10年前に渡米したときに、

その分野のトップともいえるある事務局長が、我々は間違っていたと話しました。

何を間違えたかというと、必要とされたものを把握した上で提供するということを

見誤ったというのです。

 

 例えば、静かな地方の薬局で働く薬剤師と、48時間病院で泊り込むような

ハードな現場に立つ薬剤師では必要とされるものが大きく違うということ。

となると、彼らがハッピーになるには、それぞれに合った生涯学習が必要です。

私はまだそこを追いかけられていませんが、

将来的にはそうした場合に応じて必要な医療を、

働き方も含めて勉強し提供できるようにしなくてはいけない。

患者さんが我々に求めるものもそこにあるのではないかと思っています。


 


<プロフィール>

よしやまゆうじ  医学博士。1982年北里大学大学院臨床薬学特論修了。

同年北里大学病院薬剤部勤務。85年同薬学部病院薬局学教室講師として

大学病院に常駐勤務。95年より共立薬科大学臨床薬学教室助教授。

2013年より現職。研究分野は臨床薬学、臨床薬理学(認定・指導薬剤師)、時間薬理学。

『時間薬理学』(朝倉書店)、『薬物相互作用トップ100』(医歯薬出版)、

『薬と病気の本』(保健同人社)など著書多数。

 


 

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フローラ薬局代表

薬剤師・薬学博士

篠原久仁子先生

 


薬剤師のルーツは、中世ヨーロッパで

病に苦しむ人に薬草を摘み与えた「薬草魔女」にあるそうです。

こうした薬草、ハーブの効用は

長年の研究を経て世界的に実証されており、

現代でも多くの医薬品に用いられています。

薬局の原点に立ち返り、薬草やハーブの効用と活用法を発信し続ける、

茨城県・フローラ薬局の代表、篠原先生にお話をうかがいました。

 

桜や百合など身近な植物も薬草なのです 


お薬のルーツは、やはり薬草、ハーブにあります。

薬草というと、葛根湯などの漢方薬を思い出される方も多いと思いますが、

それ以外にもたくさんあって、

例えば、のど飴で有名な南天は、

葉から抽出したトラニラストという成分がリザベンというお薬になっていますし、

私が大好きなハーブのひとつ、

カモミールは消炎保湿効果があるということで、

アズレンのうがい薬やアズノール軟膏や胃腸薬などに活用されています。

 

日本を象徴する植物、桜もお薬になっています。

桜はたとえ枝が折れていても、皮一枚でつながっていれば、

折れた枝の先に花を咲かせる。

桜の皮は桜皮(おうひ)と呼ばれていまして、咳止めの効果があります。

市販の咳止めにも桜皮エキスとして使われていますし、

病院で使われる咳止めのシロップにも入っています。

百合の根も咳止めと保湿効果のある薬草ですが、

このように身の回りのたくさんの植物が

薬草として使われていることがおわかりいただけると思います。

 

薬膳教室や薬草生け花、大学との共同研究も


フローラ薬局の本店ではハーブ園を設け、

西洋、東洋、和の薬草ハーブを栽培しています。

ハーブ園で採れた薬草ハーブを使って、

ハーブティーやハーブクッキー、ハーブビネガーを作り、

試食、試飲を楽しんでいただく講座や、

「薬膳教室」「薬草生け花教室」といった講座も行っています。

 

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講座は、各地域の公民館などで行うほか、

NHKのカルチャーセンターでの漢方薬膳講座も月2回実施、

プラザホテルの総料理長との薬膳講座も年に2回開催しています。

さらには各保健センターの管理栄養士さん、

小・中学校、高校の栄養教諭の先生を対象にしたセミナー、

食生活改善推進委員会、健康推進委員を対象としたセミナーなど、

毎週のように何かがありますね。

 

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このほかにも大学などとの研究も行っており、

いろいろとあわただしくしていますが、

こうした講座でハーブ、薬草の効用を説明すると、

多くの方に興味を持っていただけますので、

地域に健康的な食生活を発信する上では、意義深いのではと思ています。

 

薬草、ハーブを取り入れて豊かな生活を 


ハーブは目で見て楽しむだけでなく、

ハーブティーを淹れたり、料理に使ったり、

ポプリを作ったりといろいろな使い方があります。

例えば、ラベンダーは花を乾かしたものを布袋に入れてポプリにすると、

安眠効果が得られますね。

もちろん料理にも利用できますので、

ご自宅でバジルやタイムなどのハーブなどを育てて

ぜひ活用していただきたいです。

 

講座ではハーブの使い方を紹介し、

その後、ハーブ園に移動して、参加者の方々がご自宅で使えるように

ハーブを摘んで帰っていただきます。

 

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ハーブは五感で体験することで知識が身につくものですので、

ハーブや薬草を見て、香りをかいで、

摘み取って、食べて、楽しんでもらうことを目指しています。

 

電子レンジでハーブソルトをつくる 


薬膳料理というと、手間のかかることのように思われがちですが、

一番取り入れやすいのは、調味料にこだわることです。

例えば、バジルやタイム、セージなどは、

摘んで洗って、乾かした後、レンジで乾燥させて

粉々にしたものを塩にいれておくとハーブソルトになる。

同じ5グラムの塩を使うにしても、

ハーブソルトなら、ハーブが入っている分、減塩できますし、

香りも味わいも豊かなお料理になります。

さらに胃腸を丈夫にする効果や、殺菌効果も期待できますので一石三鳥です。

 

同様に、お酢や油にハーブを漬け込んで、

ハーブビネガーやハーブオイルを作っておくと、

どんなお料理にも使えますし、

塩やお醤油の使用を減らすことができますので、とても便利です。

 

青じその香りには精神安定剤の効果や胃腸を元気にする効果、

殺菌効果もありますので、生ものと一緒に食べるとよいですね。

同様に、菊の花には、目の充血やのぼせ、

体のほてりをとる効果があります。

茨城では、菊の花びらを酢の物に入れたりしますが、

彩りがきれいなだけでなく薬草としての効果もあるわけです。

 

また、季節ごとに地元の旬の食材を楽しめば、

それだけで薬膳の効果が得られます。

秋はナス、春は山菜、夏はキュウリ、トマト、スイカなど、

季節の味を楽しみながら、健康や美肌を手に入れていただきたいと思います。

 

栄養士が6人も在籍している理由は?


フローラ薬局は栄養士を重視した薬局づくりを目指していまして、

6人の栄養士がいます。

講座には彼女たちにも出席してもらって、

参加者の方々の栄養相談をしたり、

料理のレシピやおすすめの食材を紹介するなど、いろいろな活動をしています。講座を通じてうちの栄養士と話をされ、

その後「あの栄養士さんのいる薬局に行ってみよう」

と薬局に来てくださる方も増えますので、

相談しやすい雰囲気づくりにつながっていると思いますね。

 

栄養士を重視した薬局づくりに至ったのは、

私の父の闘病生活がきっかけになっています。

私の父は高血圧で、長年病院に通い、

その後、入院して透析を受け、最後は自宅で亡くなったのですが、

入院して透析を受ける状態になって初めて、栄養指導を受けたんですね。

長年通院している間、毎月、病院にも薬局にも通っていたのに、

食事療法を学ぶ機会がありませんでした。

もっと早い時期に、栄養士さんに会いたかったと痛切に感じたことが、

現在の活動の原点になっています。

 

こうした考えから、うちの薬局では、

処方せんがなくても栄養相談が気軽にできる薬局づくりを目指しています。

例えば、テレビで話題の食材は大丈夫なのか?とか、

そんなことでもかまいません。

私は薬剤師ですけれど、できればお薬を飲まずに、

予防に力を入れて病気の進行を止めたいと思いますし、

患者さんやお客様が、西太后のように

元気で美肌で長生きできるための情報を薬局として、

どんどん発信したいと思っています。

 

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<プロフィール>

しのはらくにこ 1985年東京薬科大学薬学部卒業。

東京の立川相互病院、帝京大学薬学部の医薬情報室勤務を経て、

96年茨城県にて、夫と共にフローラ薬局開設。

現在、東京薬科大学客員教授、昭和大学兼任講師、

日本大学薬学部非常勤講師を務めながら、

地域のカルチャーセンター、あるいは管理栄養士や学校の栄養教諭

を対象にしたセミナーなどで、薬草ハーブの活用法を伝える講座を

数多く開催。日本コミュティファーマシー協会理事。

 


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