私がつくる、未来への処方せん | セルフドクタークラブ 

ダーチャが今の生活の原点

8歳の時、ソ連崩壊後間もないロシアへ行った。国内が深刻な物不足に陥っていると聞いていたが、行ってみると誰も食べ物に困っていない。確かに都市部の八百屋やパン屋の棚に食料は並んでいなかったが、郊外にあるダーチャ※で、それぞれの家庭が食べ物を自給していたのだ。

「ダーチャは家庭ごと様々で、ビニールハウスで野菜を育てている家もあれば、山羊を飼ってミルクを搾っている家もある。それぞれの家が工夫して自分たちの食べる物を作っているのが面白い。みんな違う物を作っているから、余ったら物々交換できる。このダーチャの生活が、今の生活の原点かもしれない」

東京でダーチャのような自給自足的なライフスタイルは送れないものかとたずねたら、「屋根の上にダーチャを作ればよい」と。東京で庭をもつのは無理だから、屋根の上にテラスを作り、そこに農作物を植える。植えた作物が落ちない仕掛けや、灌水器も必要だろう。いや、屋根の上に登るのは大変だから、プランターが下りてくる仕掛けを作ったほうがよいか? と即座にアイデアが返ってきた。考えるだけでなく、すぐに動いてしまう人だ。「実はもう、実験的にあそこの屋根の上に植物を植えているんだけどね」

 

 

p85_up.jpg

 

屋根の上に畑を作る予定。実験的に植物を栽培してみた。

 

※ ダーチャとは、ロシアの人々が週末や休日を過ごすために郊外に所持している菜園つきの家のこと。国から無償で与えられるもので、モスクワ市民の70%以上がダーチャを保有しているともいわれている。

 

 

体が勝手に動いてしまう

 

「365日休みなく、毎日何かしている。夏は畑や田んぼ、レストランの仕込み作業に忙しい。夏場にお客さんがいる中でチェーンソーを鳴らすわけにはいかないから、建築作業は自ずと冬場になる。大雪が降ろうとね」

長野に暮らして45年。この土地の暮らしもすっかり板についている。漬物好きの世代なので、毎年、かぶや大根と様々な野菜を使って15種類ほどの漬物を作るが、一緒に働く若者たちは、漬物になじみがないのか、あまり手をつけてくれない。

「せっかく漬物を作っても余ってしまう。何年間もその体験をしていると、もう来年は作らないぞと思うわけ。でも不思議と、春になると体が勝手に動いて種を蒔いている。いま畑は、他に植えるところがないくらいびっしりだよ」

結局、体にしみついているのだ。生きるために動く。毎日それをくり返している。

気がつけば60歳。娘には、いい加減仕事をやめたらと言われる。「でも、仕事がなくなったら病気になるからね」。それに、廃材を使いこなすのは誰にでもできることじゃない。まだ当分、次に渡すつもりはない。

 

 

p87_up.jpg

 

田んぼを始めたが、草取りの大変さには気が滅入った。発砲スチロールを取りつけ、水に浮くように改良した除草機を作り、草取り作業の負担を減らした。

 

p87_down.jpg

トラクターの壊れた部品を溶接して直す。

  • ヘルシーインタビュー
  • アジアンビューティへの道
  • 島ぐらし研究会
  • 村ぐらし研究会
  • ハワイヘルシーツーリズム
  • 地域の健康ステーション
  • CANALYZE
  • 女性の生き方研究会
  • NEWS&TOPICS
  • PICK UP BOOKS
  • PICK UP BOOKS
  • PICK UP BOOKS
Copyright 2014 Japan Life Design Systems. All rights reserved.