私がつくる、未来への処方せん | セルフドクタークラブ 

 

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フローラ薬局代表

薬剤師・薬学博士

篠原久仁子先生

 


薬剤師のルーツは、中世ヨーロッパで

病に苦しむ人に薬草を摘み与えた「薬草魔女」にあるそうです。

こうした薬草、ハーブの効用は

長年の研究を経て世界的に実証されており、

現代でも多くの医薬品に用いられています。

薬局の原点に立ち返り、薬草やハーブの効用と活用法を発信し続ける、

茨城県・フローラ薬局の代表、篠原先生にお話をうかがいました。

 

桜や百合など身近な植物も薬草なのです 


お薬のルーツは、やはり薬草、ハーブにあります。

薬草というと、葛根湯などの漢方薬を思い出される方も多いと思いますが、

それ以外にもたくさんあって、

例えば、のど飴で有名な南天は、

葉から抽出したトラニラストという成分がリザベンというお薬になっていますし、

私が大好きなハーブのひとつ、

カモミールは消炎保湿効果があるということで、

アズレンのうがい薬やアズノール軟膏や胃腸薬などに活用されています。

 

日本を象徴する植物、桜もお薬になっています。

桜はたとえ枝が折れていても、皮一枚でつながっていれば、

折れた枝の先に花を咲かせる。

桜の皮は桜皮(おうひ)と呼ばれていまして、咳止めの効果があります。

市販の咳止めにも桜皮エキスとして使われていますし、

病院で使われる咳止めのシロップにも入っています。

百合の根も咳止めと保湿効果のある薬草ですが、

このように身の回りのたくさんの植物が

薬草として使われていることがおわかりいただけると思います。

 

薬膳教室や薬草生け花、大学との共同研究も


フローラ薬局の本店ではハーブ園を設け、

西洋、東洋、和の薬草ハーブを栽培しています。

ハーブ園で採れた薬草ハーブを使って、

ハーブティーやハーブクッキー、ハーブビネガーを作り、

試食、試飲を楽しんでいただく講座や、

「薬膳教室」「薬草生け花教室」といった講座も行っています。

 

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講座は、各地域の公民館などで行うほか、

NHKのカルチャーセンターでの漢方薬膳講座も月2回実施、

プラザホテルの総料理長との薬膳講座も年に2回開催しています。

さらには各保健センターの管理栄養士さん、

小・中学校、高校の栄養教諭の先生を対象にしたセミナー、

食生活改善推進委員会、健康推進委員を対象としたセミナーなど、

毎週のように何かがありますね。

 

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このほかにも大学などとの研究も行っており、

いろいろとあわただしくしていますが、

こうした講座でハーブ、薬草の効用を説明すると、

多くの方に興味を持っていただけますので、

地域に健康的な食生活を発信する上では、意義深いのではと思ています。

 

薬草、ハーブを取り入れて豊かな生活を 


ハーブは目で見て楽しむだけでなく、

ハーブティーを淹れたり、料理に使ったり、

ポプリを作ったりといろいろな使い方があります。

例えば、ラベンダーは花を乾かしたものを布袋に入れてポプリにすると、

安眠効果が得られますね。

もちろん料理にも利用できますので、

ご自宅でバジルやタイムなどのハーブなどを育てて

ぜひ活用していただきたいです。

 

講座ではハーブの使い方を紹介し、

その後、ハーブ園に移動して、参加者の方々がご自宅で使えるように

ハーブを摘んで帰っていただきます。

 

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ハーブは五感で体験することで知識が身につくものですので、

ハーブや薬草を見て、香りをかいで、

摘み取って、食べて、楽しんでもらうことを目指しています。

 

電子レンジでハーブソルトをつくる 


薬膳料理というと、手間のかかることのように思われがちですが、

一番取り入れやすいのは、調味料にこだわることです。

例えば、バジルやタイム、セージなどは、

摘んで洗って、乾かした後、レンジで乾燥させて

粉々にしたものを塩にいれておくとハーブソルトになる。

同じ5グラムの塩を使うにしても、

ハーブソルトなら、ハーブが入っている分、減塩できますし、

香りも味わいも豊かなお料理になります。

さらに胃腸を丈夫にする効果や、殺菌効果も期待できますので一石三鳥です。

 

同様に、お酢や油にハーブを漬け込んで、

ハーブビネガーやハーブオイルを作っておくと、

どんなお料理にも使えますし、

塩やお醤油の使用を減らすことができますので、とても便利です。

 

青じその香りには精神安定剤の効果や胃腸を元気にする効果、

殺菌効果もありますので、生ものと一緒に食べるとよいですね。

同様に、菊の花には、目の充血やのぼせ、

体のほてりをとる効果があります。

茨城では、菊の花びらを酢の物に入れたりしますが、

彩りがきれいなだけでなく薬草としての効果もあるわけです。

 

また、季節ごとに地元の旬の食材を楽しめば、

それだけで薬膳の効果が得られます。

秋はナス、春は山菜、夏はキュウリ、トマト、スイカなど、

季節の味を楽しみながら、健康や美肌を手に入れていただきたいと思います。

 

栄養士が6人も在籍している理由は?


フローラ薬局は栄養士を重視した薬局づくりを目指していまして、

6人の栄養士がいます。

講座には彼女たちにも出席してもらって、

参加者の方々の栄養相談をしたり、

料理のレシピやおすすめの食材を紹介するなど、いろいろな活動をしています。講座を通じてうちの栄養士と話をされ、

その後「あの栄養士さんのいる薬局に行ってみよう」

と薬局に来てくださる方も増えますので、

相談しやすい雰囲気づくりにつながっていると思いますね。

 

栄養士を重視した薬局づくりに至ったのは、

私の父の闘病生活がきっかけになっています。

私の父は高血圧で、長年病院に通い、

その後、入院して透析を受け、最後は自宅で亡くなったのですが、

入院して透析を受ける状態になって初めて、栄養指導を受けたんですね。

長年通院している間、毎月、病院にも薬局にも通っていたのに、

食事療法を学ぶ機会がありませんでした。

もっと早い時期に、栄養士さんに会いたかったと痛切に感じたことが、

現在の活動の原点になっています。

 

こうした考えから、うちの薬局では、

処方せんがなくても栄養相談が気軽にできる薬局づくりを目指しています。

例えば、テレビで話題の食材は大丈夫なのか?とか、

そんなことでもかまいません。

私は薬剤師ですけれど、できればお薬を飲まずに、

予防に力を入れて病気の進行を止めたいと思いますし、

患者さんやお客様が、西太后のように

元気で美肌で長生きできるための情報を薬局として、

どんどん発信したいと思っています。

 

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<プロフィール>

しのはらくにこ 1985年東京薬科大学薬学部卒業。

東京の立川相互病院、帝京大学薬学部の医薬情報室勤務を経て、

96年茨城県にて、夫と共にフローラ薬局開設。

現在、東京薬科大学客員教授、昭和大学兼任講師、

日本大学薬学部非常勤講師を務めながら、

地域のカルチャーセンター、あるいは管理栄養士や学校の栄養教諭

を対象にしたセミナーなどで、薬草ハーブの活用法を伝える講座を

数多く開催。日本コミュティファーマシー協会理事。

 

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