私がつくる、未来への処方せん | セルフドクタークラブ 

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人を癒す森に

傍から見れば特異な経歴かもしれない。大学を卒業後、コンピュータ会社に8年間勤めた。自然の中で仕事がしたいと林業に興味をもち、一から勉強しようと母校である信州大学の農学部に編入。すでに35歳になっていた。

大学での勉強は、森を整備する今の仕事に非常に役立つものとなった。先生や先輩に恵まれ、「山の仕事をするなら、チェーンソーの使い方とかではなく、木を覚えなさい。林業の人は木を知らなさ過ぎる」と、今につながる教えもたくさんもらった。林業系ではなく造園系の研究室に入ったのも正解で、木や野草、様々な植物の生態や景観づくりを学んだ。

「健康の森」の森づくりは、主役を交代させるイメージで取り組んだ。まずはアカマツを少し伐ることで、コナラやシラカバなどアカマツと同じくらいの背丈の広葉樹や、森に彩りを与えるサクラやカエデの仲間を活かした。

「人を癒す森とはどういうものだろう? 1つには、季節が感じられることではないかと考えました。春には新緑の芽吹きに喜び、夏には木陰で涼やかな気持ちになり、秋はもちろん紅葉。冬は難しいですが、カフェから美しい雪景色を眺めていただくとか。そういうことが体感できるよう整備しました」

 

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引き算をすることで見えてきた 森の美しさと多様性。

 

自然の包容力と再生力を信じる

森には、「天然林」と「人工林」があり、その中間に「天然生林」というのがある。人の手を入れたほうがよいか、入れないほうがよいかは、森のタイプと目指すべき姿によって異なる。例えば、「天然林」は、日本では白神山地や屋久島の森が代表的。人の手を加えないほうが豊かに循環できる。「人工林」は、人が木を植え、その木を育てるために手入れをする森のこと。ある程度年数が経ったら伐採し、木材として使う。森が荒れているという時の森は、この人工林の話だ。

そして「天然生林」は自然に散布された種が発芽してできた森のこと。里山で暮らす人が木を伐って薪にしたりしながら共存してきた森だ。「健康の森」は手入れを止めた人工林と天然生林がミックスした里山林にあたる。

「自然の包容力と再生力にはすごいものがある。木の種類によっては伐ってもちゃんとまた新しい芽が出るんですよ。人の手を入れるのは必要だけど、木がもつ生命力を信じ、活かしていくことも大切だと思っています」

現場仕事に徹している。130種全ての樹木の名前と生態、生息場所は心得たもの。一日中森の中を見回り、新芽を確認したり、景観を損ねる枝などを伐採したりする。自信をもって言える。「今の仕事は天職です」

 

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