ゆうききよみさんと
「鉢&田島征三
絵本と木の実の美術館」
NO.23「ゆうききよみさんとの出会い」と、NO.27 きょうの絵本 「どうして? どうして?」でご紹介したゆうききよみさんは、刺繍 絵本アーティストの活動と平行して、新潟県十日町市の山中に ある「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」でスタッフとして 働いていらっしゃいます。 最初は一般客として美術館に訪れたそうですが、あまりにも素敵 な場所なので、その後何度も足を運び、ついにはカフェのスタッフ 募集に迷わず応募したのだとか。
インタビューでは、刺繍絵本のこと、鉢の美術館のこと、どちらも 素敵なお話をうかがえました。
●ゆうききよみさん 1981年宮城県生まれ。新潟県十日町市在住。 2004年東北芸術工科大学デザイン工学部 生産デザイン学科テキスタイルコース卒。 現在、刺繍絵本アーティストとして活躍中。 URL:http://yukikiyomi.petit.cc/
★ゆうききよみさんの『どうして? どうして?』を 購入ご希望の方は、「PB Cafe」宛てにご連絡ください。
刺繍絵本への想い
「こどもたち、昔こどもだったおとなたち、 小さい頃のわたしの不思議にこたえる絵本を描きたい。 小さい頃だっこしてもらったおかあさんのエプロンのにおいを 思い出すような、そんな絵本を描きたい。」 (ゆうきさんのブログより)
テキスタイルを専攻していた学生の頃から、ゆうきさんは 布には物語があると感じていました。そのため、提出した課題や 制作した作品には、必ず物語をつけたそうです。
そんなゆうきさんですから、刺繍と絵本がドッキングしたのも ごくごく自然な流れだったのでしょう。
ブログで書かれているようにゆうきさんの物語のテーマは こどもや、昔こどもだったすべての人がほっとできるような 日常のささやかな出来事。 自分の体験がベースになった、なつかしさとしみじみとした 安らぎを覚える作品ばかりです。
ひと針ひと針、糸をさしていくたびに 想い出がかたちになっていきます。 新作絵本もゆうきさんの子ども時代の お話になる予定です。楽しみですね!
「鉢&田島征二 絵本と木の実の美術館」への想い
鉢は、まわりを山で囲まれた小さな集落。村の過疎化が進み 2005年春に、集落で唯一の小学校「真田小学校」はついに廃校 となり取り壊されようとしていました。 しかしこの学校を残したいという集落の人たちの熱い想いと 絵本作家の田島征三さんの心強いプロデュースによって 09年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のひとつの 作品として再利用されることになり、生き返ることができたのです。
作品は、からっぽになった校舎を舞台に、最後の在校生と 学校に住みつくオバケたちとの物語。空間絵本『学校はカラッポ にならない』の誕生でした。 その物語が校舎いっぱいに広がって、体験型の絵本美術館と なり訪れる人を楽しませてくれています。
おばけのトラペトト。教室や体育館など校舎の 一つひとつが絵本の1ページになっています。 Photo/Takenori Miyamoto + Hiromi Seno
体育館いっぱいの流木オブジェ。ワイヤーが 入り口の巨大なししおどし「バッタリバッタ」に つながっています。鉢の山からしみ出た湧き水で 「バッタリバッタ」の頭がいっぱいになると バッタはお辞儀をします。その動力がワイヤーを 伝わり、体育館中の流木オブジェが踊り出す という壮大な仕掛けです。 Photo/Takenori Miyamoto + Hiromi Seno
流木に木の実を接着する作業をする鉢集落 のお母さんたち。ほとんどの人が「真田小学校」の 卒業生です。美術館の制作に集落の皆さんが 協力されました。そしてみんなの美術館が 出来上がりました。
校長室と職員室は「Hachi Cafe」になりました。 ここでは魚沼産コシヒカリと季節の焼き野菜、 妻有ポークを使ったスペインの郷土料理「アロス」 が食べられます。 もしかしたらゆうきさんがサーブしてくれるかも!
冬になると、雪に囲まれたすり鉢状の地形の中にすっぽり 入ってしまう「鉢」という集落。雪の山越えは慣れていないと 難しそうなので、夏場のうちに訪れようと思いました。その際には もっと詳しく現場ルポを掲載しますのでお楽しみに! (ミヤタ)
●鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
〒948-0111 新潟県十日町市真田甲2301-1 TEL&FAX 025-752-0066 開館時間/10:00~17:00 入館料/大人500円 子ども250円 e-mail ehon_to_kinomi@tsumari-artfield.com URL http://www12.ocn.ne.jp/`ehon2009
★交通アクセスについては上記URLでご確認ください。
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