"主人公がセクシーなのは確信犯"

田中清代さんの代表作 トマトさん

  ここ最近の人気絵本といえば"かわいらしい"主人公がでてくるものが多い中、田中清代さん作の「トマトさん」。どこか人間っぽく、セクシーさ漂う"熟したトマト"が主人公。インパクトのあるキャラクターは子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されています。PBcafe第1回目は今人気の若手絵本作家 田中清代さんに「トマトさん」の創作裏話をお聞きしました。  


  清代さんの代表作「トマトさん」が
生まれたきっかけは?

  単純なことですが、"こどもの とも"で初めて描かせて
いただいた作品が「みつこととかげ」と いう作品で、
"と" と "かげ" でお話を進めて行くというストーリーなのですが・・・

  "と" "かげ"ですか?


  はい。(笑)
主人公のみつこが"とかげの国"に 行く途中、不思議な
トンネルを通ると体がとかげのサイズになり、
その不思議な世界で"と"がつくものと"かげ"が
つくものに出会うというお話です。

  なるほど!そこで"と"がつく、トマトさんが登場?


  そうなんです。
そのトマトがなぜかとても好評で、トマトで絵本はつくれないか?という
お話をいただいたのがきっかけで。

    絵本作家 田中清代さん


    ありのままの自分でいいじゃない!


  トマトさんは絵本のキャラクターにしてはかわいいというより、
セクシーというか・・・。何故熟したトマトなのでしょうか?

  中学時代に母を亡くしたせいか熟女への憧れがあるのかも。寂しくて。
男性が持っているマザコンのようなものに似ているかな。
セクシーの中に自分が求めている中年女性「お母さん」の姿がある。
現代の絵本に描かれているお母さんは
30代くらいのイケてるお母さんを書くことが多いけど、
私はスーパーに行きそうな本当のお母さんを描きたかった。

  自分の感情、経験が全て作品に入っているかも。
自分を投影する前に、つくり物くさいようなキャラクターにはしたくなくて。
自分のイメージだけでなく、自分の体も含めてすべて自分。
否定しがちな自分、肉体的・精神的なことも
そこは価値として認めてあげたい。
そこを表現していくことに意味がある。
結果的には子どもウケと自己表現がミックスしているような感じ・・・
それから"スマートなものへの反発"もあるかな。

  スマートなものへの反発というと?


  実は肉体的なコンプレックスをずっと抱えていて・・・
中学時代に器械体操をやっていたんだけど、
辞めてから20代前半までずっと太っていて、
そのコンプレックスで自己否定感がすごくて。

  今はとてもそうは見えないですが。(痩せてます。)


  自分の身体が嫌い!克服したい!・・・その気持ちを絵本で
表現することによって自分と向き合っていたのかも。

心のバランスを整えるというか。"ありのままの自分でいいじゃない!"
という思いが強く作品に込められているかな。

  それからキャラクターをセクシーに描いているのは確信犯
どこまでみんなが気がつかずに行くか?
芸術ってセクシーであることを肯定する人もいれば否定する人もいる
・・・どのくらい表現できるか挑戦しているかも。

  ある昔の映画でヌードモデルがでてくるけど、
そこにはモザイクがかかっていて、逆にいやらしい。
いいではないか、エロくても!っと私は思う。(笑)
絵本でもそのへんを挑戦してみたい(笑)


   





 
PB研究結果

 
  今回のインタビューで一番の発見は清代さんの "...絵本で表現することによって自分と向きあっていたのかも。心のバランスを整える..."というコメントからもしかして絵本はセラピー効果もあるのではないかと感じちゃいました。
最近"大人のぬりえ"や"ヒーリングミュージック"や"アロマテラピー"とかセラピー効果のあるものがとても流行っているけど、絵本はそれと似たような効果があるのかもしれませんね。
例えば、アロマグッズと絵本のセットがオシャレなギフトになったら"究極のセラピーギフト"になるかもですよ。

 



  CHECK MEMO

    田中清代さんプロフィール

    1972年、神奈川県生まれ。
絵本作家、銅版画家。多摩美術大学油画・版画専攻卒業。
在学中に絵本の制作を始める。
1995年、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展でユニセフ賞受賞、
翌96年同展で入選。
作品に『おきにいり』(ひさかたチャイルド)、『おばけがこわいことこちゃん』(ビリケン出版)、『みつこととかげ』『トマトさん』(福音館書店)、
『ねえだっこして』(文・竹下文子、金の星社)、『おかあさんとさくらの木』(文・紫わらし、ひくまの出版)などがある。

WEBSITE;オイカカナットの地下室 http://www.oyikakanat.com
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コメント(7)

■ ヨッシー :

 はじめまして。
 「絵本のチカラ」これって無限大。
 私は、本を読むと言うより、本に囲まれているのが大好きなんです。なので、コメントも上手く書けませんが、又、お邪魔させてください。

みなみ :

ヨッシーさま

コメントありがとうございます!
そうなんです。絵本のチカラは果てしない。
その未知数のチカラを少しでも知りたくて…
この研究ブログを立上げました。
今後少しずつ、少しずつアップしていきたいと
思っております。

本に囲まれるのが好きというのは私も同感です。
好きなデザインやイラストだったりすると
自然に目のつく場所へレイアウトをしたり…

「好き」なものに囲まれる生活って幸せな気分になったり、
穏やかな気分になったりいいですよね。

早くも2009年幕開けですが…
本年も宜しくお願い致します。


■ jun :

絵本、大好きです!
アロマグッズと絵本のギフト、いいですね!私も欲しいと思いました。私の最近好きな絵本は、「愛」をテーマにした絵本です。「100万回死んだねこ」や、「ラブユー・フォー・エバー」「てぶくろを買いに」などです。

そうなんです。アロマ×絵本ギフトは是非実現できたらなぁと企んでいるところです。協力して頂ける皆様募集中です!それから、「愛」をテーマにした絵本はベストセラーがたくさんあります。特に100万回生きたねこは160万冊以上も売れた絵本業界では異例の大ベストセラーですよね。ちなみにこの絵本が発売された1970年代は第一次絵本ブーム到来と言われた時代で、高度経済成長や石油ショックが世の中で騒がれている中、「絵本」も社会的テーマや視点をもつ作品が続々登場したそうです。絵本と時代の流れを追っていくと何かまた面白い発見もありそうですね。

■ jun :

なかがわさん
そうなんですね、知りませんでした。「100万回生きたねこ」は、結婚前に主人にプレゼントしたのと、自分用のと家に2冊あります(◕ฺ‿◕ฺ✿ฺ)
他に「the Giving tree」「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」も好きです♡→ܫ←♡
今は時間があるので、1歳半の男の子と毎日絵本を楽しんでいます。絵本とアロマのギフトで何か協力できることがあればおっしゃってください!アロマも好きです☆

みなみ :

みなさま3月になりました。
先日「MOE」編集部に行ってきました。
田中清代さんからのご紹介でPBカフェを見てくださり、
興味を持って頂いたみたいです。
本当に感謝です!

その時たまたま話題になったのが、
アカデミー賞を受賞した「つみきのいえ」。
「つみきのいえ」は絵本でも発売されているのをご存知でした?
もしご興味があれば是非お手にとってみてください♪
映像とは別に絵本用に制作したものですので、
またひと味違った魅力があるかと思います。

MOE編集部HP↓「つみきのいえ」
http://www.hakusensha.co.jp/moe/book/com/index2.html

それから…もう少しで絵本のチカラ2回目が
アップされますのでお待ちくださいませ。


■ ヨッシー :

「太ってた。」から、「痩せた。」こうであればいいではありませんか。
そういう問題では無い。そうですね。

「ひみつのカレーライス」この本は、4月に帰省して来た孫ちゃんが大のお気に入りになった絵本です。
お話の中のカレーライスの種が気に入ったようです。
カレーライスが大きな木になるんですよ。
大人の想像を超えた、なんともユニークないい感じでした。
今後の作品 楽しみです。

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