ネーム・マーケティング

話題の焦点を明確にし、ヘッドピンを倒すようにネーミングすれば、市場は名付けられたことによって顕在化します。そこに今まで認識されていなかった価値が発生し、マーケットが生まれます。商品に話題性のあるネーミングをすることも大切ですが、それよりも顕在化させようとしている市場そのものにネーミングをするほうが、より重要でしょう。物にネーミングするのではない、市場価値にネーミングする。物のネーミングよりもサービスのネーミング、マーケットのネーミングのほうが、より大きな効果を発揮します。コンセプトをいかに的確にネーミングするか。新たな価値創造は「ネーム・マーケティング」によって果たされる時代です。そのネーミングされた市場の代表的立ち位置を獲得すれば、市場のほとんどを占めることも可能です。新たな生活課題を解決することが今日のマーケティング。言ってみれば未来は名付けられることによって生まれ、顧客はその市場を名付け親のように見守り、育ててくれます。手を上げて顧客になってくれます。ロゴタイプやシンボルデザインなどによって、さらにその市場価値を明確にすることも大切でしょう。ブランディングとは、「ネーム・マーケティング」そのものです。ネーミングされた市場は、ゼロから一気に市場シェアを獲得し、新たな顧客とマーケットを生み出す力を持っています。迷わず名付けましょう。


<事例情報>

■『もしドラ』効果、半年で100万部突破。

ダイヤモンド社は岩崎夏海さんが書いた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が、昨年12月の発売以来100万部を突破したと発表。新聞広告では「いつの間にか『もしドラ』と呼ばれるようになりました。」がキャッチフレーズ。サブフレーズは「真摯さとは何か。その答えを、ドラッカーの中に見つけた女子高生がいた」で、正式タイトルと著者名は右下に小さく表現した。あくまでも『もしドラ』という略称ネーミングを前面に出す作戦だ(日経7 /19、7 /22夕刊)


■「ソーシャルビジネス」急浮上。

ファーストリテーリングがバングラデシュでグラミン銀行と合弁会社を作って一躍注目を集めてきた「ソーシャルビジネス」。貧困や環境悪化などの社会的問題を解決しつつ利益も生み出す事業だ。同合弁会社は現地で原材料を調達し、雇用も増やし、1ドル以下で衣料品を売る予定。「その国にとって良い企業しか生き残れない」(柳井正氏)という認識のもと、ダノン、ユニリーバ、P&G、住友化学、味の素などの大手企業がすでに乗り出している。「ソーシャルビジネス(社会的事業)」というコンセプトネーミングが普及に拍車をかけている(朝日7 /21)

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情報分析は谷口正和が担当します

「NEXTHINK」は、マーケティング・コンサルタントの谷口正和が、世の中にあふれる情報をフラットに見渡し「常に『次』を考える姿勢」をもって次なる価値潮流を見切っていく週刊マーケティング情報誌です。経済専門誌からインディーズ・マガジンまで、約100のメディアからその週の新しい事実、特徴的な情報をピックアップし、3つのコンセプト・キーワードに転換、分析。それを裏付ける事例情報と共にファクス又はメールでお届けしています。


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