花も動物もカルチャーも!
ハワイはデザインソースの宝庫なんです
ハワイの植物や動物、フラやキルト柄などをモチーフにした型抜きクラフトが「ハワイアンステンシル」。川島さんが考案して徐々に広めてきた。手軽だが奥が深く、しかも初心者でもそれなりの作品に仕上がるとあって、ハワイ好きの間で人気上昇中。首都圏を中心にいくつもの教室やイベントを飛び回る忙しい日々だ。そんな彼女が語るハワイアンステンシルの魅力、熱い思いとは・・・
HLC:気軽にトライできるハワイアンアートとして、ハワイアンステンシルが注目されていますが、そもそもステンシルとはどのように出会ったのですか?
川島 なぜか家族や親類に芸術関係の人が多い家だったので、私も小さい頃から油絵などを描くのが大好きでした。だからアートとかクラフトというものには、ごく自然になじんでいた。ステンシルを知ったきっかけは、20年ほど前に結婚したときに、家の生活空間を手作りで装飾したいと思ったこと。当時、アメリカで流行っていたカントリーステンシルが、日本にも入り始めていました。そのほわっとしたやさしさや風合い、そして型抜きならではの手軽さに一気に引き込まれ、即それを実践し家の中をデザインしてみたんです。
HLC:うーん、素敵なおうちになったんでしょうね。でも、ステンシルとハワイとを結びつけようと考えたのはなぜ?
川島 もともと私は南の島が大好きで、若い頃からスキューバダイビングでタヒチやフィジー、ハワイなどをたびたび訪れていました。正直なところ、海中の美しさで言えば、ハワイよりも他の島々の方がきれいだと思ったんですが、ハワイには奥深い歴史や文化がありました。キルトやレイなどクラフトアートもユニークで、すぐにその魅力の虜に。何より、ハワイの歴史テーマや花、キルト柄などなど、ステンシル向けの素材が実に豊富でした。で、これはいいぞ、ということでデザインしてみたら思った通り素敵だったんですよ。
HLC:ステンシルのおすすめポイントって?
川島 やはり型を使うので初めてでも親しみやすいこと。誰でも初回からそれなりの作品ができます。しかも短時間で。そして、1つの型でも、色やレイアウト、技法、ベースなどにより、全く違う仕上がりになること。とにかく奥が深いんです。

HLC:ハワイアンステンシルならではの魅力もありますね。
川島 そうですね。クラフトはものによっては、1人で黙々と、というイメージがありますが、ハワイアンステンシルは、「クラフトが好き」の前に、「ハワイが好き」という皆さんが多い。「ハワイ好き」という共有テーマのもとで、キルトやフラ、レイ、ウクレレなどの趣味と融合しながらステンシルを楽しむ。個人で作品づくりをしますが、ある意味、意識としてはチームプレー。皆さん本当に楽しんでいますね。ここが大きな魅力だと思いますよ。
HLC:ところで、ハワイをステンシルデザイナーの目で見るとどう映りますか?
川島 繰り返しになりますが、ハワイはステンシル素材の宝庫。例えば「ハラ」という植物の実はステンシルの筆にもなります。この筆でベースを作ればとてもハワイらしい趣が出る。ハワイに行くときはいつもレンタカー三昧ですが、気になるモチーフ、特に植物などを見つけると必ず車を止めて写真に撮る。そこから基本デザインを起こすわけです。ラニカイビーチやマウイ島のハナハイウェイ周辺は特にインスパイアされますね。
HLC:ハワイらしさをどう出すかがポイントだと。
川島 そうなんです。いま意識しているのは、通常は紙や布などを使っているベース素材自体を、よりハワイアンなものにすること。例えば、ココの木をベースにして、クリスマスオーナメントを作るとか。ラウハラベースのノートカバーを使うとか、ハワイならではの素材活用を考えています。これからもそんなハワイらしさが感じられるようなデザインや作品をどんどん増やしていくつもりです。
HLC:ありがとうございました。

<Profile> (かわしまかおり) 神奈川県生まれ。スポーツメーカー勤務などを経て2000年ステンシル工房「アトリエ ラ・プラージュ」を設立。02年「四季彩ペインティング」の誌上通販を機にハワイアンステンシルを考案。プランタン銀座やカルチャースクールなどで講座開設、04年にハワイアンステンシル教室「coco aloha」始動。以後、東京ドームや六本木ヒルズなどでのイベントを通じて活動強化。現在はスタッフ数人の協力を得て、東京、神奈川を中心に約250人の生徒を指導。
<取材後記>
川島さんは、1990年代に一世を風靡した、いわゆる「ハナコ世代」の女性で、話を聞くと、まさにそれを地でいっている。活発に海外旅行に出かけ、リゾートにグルメ、ショッピング、スポーツと旺盛な消費パワーを発揮。無論、ハワイのヘビーリピーターでもあったが、20年前にハワイを歴史や文化の観点で捉える人は決して多くはなかった。しかし、クリエーターの卵の目はそれに敏感に反応したのだ。そうして経験を積み、醸成された感性が、後にハワイとステンシルを結びつけ、開花させたのだろう。ハワイの魅力を親しみやすい手法で表現するアート活動には今後も注目したい。ちなみに彼女は、冬も暖房でがんがんに部屋を温め、汗だくになりながらハワイアン音楽を聞き、ハワイ気分にどっぷりと浸かって仕事をするのだという。ハワイが大好きだった一人のハナコがある日、クリエーターになったわけである。

















